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元悪役令息の平穏ライフプラン(最終話)

 ウインナーパーティーを終えて数週間後に、蓮斗は久しぶりに空き教室へと足を運んでいた。いじめられていた頃はよく訪れていた場所だ。  この場所からすべてが始まったのだ。志乃が退学してから、学園生活は驚くほどに穏やかに進んでいる。狭山とも適度な距離感を保っているし、クラスメイトともそこそこ仲良くやれていた。  感慨深くなり、床へと身体を横たわらせる。 (アリステラ。君の祈りはきっと届いていたんだと思うよ)  蓮斗は胸元で手を組み、目を閉じる。その姿はまるでアリステラが祈りを捧げていたときのようだ。  祈るのは大切な人と自分の平穏。前世の記憶を取り戻してから、ずっと蓮斗が目標にしてきたことだ。 「大丈夫かい?」  聞き覚えのある声に話しかけられて目を開ける。灰青の瞳と目があう。懐かしいシチュエーションだ。 「掴まって」  手を差し出される。あの日は、この手を思い切り振り払ったのだ。  けれど、今回はその手をしっかりと握り返す。そうしてゆっくりと身体を起こした。  この手をずっと握り続けて行きたい。だから、これからも蓮斗は前を向き、自分に素直に生きて行くと決めた。 「へへ、ありがとう」 「どういたしまして」  人生はこれからも続いていく。辛いことも悲しいことも沢山あるだろう。その分、嬉しいことも楽しいことも起きるはずだ。だから、蓮斗(元悪役令息)の平穏ライフプランはまだまだ始まったばかりなのだ。 終

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