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25. 「ざまあみろ」※R-18

 フェリは唸って、僕にキスをした。だんだんそれも深まって、僕のナカをいじる指も、どんどん奥へはいってくる。  ていねいに、ていねいに、長い指が僕をひらいた。  どれだけねだっても、フェリは勃起したそれをいれてくれなかった。気持ちよくて、こっちは何度もイってるのに。  熱くて、びしょ濡れで、触れ合う全部の境目があいまいだ。  気持ちいいところを全部撫でられて、優しいキスまでついてくる。僕の身体は、すっかりおかしくなってしまった。 「ひぁ……ん……」  ちからが入らない。くったりした僕の脚を肩に担いで、フェリが汗で張り付いた前髪をかきあげる。それだけで腰の奥がうずくのに、欲しいって言ってもくれない。 「も、ほしい……はやく、はや、く」  どれだけ急かしても、フェリは目を細めて「まだ」と言うだけだ。さっきからお腹に、フェリのものがあたっているのに、とんだ生殺しだ。  ほしくて、ほしくて、涙まで出てきた。その涙をフェリが舐めとって、「もうすこし」と熱っぽい声で囁く。 「くっついていよう」 「も、じゅうぶん、くっついたぁ……」  情けない泣き言を言う僕の目じりに、そっと唇が降りる。感極まったように、フェリが言った。 「かわいい。かわいいって、もっとはやく、素直に言えばよかった」  大切なものを愛でる手つきで触れられて、僕の身体がまた跳ねた。もう何も出ないのに、腰を突き出してへこへこ揺らす。  とっくに我慢の限界だった。僕は膝裏を抱えて、フェリの前に全部をさらけだした。  何も出せなくて揺れるだけのそこも、濡れてひくつく後ろの穴も、大事なところを全部見せた。 「いれ、て。はやく、きて」  フェリは、深く息を吐いた。僕の腰を持ち上げて、勃起したものを押し当てる。  やっといれてもらえる。いよいよ、その時が来た。僕の心臓が、どくどくと脈打つ。全身が熱く火照って、あふれる唾を飲み込んだ。  でも、なかなかはいらない。何度も穴の上で、フェリの亀頭が滑った。 「ぐっ」  フェリが唸る。お互いの呼吸が、期待でどんどん荒くなる。あっちも初めてなんだと思うと、僕はにやけた笑いを抑えきれなかった。フェリが顔を赤くして、吠える。 「おい、笑うな」 「ん? ふふ、ふふふ」  しあわせだ。僕は腰を上げて、膝を身体へ引き寄せた。尻たぶを左右に広げて、「ここだよ」と囁く。 「ほら」 「この野郎……」  怒った獣みたいに喉を鳴らして、フェリが腰をすすめる。やっと、ナカにフェリが入ってきた。  ものすごく大きな質量が、僕の身体をひらいていく。あつくて、おおきくて、くるしい。 「はいっ、たぁ」  背中を震わせると、フェリは僕を抱きしめた。腰を揺らして、身体の繋ぎ目がとろとろになっていく。  僕たち今、ひとつになってるんだ。 「うれしい」  囁くと、フェリは鼻を鳴らす。唇が合わさって、ゆっくり下半身を持ち上げられた。もっと繋がりが深くなる。  お腹の奥まで、僕のうつろなところを、フェリがみっちり埋めてくれた。さみしさが、よろこびと、たのしさに変わっていく。 「あつい。おっきい……」  うわごとのように呟くと、ナカのものが跳ねた。おかしくなって笑うと、その振動が響くのか、フェリが顔をしかめる。  僕も余裕なんてない。フェリの首に腕を回して、腰を押しつけるように揺らした。 「たくさん、シよ」  そこからはもう、嵐みたいだった。  フェリは僕の腰を掴んで、引き寄せた。大きな手ががっちりと僕を捕まえて、身体を固定する。それからたくさん、何度も、何度もナカをうがたれた。  お腹の中が気持ちよくて、全身が跳ねる。熱くて、とけてしまうと思った。フェリにキスをねだると、ねだったよりもすごいキスをもらえた。  からだの奥が重苦しくて、気持ちいい。全身が痺れたみたいになる。肌が触れ合うだけで気持ちいいのに、身体のいちばん奥やだいじなところに触れられて、ほんとうに、どうにかなってしまう。  上も下もどろどろに繋がって、ひとつのからだになったみたい。  気づいたときには、フェリから口移しで水を飲ませられていた。生ぬるい唾液まじりのそれを飲みくだすと、フェリが僕をベッドへ横たえる。  外はすっかり暗くなっていた。くう、と僕のお腹が鳴る。フェリはベッドに座って、僕を見おろした。  優しい顔だった。 「夕食でもとるか?」 「ん……」  身体を起こす。フェリは背中をさすって、「無理させたな」と頬へキスをした。  僕は半ば呆然としながら、フェリを見上げる。 「どうかしたか」  首を傾げるフェリが、なんだかやたらとかっこよく見えた。おかしい。裸なのも、急に恥ずかしくなってきた。  もしょもしょとシーツを羽織って丸くなる。顔だけ出して「ごはん」と呟くと、フェリは腹を抱えて笑い出した。 「こらーっ! わらうな!」  散々喘いだせいで、喉は枯れている。がらがらの声で怒鳴ると、フェリが「かわいい」と僕を抱きしめた。  さっきからなんだ、その「かわいい」ってやつは。そんなので僕が喜ぶと思うなよ。 「うれしいって顔をしている。かわいいな」 「うるさい」  ふてくされて、布団の中に引っ込んだ。フェリは「拗ねるな」と上機嫌に言って、僕を引っ張り出した。  剥き身の僕は、贅肉の乗ったお腹とか、丸くなった輪郭を見られたくなくて、身体を丸める。なのにあろうことか、こいつは、お腹を鷲掴みにした。 「こらっ」  引き剥がそうとすると、強く引き寄せられる。膝抱っこの体勢になって、僕は、考えるのをやめた。 「ここにさっきまで、はいってたんだな……」  しみじみと言うな。頬が熱くなる。いやいやと暴れると、そっと解放された。  鼻を鳴らして、立ちあがろうとする。ぺたん、と身体がシーツの上に転がった。 「あ、あれ。たてない」  がんばって立ちあがろうとするけど、股間が言うことを聞いてくれない。あれ、あれ、と焦る僕を見て、フェリは目を細めた。  ひとり立ち上がって、衣服を着直す。鎧の下のラフなシャツ姿だったら、見られないこともなかった。 「食事を買ってくる。食べたいものはあるか?」  僕の負けだと思った。勝負をしていたわけじゃないけど。 「……家を出て、右にまっすぐ行ったらパン屋がある。そこのサンドイッチならなんでもいい」 「分かった」  上機嫌な背中を見送った。よろよろと身体をベッドからおろす。床に足がつくと、ちょっとほっとした。  改めて全身を見ると、ひどい有様だ。歯型や手の跡がべったりついている。  できるだけ見ないようにしながら、這うようにしてタンスへと向かった。下着類を引っ張り出す。せめてパンツを履きたい。  のたうちまわっている間に、フェリが戻ってきた。床に這いつくばる僕を見て、慌てた様子で助け起こす。 「どうした、エル」  恥を忍んで「パンツをはきたい」と言った。フェリは笑いをこらえた顔で頷いて、うやうやしく僕の足へパンツを通した。  しまいにはタンスからズボンとシャツを取り出して、僕へ着せた。なんでこんなに至れり尽くせりなんだ、こいつは。 「惚れ直したか?」  にやりとフェリが笑う。つくづく腹の立つ奴だ。  僕はフェリの頬に手を伸ばして、キスをしてやった。 「うん。好きだよ」  途端に、得意げだった顔がみるみる真っ赤になる。ざまあみろ。  僕は熱い頬を押さえて、「かわいい奴」と笑った。

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