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第3章 SMクラブで素人M男デビュー!?2※
「そう、ですね」
作り笑顔を浮かべながら首を縦に一回振る。不本意な場所で、やりたいと思ってない仕事をするのに、愛想笑いをしなくちゃいけないなんて苦痛だ。
でも逃げ場所なんて、どこにもない。蜜以外に親しい人なんていないし、家族には最初から頼れないと来た。
全部、自分でどうにかするしかないんだ。
安っぽくて、すぐに破けてしまいそうなシースルーのベビードールなみに、僕のこの先の未来は頼りないものだった。
「じゃあ、まずは触っていくね。マッサージを受けるつもりでリラックスしていてね」
「……はい」
了承したけど、僕の全身は力が入り、強張っていた。
野球のグローブみたいに大きな両手が、胸や腹部を這い回る。気持ち悪さから吐き気を催し、口もとへ手をあてたら店長が「気持ちよかったら好きに声を出していいんだよ」と見当違いも甚だしい言葉をしゃべる。
両足のふくらはぎをさすられ、手が上へ上り、布地の面積が小さくて、今にもはみ出しそうな局部へ到達する。
「触らないで!」
口をついて言葉が出そうになるのを唇を噛みしめる形で我慢する。
「本番では自分のをこすったり、お客様のモノをこすったりするんだ。舐めたりもするね。ローション使って触るよ」
「……はい、お願いします」
ヌメヌメしたイモムシのように太い指が、萎えたペニスにまとわりつき、上下にこすられる。
「こういうのを経験するのは初めて?」
「そうですね。人と性的接触をしたことは、まったくありません」
「じゃあ、ぼくが律くんの初めての相手だ。うれしいな」
「こっちはぜんぜん、うれしくありませんけど」と思うに留め、目をつむる。
相手が蜜や魂の番だったら、どれほどよかっただろう。
もしそうだったら、この行為もすごく幸せで、情熱に満ちたものに違いなかったはずだ。
拷問にも等しい時間を、あれこれ考えごとをする形でごまかしている間にもオメガであり、男である僕の身体は否応なしに反応する。クタクタだった自身が硬度を増し、首をもたげ、Ωの子宮がある後孔は濡れ始める。
それでも身体の芯は凍りついていくかのように次第に冷えていく。汚物を口いっぱい詰め込まれたような不快感がいっぱいになり、幼い子どものようにワアワア泣きたくなった。
「健全なプレーだったら、後ろをほぐして乳首を舐めたりするんだけど、きみはM男としてデビューするからね」
天を仰ぎ、先走り液とローションのまじったテカった小さな分身から手が離れ、ギュッと乳首を強くつままれる。
「っ!?」
痛みに目を白黒させる。風呂に入るとき、手で洗う以外、触ったことない場所を乱暴にこねくり回された。
「大丈夫だよ。すぐに気持ちよくなれるから」
その言葉とともに洗濯ばさみが出てきた。洗い立てのハンカチの隅をつまむのではなく、ベージュ色した胸の先っぽにある真珠のような丸い粒を挟んだ。
「……いたっ……痛いです」
「我慢しなさい。きみのちんちんは、ちゃんとぼくの愛撫に反応している。萎えてないから続けるよ」
続いて店長が手にしたのは、細長い黒い管だった。ローションをたっぷり纏わせたかと思うと、僕の涙を流している先端へあてがった。
「ぐ……っあ、ひぃ……!」
身を裂くような鋭い痛みと燃えるような熱さを全身に感じ、いやな汗をかく。僕の勃起したものの中に細い棒がズブズブと飲み込まれて姿を消していった。
「ここで感じるようになったら、もうクセになっちゃって尿道プジーを知る前には戻れなくなるよ」
そんなことを言われても痛いものは痛い。違和感と嫌悪感がピークに達した僕は「いやだ!」と手足をばたつかせた。
「何を……ごふっ!」
そうして店長のテントを張っている股間を思いきり蹴り上げてしまったのだ。
「やっぱり身体を売るなんて、いやです! この話はなかったことにしてください……!」
僕は、尿道に刺さっていた棒を抜き取り、乳首についていた洗濯ばさみを外した。
着の身着のままの状態で店の扉のところまで走り、ドアを開け、外へ出る。
近くには先輩キャストを連れてきたばかりの柳田さんがいた。
「そこ、何をしてる?」
すぐさま車の通れない狭い小路へ身を滑り込ませ、裸足のままアスファルトのかたい地面を走った。
「おい、逃げるんじゃねえ! てめえ……」
背後から彼の車のドアを乱暴に閉め、エンジンをふかす音が聞こえたけど、無視してがむしゃらに手足を動かした。
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