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番外編⑥(輝視点)

  無事に寮へと帰宅した輝と蓮斗は、階段の前で立ち止まっていた。デートの余韻が未だ残っており、離れがたかったからだ。 「「ねえ」」  声が重なる。  お互いの視線は交わったまま、決してそれることはない。言いたいことは同じだった。  「俺の部屋に来ない?」 「……ん。行く」  輝は蓮斗の手を引いてカイダンをゆっくりと上がり始めた。繋いだ手から蓮斗が少しだけ緊張していることが伝わってくる。緊張すると少しだけ掌が冷たくなるのはアリステラだった頃から変わらない。 澄ました顔を取り繕いながらも、緊張しているのは輝も同じだ。蓮斗に触れるたびに、壊してしまわないかと不安になる。だからつい、壊れ物を扱うように繊細に触れてしまう。  部屋に着くと、荷物をリビングに置きシャワーを浴びることにした。 「一人で入ってくるから待っててよね!」 「一緒に入らないのかい?」  わざと残念そうな声を出して尋ねてみる。けれど、蓮斗の意志は固いようで、ぶんぶんと首を横に振られてしまった。 「わかった。今日は諦めるよ」  頬に唇を添わせると、途端視界に真っ赤な顔が映る。相変わらず初心で可愛らしい恋人の反応に、輝は満足げに笑みを深めた。  触れるたびに胸がときめいて、苦しさすら覚える。自分をそんな感情にさせてくる蓮斗の存在が愛おしくてたまらない。  蓮斗がお風呂から上がると、輝もシャワーを浴びる。浴室に残るボディーソープの香りに、少しの感動を覚える。彼のたしかにこの場所に存在しているという実感が湧いてくるからだ。どれだけ触れ合っても、顔を合わせるたびに、その再会を奇跡のように感じてしまう。 「お風呂あがったよ……蓮斗寝てるの?」  リビングに向かうと、ソファーに身体を預けて眠っている、蓮斗の姿が視界へと飛び込んでくる。穏やかであどけない寝顔を見つめながら、クスリと笑みをこぼす。  隣に腰掛けて、起きる気配のない蓮斗の様子を監察する。 「ん~、都城が巨大ウインナーに食……」  寝言を漏らしながら寝返りを打った蓮斗が、輝の肩に顔を埋めてきた。それがあまりにも可愛らしくて、鼓動がはやくなる。 「どんな夢を見ているんだろうね」  むちゃむにゃと口を動かしながら、幸せそうに眠っている蓮斗を見ていると、イタズラ心が湧き上がってくる。  輝は起こさないようにしながら顔にかかった前髪を避けると、おでこにそっとキスをしてみた。けれど、唇を離してみても起きる気配はない。 「そんなに無防備だと少し心配してしまうな」 耳元でささやきながら、シャツのボタンを一つずつ、わざとゆっくり外していく。しっとりとした滑らかな肌が目に飛び込んできて、コクリと喉が上下した。  きっと目を覚ました蓮斗は、瞳を潤ませながら怒るのだろう。けれど結局、最後には流されてくれる。蓮斗が輝のおねだりに弱いことを、輝も知っている。それを利用しているとバレてしまえば、更に怒られてしまうのだろう。  シャツをはだけさせると、桜色の乳首が顔を出す。指の腹でそっと先端を突くと、蓮斗が微かに|身動《みじろ》ぐ。  それが楽しくて、執拗に乳首だけを攻め立てる。立ち上がった乳首に舌先を這わせると、蓮斗の身動ぎが大きくなった。飴を味わうように、コリコリと舌で転がす。「ぁ……」っと微かに聞こえてきた吐息に、興奮を煽られて自身のペニスが硬度を増したのを感じた。  乳首から唇を離すと、蓮斗の足を丁寧に持ち上げる。それから器用にスラックスを取り去った。下着も脱がせると、ため息が出そうなほどに愛らしい蓮斗の下半身が姿を表す。桃色の先端を掌で転がすと、一際大きく蓮斗が身体を揺らした。顔を見ると、頬を赤く染めたまま必死に目を閉じていることがわかり、思わず笑ってしまいそうだ。  起きるタイミングを逃して寝たフリでもしているのだろう。 (本当に、この可愛さは罪だな)  これ幸いと、輝は蓮斗のペニスを攻め立てる。裏筋をなぞり、亀頭や尿道口を指の腹で刺激する。そのたびに身体を震わす蓮斗。先端からはトロトロと愛液が溢れてきて輝の手を濡らす。手についた愛液を舐めとると、輝は目を細め笑みを深めた。 ──離れられないように閉じ込めてしまいたい。  時々そんな風にすら考えてしまうほど、輝は蓮斗のことを愛している。けれど、その愛故に、自由で快活な蓮斗のことを縛り付けることなどできない。彼の良さや、らしさが消えてしまうことなど望んではいないから。

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