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#05 研修中にイチャラブで見せつけられる絶望!〜卑淫な妄想で自慰に溺れるアーメンガード〜

金曜日の深夜。ネオンが濡れた路面を妖しく照らすロンドンの歓楽街、ソーホー(Soho)。 オールド・コンプトン・ストリートのゲイバー。その奥まったボックス席で、アーメンガードは指先でグラスを弄りながら、何かを待つような眼差しで時を潰していた。ジントニックの炭酸はとっくに抜け、氷だけが寂しく浮かんでいた。 「ちょっと、アーメンガード? さっきから聞いてる?」 /* 【アーメンガード・セントジョン】 外資系総合商社「ミンチン・コーポレーション」のコネ入社の人事部のプロパー。父は大学教授だが、自身は勉強が不得意。フランス語は特に苦手。裕福な資産家の絵に描いたような「お坊ちゃん」でロンドンの高級アパートメントに一人暮らし。 */ 隣のラムダスが呆れたように顔を覗き込む。 「あ……ごめん、ラムダス。なんの話だっけ」 「もう最悪! 今夜、新しくオープンしたクラブにみんなで繰り出すってさっきから三回も言ってるのよ。しかもあんた、さっきから何人も声かけられてたけど全部スルー。どうしちゃったのよ、最近あんた付き合い悪すぎ。まさか恋煩い?」 /* 【ラムダス】 新進気鋭の投資企業のクリスフォード・ホールディングスに席を置くITスペシャリストのインド系移民三世のオネエ。アーメンガードとは学生時代からの友人で密かに思いを寄せている。 */ ラムダスの言葉を聞き流しながら、アーメンガードは力のない笑みを浮かべた。 無理もない。 彼の頭の中を支配しているのは、ただ一人の男——ロンドン支社の頂点に君臨する完璧なスパダリ、セーラのことだけだった。 「……悪い。今夜はもう帰るわ」 「えー!? まだmidnight(ミッドナイト)にもなってないのに!?」 「明日、朝からフランス語の特別研修があるんだ」 「はあ!? 土曜日に研修なんてありえない! それにあんた、普段あんなに仕事やる気ないお坊ちゃまのくせに、なんでそんなの真面目に出るのよ!」 「まあ、いろいろあってさ」とだけ濁し、アーメンガードは割り勘の紙幣をテーブルに置くと、引き止めるラムダスたちを置いて足早に店を出た。 土曜日の朝、わざわざ休日を潰してまで行われるフランス語特別研修。パリ支社から赴任してきたばかりのデュファルジュ先生によるその堅苦しいレッスンに、なぜアーメンガードが自ら進んで出席しているのか。理由は一つしかない。 その研修には、セーラも参加するからだ。 週に一度、あの眩しい背中を間近で見つめられる、彼にとっての唯一の聖域。ソーホーの喧騒を逃れ、ロンドンの中心街を見下ろす自身の高級アパートメントへと戻ったアーメンガードは、着替えもそこそこに白いシーツの敷かれたベッドへと倒れ込んだ。 「……あぁ、セーラ、さん……っ」 ただ明日、研修で同じ部屋にいられる。それだけでアーメンガードの身体は熱を帯び、下半身が疼き始めた。 暗闇の中で、セーラの低く甘い声、余裕のある微笑み、長い指を思い浮かべただけで、彼の下着の先端がじゅわっと熱く湿り気を帯びてくる。溢れ出した我慢汁が、下着に染み込んでいく。 「ん……っ、セーラさん……」 震える手で濡れた下着をずらし、熱く硬くなったそれを握りしめると、ぬるりとした感触が掌に広がった。アーメンガードは荒い息を吐きながら、ゆっくりと手を上下に動かし始めた。 滑らかな手淫を繰り返しながら、妄想はどんどん淫らに膨んでいく。 セーラに後ろから強く抱きすくめられ、耳元でフランス語の甘い言葉を囁かれながら、首筋を熱い舌で舐め上げられる。太ももを大きく割り開かれ、容赦なく奥を突かれる……。 はぁ……  はぁ…… 片手は白いシーツを握りしめ、腰を浮かせて激しく手を動かす。想像の中のセーラは優しく、しかし獰猛に彼を犯していく。 ——こす…  ——こす…   ——こす… 両脚を限界までピンと突っ張らせ、足の指を丸めて身体を弓なりに反らすと—— 「……うっ……!」 熱い白濁が勢いよく腹部に飛び散り、胸元にまで零れ落ちた。 はぁ……  はぁ…… ・ ・ ・ ・ ふぅ… 快楽の余韻が引いていくと、冷たい現実が襲ってくる。指先に残る粘つく感触。腹部にべっとりと張り付いた自分の精液。惨めで、汚らわしい。 (……汚れちゃった) アーメンガードはベッドサイドのティッシュボックスに手を伸ばし、ガッ、ガッ、ガッと音を立ててティッシュを引き抜いた。何枚も掴み取ると、べっとりと張り付いた自分の白濁を拭う。 (……最低だ。僕は……本当に最低だ……) 胸の奥が締め付けられる。冷えていく体温と一緒に、重く苦い自己嫌悪が全身に広がっていく。 ティッシュをゴミ箱に捨てて、再び部分的に濡れた下着を穿き直すと、目頭が熱くなってくる。 枕に顔を深く埋め、アーメンガードは声を殺して涙を溢れさせた。 「……セーラさん……ごめんなさい……。僕は悪い子です」 人事部にいる彼は、社内の機密情報に容易くアクセスできる立場だ。セーラの経歴、家族構成、過去の恋愛歴まで、調べようと思えばいくらでも手に入る。 実際、何度もセーラのデータを呼び出しては眺めていた。 それなのに、想いを伝える勇気が出ない。 「もし……拒絶されたら……」 セーラの視界から消される恐怖。冷たい視線を向けられる想像。それだけで胸が潰れそうになる。 伝えたい。触れたい。抱かれたい。 このドロドロとした想いを、夜毎こうして自慰で誤魔化すしかない己の矮小さに、アーメンガードは静かに嗚咽を漏らした。 でも明日は、また研修でセーラの横顔を見られる。それだけが、彼に許された唯一の希望だった。 ◇ 翌朝、ミンチン・コーポレーションの第3会議室。 教鞭を執るフランス人講師、ムッシュ・デュファルジュが「さて、始めようか」とテキストを開く。 カーテンの隙間から差し込む朝の光の中、アーメンガードは緊張でペンを握る指先を震わせていた。 円卓を挟んだ向かいの席に座るセーラは、いつもの隙のないスーツ姿ではなく、ハイゲージのサマーニットに身を包んだカジュアルな装いだった。 (……カジュアルな姿のセーラさんも、すごくかっこいい……) 「—— Très bien(大変素晴らしい). Monsieur セーラ、あなたの発音は完璧だ。パリの社交界へそのまま放り込んでも誰も文句は言わないだろう」 デュファルジュ先生が深く感心した様子で頷き、セーラの休日らしい装いについてもフランス流の軽口で褒めそやす。セーラは涼やかな笑みを浮かべ、流暢なフランス語で「恐縮です、先生」と返す。その一挙手一投足が眩しすぎて、アーメンガードの胸は痛いほど高鳴った。 だが、次の瞬間—— セーラのその完璧な微笑みが、隣の席に向けられた途端、アーメンガードの全身の血が一気に引いた。 セーラの隣に座っているのは、最近彼が特別に可愛がっているという噂の新入社員のロッティーだった。 「……おい、ロッティー。お前さっきから上の空だけど、昨日の夜、俺の部屋に忘れていったブライスの心配でもしてるのか?」 セーラは周囲の視線など完全に無視して、甘やかすような、低く艶やかな声で囁いた。そして自然な動作でロッティーのふわふわとした髪を優しく撫で、指先で耳の後ろを軽くくすぐる。 ロッティーが真っ赤になって縮こまる。その可愛らしい反応に、セーラは愉しげに目を細め、フランス語の隠語でさらに甘くからかい、二人の間にだけ甘ったるい空気を作り上げていく。 その光景は、男同士とは思えないほど親密で、甘く、濃密だった。 (……え?) アーメンガードの頭の中で、何かが音を立てて崩れ落ちた。 (セーラさん……もしかして、こっち……? ロッティーくんと……そういう関係……?) 胸の奥が激しく締め付けられる。指先が冷たくなり、視界がぼやけた。 今まで夜毎に抱いていた妄想——セーラに優しく抱かれ、耳元で甘く囁かれ、身体を求められる夢——が、一瞬で粉々に砕け散る音が聞こえた気がした。 (嘘だろ……、もし、告白していれば、ワンチャンあったかもしれないのに……! なんであんな新入りなんかに……っ!) 激しい憤怒と絶望が交互に押し寄せ、アーメンガードはノートを睨みつけ、ペンを握る手に爪が白くなるほどの力を込めた。紙の上が、憎しみを含んだ黒いインクで深く、深く削られていく。 (あの新入りめ。セーラさんを独り占めしやがって! いまいましい奴) アーメンガードは唇を強く噛み、震える手でテキストのページをめくった。文字が全く頭に入ってこない。聞こえてくるロッティーの恥ずかしそうな甘い声と、セーラの低く満足げな笑い声が、容赦なく彼の心を抉っていった。 つづく — 【次回予告】 セーラは課長研修のあとアーメンガードとパブに立ち寄った。遅くに帰宅したセーラを待っていたのは、嫉妬に震えるロッティーだった。 次回 #06 コロンの香りに心を乱されて〜胸元をトントンと叩いて拗ねるロッティー〜 どうして、こんなに嫉妬しちゃうんだろう…… お楽しみに!

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