25 / 29
25. 「ざまあみろ」※R-18
フェリは唸って、僕にキスをした。だんだんそれも深まって、僕のナカをいじる指も、どんどん奥へはいってくる。
ていねいに、ていねいに、長い指が僕をひらいた。
どれだけねだっても、フェリは勃起したそれをいれてくれなかった。気持ちよくて、こっちは何度もイってるのに。
熱くて、びしょ濡れで、触れ合う全部の境目があいまいだ。
気持ちいいところを全部撫でられて、優しいキスまでついてくる。僕の身体は、すっかりおかしくなってしまった。
「ひぁ……ん……」
ちからが入らない。くったりした僕の脚を肩に担いで、フェリが汗で張り付いた前髪をかきあげる。それだけで腰の奥がうずくのに、欲しいって言ってもくれない。
「も、ほしい……はやく、はや、く」
どれだけ急かしても、フェリは目を細めて「まだ」と言うだけだ。さっきからお腹に、フェリのものがあたっているのに、とんだ生殺しだ。
ほしくて、ほしくて、涙まで出てきた。その涙をフェリが舐めとって、「もうすこし」と熱っぽい声で囁く。
「くっついていよう」
「も、じゅうぶん、くっついたぁ……」
情けない泣き言を言う僕の目じりに、そっと唇が降りる。感極まったように、フェリが言った。
「かわいい。かわいいって、もっとはやく、素直に言えばよかった」
大切なものを愛でる手つきで触れられて、僕の身体がまた跳ねた。もう何も出ないのに、腰を突き出してへこへこ揺らす。
とっくに我慢の限界だった。僕は膝裏を抱えて、フェリの前に全部をさらけだした。
何も出せなくて揺れるだけのそこも、濡れてひくつく後ろの穴も、大事なところを全部見せた。
「いれ、て。はやく、きて」
フェリは、深く息を吐いた。僕の腰を持ち上げて、勃起したものを押し当てる。
やっといれてもらえる。いよいよ、その時が来た。僕の心臓が、どくどくと脈打つ。全身が熱く火照って、あふれる唾を飲み込んだ。
でも、なかなかはいらない。何度も穴の上で、フェリの亀頭が滑った。
「ぐっ」
フェリが唸る。お互いの呼吸が、期待でどんどん荒くなる。あっちも初めてなんだと思うと、僕はにやけた笑いを抑えきれなかった。フェリが顔を赤くして、吠える。
「おい、笑うな」
「ん? ふふ、ふふふ」
しあわせだ。僕は腰を上げて、膝を身体へ引き寄せた。尻たぶを左右に広げて、「ここだよ」と囁く。
「ほら」
「この野郎……」
怒った獣みたいに喉を鳴らして、フェリが腰をすすめる。やっと、ナカにフェリが入ってきた。
ものすごく大きな質量が、僕の身体をひらいていく。あつくて、おおきくて、くるしい。
「はいっ、たぁ」
背中を震わせると、フェリは僕を抱きしめた。腰を揺らして、身体の繋ぎ目がとろとろになっていく。
僕たち今、ひとつになってるんだ。
「うれしい」
囁くと、フェリは鼻を鳴らす。唇が合わさって、ゆっくり下半身を持ち上げられた。もっと繋がりが深くなる。
お腹の奥まで、僕のうつろなところを、フェリがみっちり埋めてくれた。さみしさが、よろこびと、たのしさに変わっていく。
「あつい。おっきい……」
うわごとのように呟くと、ナカのものが跳ねた。おかしくなって笑うと、その振動が響くのか、フェリが顔をしかめる。
僕も余裕なんてない。フェリの首に腕を回して、腰を押しつけるように揺らした。
「たくさん、シよ」
そこからはもう、嵐みたいだった。
フェリは僕の腰を掴んで、引き寄せた。大きな手ががっちりと僕を捕まえて、身体を固定する。それからたくさん、何度も、何度もナカをうがたれた。
お腹の中が気持ちよくて、全身が跳ねる。熱くて、とけてしまうと思った。フェリにキスをねだると、ねだったよりもすごいキスをもらえた。
からだの奥が重苦しくて、気持ちいい。全身が痺れたみたいになる。肌が触れ合うだけで気持ちいいのに、身体のいちばん奥やだいじなところに触れられて、ほんとうに、どうにかなってしまう。
上も下もどろどろに繋がって、ひとつのからだになったみたい。
気づいたときには、フェリから口移しで水を飲ませられていた。生ぬるい唾液まじりのそれを飲みくだすと、フェリが僕をベッドへ横たえる。
外はすっかり暗くなっていた。くう、と僕のお腹が鳴る。フェリはベッドに座って、僕を見おろした。
優しい顔だった。
「夕食でもとるか?」
「ん……」
身体を起こす。フェリは背中をさすって、「無理させたな」と頬へキスをした。
僕は半ば呆然としながら、フェリを見上げる。
「どうかしたか」
首を傾げるフェリが、なんだかやたらとかっこよく見えた。おかしい。裸なのも、急に恥ずかしくなってきた。
もしょもしょとシーツを羽織って丸くなる。顔だけ出して「ごはん」と呟くと、フェリは腹を抱えて笑い出した。
「こらーっ! わらうな!」
散々喘いだせいで、喉は枯れている。がらがらの声で怒鳴ると、フェリが「かわいい」と僕を抱きしめた。
さっきからなんだ、その「かわいい」ってやつは。そんなので僕が喜ぶと思うなよ。
「うれしいって顔をしている。かわいいな」
「うるさい」
ふてくされて、布団の中に引っ込んだ。フェリは「拗ねるな」と上機嫌に言って、僕を引っ張り出した。
剥き身の僕は、贅肉の乗ったお腹とか、丸くなった輪郭を見られたくなくて、身体を丸める。なのにあろうことか、こいつは、お腹を鷲掴みにした。
「こらっ」
引き剥がそうとすると、強く引き寄せられる。膝抱っこの体勢になって、僕は、考えるのをやめた。
「ここにさっきまで、はいってたんだな……」
しみじみと言うな。頬が熱くなる。いやいやと暴れると、そっと解放された。
鼻を鳴らして、立ちあがろうとする。ぺたん、と身体がシーツの上に転がった。
「あ、あれ。たてない」
がんばって立ちあがろうとするけど、股間が言うことを聞いてくれない。あれ、あれ、と焦る僕を見て、フェリは目を細めた。
ひとり立ち上がって、衣服を着直す。鎧の下のラフなシャツ姿だったら、見られないこともなかった。
「食事を買ってくる。食べたいものはあるか?」
僕の負けだと思った。勝負をしていたわけじゃないけど。
「……家を出て、右にまっすぐ行ったらパン屋がある。そこのサンドイッチならなんでもいい」
「分かった」
上機嫌な背中を見送った。よろよろと身体をベッドからおろす。床に足がつくと、ちょっとほっとした。
改めて全身を見ると、ひどい有様だ。歯型や手の跡がべったりついている。
できるだけ見ないようにしながら、這うようにしてタンスへと向かった。下着類を引っ張り出す。せめてパンツを履きたい。
のたうちまわっている間に、フェリが戻ってきた。床に這いつくばる僕を見て、慌てた様子で助け起こす。
「どうした、エル」
恥を忍んで「パンツをはきたい」と言った。フェリは笑いをこらえた顔で頷いて、うやうやしく僕の足へパンツを通した。
しまいにはタンスからズボンとシャツを取り出して、僕へ着せた。なんでこんなに至れり尽くせりなんだ、こいつは。
「惚れ直したか?」
にやりとフェリが笑う。つくづく腹の立つ奴だ。
僕はフェリの頬に手を伸ばして、キスをしてやった。
「うん。好きだよ」
途端に、得意げだった顔がみるみる真っ赤になる。ざまあみろ。
僕は熱い頬を押さえて、「かわいい奴」と笑った。
ともだちにシェアしよう!

