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#15「おい見ろよ、あれ元ダイヤモンド◇プリンスだぞw」〜日中のオフィスで浴びる屈辱の嘲笑〜
「へぇ……随分とお熱いじゃないか」
地下仮眠室のドアを乱暴に蹴り開け、ラビニアはスマホのカメラを二人に向けながら冷ややかに言い放った。
狭い2段のベッドの下段で重なり合っていたセーラとロッティーの身体が、凍りついたように固まる。
「社内で不純同性交遊? 規律違反で即クビだよ、二人とも。……この写真を今すぐ社内チャットに流してあげようか? どうなるか、楽しみだねぇ」
ラビニアの唇が歪み、瞳の奥に燃えるような嫉妬が渦巻いている。ロッティーは恐怖でガタガタと震え、セーラはその細い身体を庇うように背後に隠した。絶体絶命のピンチ——誰もが息を呑んだその瞬間、ラビニアの手元でスマホがけたたましく鳴り響いた。
画面に表示されたのは、取り巻きのジェシーの名前だ。ラビニアが苛立ちながら通話ボタンを押した瞬間、スピーカーからジェシーの悲鳴のような声が室内に響き渡った。
『ラ、ラビニアさん!? 大変です! 例のナフサ不足の案件、引き継ぎミスで完全に大炎上してます! 大口のクライアントが今オフィスに怒鳴り込んできて、カンカンに怒り狂ってるんです! 僕たちじゃもうお手上げです、頼みますからすぐ戻ってきてください!』
オフィスに残してきた特大のトラブル。自分たちの無能さが露呈する悲鳴に、ラビニアは激しく顔を歪めた。
「チッ……! 使えないモブどもが……」
舌打ちを響かせながらも、仕事のトラブルを完全に無視することはできない。ラビニアはスマホを握りしめたまま、セーラを睨みつけた。瞳には、抑えきれない執着と狂おしい未練が滲んでいる。
「……命拾いしたな、セーラ」
ラビニアは革音を荒々しく鳴らして地下の仮眠室から去っていった。嵐が去ったような静けさの中、セーラとロッティーは冷たい現実の恐怖に、ただじっと耐えるしかなかった。
◇
しかし、翌日。地獄のカウントダウンは容赦なく再開された。
地下の薄暗い資料室。埃っぽいデスクに座るセーラの元へ、ラビニアが昨日以上の得意げな笑みを浮かべて再び現れたのだ。
「これ、実に見事な写り映えだろ?」
ラビニアが差し出してきたスマホの画面には、昨日、狭い仮眠室でセーラとロッティーが強く抱き合っている姿が鮮明に映し出されていた。
「お前の可愛いロッティーくんさぁ、これから商社マンとして未来があるのに、こんな不純同性交遊の写真が全社に流れたらどうなっちゃうのかな? 一発で人生おしまいだよねぇ」
人質を取るような嫌らしい言い草に、セーラは椅子から立ち上がり、ラビニアを鋭く睨みつけた。
「……あいつは関係ないだろ。俺を甚振りたいなら、俺に直接文句を言えばいい。相変わらず、やってることがセコいんだよ」
失脚してもなお、かつての支配的な態度を崩さないセーラの言葉が、ラビニアの逆鱗に触れた。ラビニアの目が一瞬で冷たく据わり、声が低く震える。
「偉そうに……! 落ちぶれたくせにその態度、気に入らないんだよ。しょうがない。お前がそんなに強気なら、ロッティーくんにはたっぷり『罰』を受けてもらうことにしようか。今すぐ人事部にこの写真を——」
「待て」
セーラは低く、押し殺した声でラビニアの言葉を遮った。
激しい屈辱に拳を血が滲むほど握り締め、爪が手のひらに食い込む。自分が地下に引きこもって耐えるだけならいくらでもできた。だが、自分のせいでロッティーの未来が、あの純粋な想いが壊されることだけは、セーラのプライドが絶対に許さなかった。
「……分かった。俺が代わりに罰を受ける。あいつには手を出すな」
「ふーん、最初からそう言えばいいんだよ。素直じゃないか」
ラビニアは満足げに鼻で嗤うと、デスクの隅に置かれていた業務用の、ペラペラの清掃員用繋ぎ服を顎でしゃくった。
「お前は清掃員なんだからさ、仕事をするのが当たり前だろう? 今すぐそれを着て、日中のオフィスフロアの掃除機がけをしてきなよ。みんな待ってるからさ」
セーラは無言で繋ぎ服を掴み、袖を通した。ロッティーを守るため——その強烈な執念だけが、今の彼を支えていた。
◇
全社員が激務で働いている日中のオフィスフロア。
チーンとエレベーターのドアが開き、業務用の大きな掃除機を引いて現れた繋ぎ姿のセーラに、オフィスが一瞬にして静まり返った。かつてロンドン支社の頂点に君臨していたエリートが、死んだ魚のような目で頭を下げる。
「すいません……ちょっと通してください……」
事情を知らない他部署の社員からは「うるさい! なんでこんな時間に掃除機なんかかけてんだ!」と怒鳴られ、事情を知る周囲の者からは「おい見ろよ、あれ元ダイヤモンド◇プリンスだぞw」「繋ぎ服、お似合いじゃん」とクスクス笑い声を上げながら嘲笑される。
野次や罵声を浴び、プライドをズタズタに引き裂かれながらも、セーラは黙々と掃除機を動かし続けた。だが、その瞳は決して屈していなかった。この屈辱を必ずラビニアに叩き返すという、復讐の炎を静かに燃え上がらせていた。
つづく
—
【次回予告】
逃げ場のない役員用バスルーム、タイル張りの密室で始まったあまりにも残酷で淫らな洗礼。
ぬちょっ…
ぬちょっ…
ロッティーの泡まみれの手がセーラの股間をなぞる。
次回
#16 「もっとしっかり洗えよ。腹も、もっとその下もだ」〜必死に|反応(ボッキ)♂を抑え込む元スパダリ課長〜
「なんともないのかい? 随分と強がってるじゃないか」
お楽しみに!
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