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第18話 初夜(R18)

「伊織さん、今夜、俺の部屋に来てくれませんか。伊織さんのこと、抱きたいです」  ある日、雪翔が真剣な表情でそう言った。夜に恋人の部屋に行くと言う意味を知らない伊織ではない。 「へ、あ……え、えっと……」 「すみません……その、そろそろ限界で」  雪翔と付き合うことになってから、ずっと考えていたことではある。本当に雪翔とそういう関係になってしまったら──。 「な、七つも下の子に手を出すなんて……」 「だから俺、成人してますって」 「で、でもその……僕……」  伊織はぎゅう、と自分の身体を抱き締めた。 「もう、おじさん、だし……雪翔くん、興奮しないかもだよ……?」  恥じらいながら不安を伝えると、雪翔は伊織の肩をがっしりと掴んだ。 「絶対に 興奮 します」 「な、なんでそんな言い切れるの……」 「正直、今の伊織さんだけで勃ったんで」 「はい!?」  今のどこに興奮する要素があったのだ。 「じゃあさ、その……」  伊織はもじもじとしながら、雪翔にひとつ提案をした。 「もし、僕の裸見ても興奮しなかったら……その、しないってことで、いい?」 「はい。でも絶対興奮するんで。俺のこと舐めないでください」 「わ、わかった……じゃあ僕、お風呂入ってくるね。その、準備必要だし……」 「……部屋で、待ってます」  雪翔はちゅ、と伊織の額にキスを落とす。伊織は嫌われる覚悟を決めて、風呂へと向かった。   雪翔の部屋に行くと、彼はベッドに腰掛けていた。 「雪翔くん……お待たせ」  隣に座ると、雪翔は伊織をそっと抱き締めた。 「伊織さん、優しくするんで、痛かったら言ってください」 「あ、のさ……雪翔くんに、一個お願いがあるんだけど……」 「なんですか?」 「その、全部脱ぐから……見て、興奮するか確かめてくれる?」  伊織は自分の洋服に手をかけて、震えながらボタンを外した。期待する前に、雪翔に現実を教えた方がいい。 「……わかりました」  シャツを、ズボンを、下着を、全て取り払う。現れたのは、ただの貧相な男の身体。 「……ね? 興奮、しないでしょ?」  だが、雪翔は伊織の手を取って、とある場所に触れさせた。そこは確かに熱を持っていて、男なら誰でも興奮していることがわかる。 「舐めないでくださいって言いましたよね、俺」 「う、嘘……」 「嘘じゃないです。伊織さんの裸とか、俺もう我慢できないです」  雪翔は伊織をベッドに押し倒した。全身をなぞられて、肩にキスが落とされる。 「っ、ゆきと、く……」 「すみません、余裕ないです」  雪翔は伊織の胸をまさぐって、頂をなぞってきた。 「んっ……!」 「伊織さん、胸気持ちいいんですか?」 「っ、よわい、からぁっ……!ぁッ、あっ……! あンっ、んあっ! あっ、ひぁ、あンっ……!」  頂を指で触れられる度、腰に疼きが生まれる。触れられてもいないのに、性器が首をもたげていた。 「可愛い……」  雪翔はじゅう、と右の胸の先端に吸いついた。そのまま、舌が肌を滑っていく。 「ひぁっ!?ああっ、ぁンっ、あんあッ、は、ぁっ! あッうぁっ、あんっ、ぁっ、ひぁあっ!  ゃぁ、んっ……!」  赤子のように胸を吸われて、腰が引けてくる。伊織にとって性感帯であるそこは、どうしようもない快楽をもたらした。 「や、ぁっ……だめ、イっちゃうっ……! だめ、だめだめっ……! ひぁ、あンっ! ぁぅっ、あ、あ、あ────!」  先端を強く吸われた瞬間、頭の中が真っ白になった。性器から白が溢れて、びくびくと痙攣する。 「は、ぁっ……だめ、って……いったのに……」 「っ、伊織さん、マジでエロ……」  雪翔は潤滑剤で指を濡らすと、伊織の足を割り開いた。 「っ、ぁ」 「痛かったら、言ってくださいね」  つぷり、と指が後孔に入ってくる。久しぶりに異物を受け入れたそこは、ひくひくとうごめいていた。  指が内壁を擦って、奥へ奥へと入っていく。その度に、甘やかな悲鳴が口から零れた。 「っひ、ぁっ! ああっ、あンっ、ひぅっ、あッあっ! ひぁんっ、あ、あっ、! あっぁぅっ、ひぁっ! 」  精を吐き出したばかりの性器がまた反応する。自分が可愛がっていた男の子に身体を暴かれているという事実が伊織に背徳感をもたらしていた。 「ぁ、ゆきと、くっ……」  だが──雪翔の顔を見た瞬間、伊織は背筋に強い快楽が走るのを感じた。 「伊織さん……」  ぎらついた目に、荒い息。目の前の男は、確かに『雄』だった。 「ぁ、あっ……」  欲しい。この男が欲しい。愛されたい。満たしてほしい。そう思った瞬間、伊織の身体は快楽に正直になった。 「ぁ、あっ! は、ぁっ、ぁっ!? あっ、あんっ、ああっ! ひっぅあっ、あ、あ、あッ! あッ、んァっ、あンっひぁっ、ぁッぁあっ! 」  指が二本、三本と増えていく。しこりをとんとんと押されると、いっそう強い快感が与えられた。 「あんっ、ぁあっ、あ、あっ! ふぁっ!? ぁ、そこっ……! ぅあっ、あんっ、ああっ、あンっ! ぁ、あッぁんっ! ひぅっ、うぁッっ、ひ、あっ! うぁっ、ぁっ、あっ! 」 「エロ……くそ、もう我慢できない……」  雪翔は息を吐いて、前を寛げる。彼の屹立は、痛そうなくらい張り詰めていた。 「ゆきと、くん」  早く、早く暴いてほしい。伊織を組み敷いて、全て奪ってほしい。 「ここ、はやく、ちょうだい?」  伊織は指で、後孔を拡げて雪翔を求めた。男を欲しがっている、濡れそぼつ秘所を。 「っ、あんま、煽らないでくださいっ……!」  雪翔は屹立に避妊具を被せると、後孔に沈みこませた。 「ひ、ぁ────! あンっ、ンあッ、ぁあっ、あんっぁッ! あっ、ひぅっ、んあっ、あ、あっ! んァっ、あっぁっあっ! んぅっ、あッあ、あぁっ! 」  全てが奪われてしまうような快楽。求めていたものを与えられて、伊織は悦びに声を震わせた。 「あんっ、あッ、あっ! は、あッ、ぁっ、ああっ、あンっ! っひ、ぅあっんぁっ! ぁんっ、ァっあ、あっ! 」 「伊織さん、やば……気持ちよすぎるっ……」  雪翔は浅いところを執拗に責めた。しこりを屹立で擦られると、脳髄に直接劇薬を投与されたような悦楽が走った。 「ひぁっ、んぁっ、あ、あっ! ぅあっ、ああッ、あっ、ひゃぁっ! ひぅっ、は、ぁぅんっ、ぁッ、ぁっ!? ぁ、あッぁっ、あんっ、ひっっ、あんっ、あ、あンっ! あっ、ゆき、と、くっ……」  伊織は雪翔の首に手を回して、真っ直ぐに彼を見つめた。 「おく、も、ほしいっ……いちばんおく、とんとんしてっ……」 「っ……こう、ですか?」  屹立が最奥を貫く。気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい。快楽に全てを覆われて、もう自分の身体が形を保っているかもわからない。 「ああっ、あ、あ! んァっ、あんっ、あッ! ひぅっ、ふ、ぁッ、ああっ、あンっ、んぁっ、あっ、ひぁんっ! 」 「伊織さん、伊織さんっ……」  雪翔の目が欲望を孕んでいる。男の熱を、伊織に向けてくれている。雪翔を、喰らいたいと思ってくれている。それがどうしようもなく嬉しかった。  この男に、奪われたい。犯されたい、侵されたい。 「ゆきとくん、すき、すきっ……!」  伊織が必死にしがみつくと、雪翔は伊織を強く抱き締めてくれた。快楽の階段を駆け上がって、高みに昇り詰めていく。 「ぁ、も、イくっ、でちゃう……! ひぁっ、ぅあっ、ぁぁ、あッ! ぁっ、あんっ、っひ、あ、あっ! ぁッんァっ、ぁんっ、あ、あっ! 」 「っ、俺も、出ますっ……!」 「ぁっ、ひぁっ! あっ、ああっ、んあッ! んァっ、あ、あンっ! あ、あっ、ンあッ、ぁんっ! あんっ、ぅあっ、ぁんっ、ああっ、あ、あ────────!」  最奥を貫かれる。全身を覆う甘い痺れ。内ももがびくびくと震えて、性器が白濁を零した。  避妊具越しに欲望を吐き出される感覚があった。伊織は快楽の余韻に身体を痙攣させる。 「は、はっ……伊織さん、大丈夫ですか……?」 「ぁ、あっ……ゆきと、くん……」  雪翔の腰に、足を絡める。まだ、もっと欲しい。 「もういっかい、したい……」 「……いいですよ。俺も、まだしたいです」 「あっ、あ、あっ……!ぁッ、っひぁっ、んぁっ、ぁっ、あんっ……!」  伊織と雪翔は、甘い夜に溺れていく。ふたりの手は、シーツの海に沈んでいった。 「ん……」  目が覚めると、誰かに抱き締められていた。目の前には満足げな恋人の笑顔。 「おはようございます、伊織さん」 「お、おはよう……」 「へへ、伊織さんがベッドで寝てるの新鮮。いつも先に起きてたから」  そうだ、昨日の夜は雪翔と愛し合って────。 「ひ、ひぇ……!」  伊織は顔を手で覆った。ついに一線を越えてしまった。いや、それどころか。 『もういっかい、したい……』  自分から、雪翔を求めてしまった。 「……伊織さん、まさか後悔とかしてませんよね」 「う……後悔っていうか、反省っていうか……! ぼ、僕めちゃくちゃがっついちゃって……!」 「いや、エロい伊織さん最高でしたよ」  雪翔はあやすように伊織の背中を撫でる。恥ずかしい。穴があったら入りたい。 「……雪翔くんが、男らしくてかっこよくて……すごく、興奮しました……」  昨日の雪翔は確かに雄の顔をしていた。伊織の中の被征服欲がどうしようもなく疼いてしまったのだ。 「……たかひとさんとどっちが気持ちよかったですか?」 「へ?」 「その、こういうの聞くのは卑怯かなとは思うんですけど……負けたくなくて」 「え、えっと……その……」  性行為は比べるものではないとわかっている。けど、雪翔はひどく真剣だ。 「その……雪翔くんの方が……気持ちよかったっていうか、理性が吹っ飛んだ感じがした……」 「……よかったぁ……」 「ゆ、雪翔くん?」 「なんか俺、自信つきました……」  雪翔はちゅ、と額に口づけを落としてくる。彼はふっと笑って、ベッドから抜け出した。 「コーヒーいれてきます。伊織さん、カフェオレでいいですか?」 「あ、うん……ありがとう」  伊織はシーツにくるまって、自分の痴態を思い出す。昨日の夜の快楽は、人生で最高のものだった。 「はまったらどうしよう……」  喘ぎすぎて掠れた声が、寝室に小さく零れた。

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