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#16 「もっとしっかり洗えよ。腹も、もっとその下もだ」〜必死に反応♂を抑え込む元スパダリ課長〜
ロンドン本社の高層階に位置する人事部オフィスは、日中の業務に追われる社員たちのキーボード音が忙しなく響いていた。その喧騒から切り離されたかのように、窓際のデスクに座るアーメンガードは、焦燥感を隠せずにいた。
社内から突如として姿を消したセーラを心配し、彼は職権乱用と知りながら、セーラの社員証|(カードキー)の行動履歴ログを追跡していた。
画面に表示されたログによれば、セーラは連日、地下の資料室や仮眠室のあたりに留まっている。
「セーラさんは、地下エリアにいる……!?」
すぐにでも地下へ向こうとしたその時、タイミング悪く上司から山のような急ぎの仕事を振られてしまい、どうしても席を外せなくなる。アーメンガードは舌打ちを噛み殺しながら、PC画面の片隅に社内の防犯カメラ映像をリアルタイムで表示させ、仕事をこなす傍らで執念深く内偵を続けていた。
◇
一方、地下の薄暗い資料室に、ラビニアが再び姿を現していた。
「言われた通りオフィスフロアの掃除機がけはした。あの写真は消せ」
セーラが冷酷に迫るが、ラビニアは鼻で笑ってあしらった。
「ハァ? 何言ってんの? 1回掃除したくらいで終わるわけないだろ。お前は我が社の『清掃員』なんだから、毎日働くのが当たり前なんだよ。今日はお前、便所掃除をしてこい」
ラビニアはそう言うと、手にしていたデッキブラシをセーラの足元へ「バーン!」と乱暴に投げ捨てた。セーラはデッキブラシを睨みつけ、低く確認する。
「……便所を掃除したら、今度こそあの写真を消すんだな?」
「分かったよ。ピカピカにしたら消してやる。約束するよ」
ラビニアは嘘くさい笑みを浮かべて請け負った。
セーラはその言葉を信じ、デッキブラシを拾ってトイレのあるフロアへと向かった。しかし、デッキブラシを手に黙々と床を磨いていると、エレベーターホールの物陰から、極限状態のロッティーが涙を流しながら姿を現した。
「セーラさん……ごめんなさい……っ!」
ロッティーは悲痛な声で叫ぶと、持っていた黒く濁った清掃用のバケツの水を、セーラの頭からバシャーッ!とぶちまけた。
全身から汚水を滴らせ、ずぶ濡れになるセーラ。その後ろから、ラビニアがゆっくりと姿を現し、手を叩いて高笑いした。
「あははは! おいおい、掃除するどころか、お前自身が汚れてどうすんだよ!」
セーラはガタガタと震えながらオドオドしているロッティーの異変、そしてその背後に潜むラビニアの気配に即座に気づいた。
「汚いぞ、ラビニア。ロッティーには手を出すなと言ったはずだ」
ラビニアはすっとぼけて肩をすくめる。
「何もオレ はしてないよ? なぁ、ロッティー?」
その言葉に込められた圧力に、ロッティーは涙をボロボロと流しながら、震える声で答えた。
「……ごめんなさい……手が滑っちゃったんです……っ」
◇
「汚いから綺麗にしてやるよ」
ラビニアはセーラを、逃げ場のない役員用バスルームへと強引に引きずり込んだ。弱みを握られたロッティーも、怯えながら付いてくる。
冷たいタイルの床にセーラを突き飛ばすと、ラビニアはロッティーに床に落ちていた束子 を無理やり握らせた。
「おいロッティー。さっさとこいつの汚い服を脱がせて、その束子 で汚れをこすってやれよ」
ロッティーは怯えながら、濡れて肌に張り付いたセーラの服を脱がせていく。
しかし、冷たいシャワーが降り注ぐなか、硬い毛先をセーラの肌に擦り当てようとした瞬間、ロッティーの手がガタガタと激しく震えだした。ほんの少し触れただけで、セーラの白い肌がみるみる赤く傷ついていくのが分かったからだ。
「む、無理です……僕には……こんなこと、できません……っ!」
ロッティーは耐えきれずに束子を床に取り落とし、涙を溢れさせた。ラビニアはチッと忌々しげに舌打ちをすると、ロッティーの耳元へ顔を近づけ、低く冷酷な声で囁いた。
「お前、言う通りにするって話、忘れちゃったのかな? ……わかってるよな、ロッティー」
スマホに残された、セーラと抱き合っている写真(14話参照)。そればかりか、火傷の手当の際に、下半身丸出しフル反応 ♂の写真(10話参照)まで弱みに握られていた。それらをバラ撒かれる恐怖に、ロッティーの目から大粒の涙が止まらなくなった。
セーラはすべてを察した。
ラビニアの狙いは、自分を甚ぶることだけでなく、ロッティーの手でそれをやらせることで、二人の絆と心を同時に破壊することなのだと。
セーラは冷たい床の上で、傷だらけの身体を起こし、ロッティーを見上げて優しく微笑んだ。
「……いいんだ、ロッティー。束子 を拾え。お前がやってくれ」
「でも…… セーラさん……っ」
「大丈夫だ、ロッティー。泣くな」
セーラはかつての王者のような毅然とした声で言った。
「こんなもの、少しも痛くない。お前の手で洗ってくれるならな。だから……気にするな」
ロッティーを安心させるための、切なすぎる強がりだった。その底知れない包容力とプライドに触れ、ロッティーは声を押し殺して泣きながら、再び束子 を握りしめた。
「でも出来ません……っ! 許してラビニアさん、束子 だなんて!」
「じゃあ、束子 の代わりに、お前が優しく洗ってやれよ。ほら、たっぷり泡立ててさ」
ラビニアに命令され、ロッティーは後ずさりながら首を横に振った。
「もうやめようよ、こんなの……っ」
その反抗に、ラビニアはねっとりと目を細めた。
「いいんだよロッティ、俺のことなら気にするな」
「でも、セーラさん……」
必死に食い下がるロッティーに、ラビニアは底意地の悪い笑みを浮かべて顔を近づけた。
「じゃあ、今日はお開きにしてあげてもいいけれど。その後、お前はどうするの? セーラとここで、やらしいことするんだろう? いつもしてるみたいに」
「何を言ってるんだラビニア、俺たちはそんな関係じゃない……っ」
「うるさい、セーラ! お前は黙ってろ」
すると、ロッティーはボロボロと泣きながら、震える声で確認した。
「……洗えば、いいんですね? 束子 じゃなくて、石鹸 で洗うだけでいいんですよね……っ」
「ああ、たっぷり泡立てて、優しくな」
ラビニアに睨まれ、ロッティーは泣きながら渋々、石鹸 をたっぷりと泡立てると、セーラの肌に、恐る恐るその泡ソープまみれの手を這わせた。
「もっとしっかり洗えよ。腹も、もっとその下もだ」
たっぷりの石鹸泡ソープが素肌を擦る甘く卑猥な水音が、タイル張りの密室に舐めるように響き渡る。
——ぬちょっ…
——ぬちょっ…
ラビニアの執拗な指示に従い、ロッティーの手がセーラの敏感な場所へと滑っていく——滑らかな泡の感触とロッティーの生暖かい手が、セーラの股間にまで這い上がってゆく。セーラは歯を強く食いしばり、喉の奥で低く唸るような息を吐いた。全身を硬く強張らせながらも、必死に反応♂を抑え込んでいるのがはっきりとわかる。
「……あは! なんだよ、セーラ」
ラビニアがにやりと歪んだ笑みを浮かべ、目を細めた。
「なんともないのかい? 随分と強がってるじゃないか。……ロッティー、もっと激しく洗ってやれよ。そこ、かなり汚れてるみたいだからな」
ラビニアの意地悪な煽りに、ロッティーの手が戸惑いながらも少し早く なった。
セーラの眉がピクリと動き、顎の筋が浮き上がる。唇を強く噛みしめ、荒くなった息を必死に堪えている様子が痛いほど伝わってくる。
それでもセーラは絶対に声を上げず、みっともない姿を晒さないよう、プライドだけで耐え続けていた。
その頑なな抵抗が、ラビニアの嗜虐心をさらに刺激する。
——と、その時だった。
——バンッ!!!
静寂を切り裂くような凄まじい音を立てて、バスルームのドアが力任せに蹴り開けられた。
PCのモニターでセーラが連れ去られた不穏な動きを察知し、仕事を放り出してダッシュしてきた人事部のアーメンガードだった。
セーラが裸にされ、ラビニアに下劣になじられている凄惨な現場を見た瞬間、アーメンガードは怒りで脳の血管が切れそうになり、咆哮した。
「貴様、何をしているッ!!」
アーメンガードは突進すると、ラビニアの胸ぐらを掴んで思い切り拳を叩き込んだ。ラビニアも応戦しようとするが、アーメンガードの圧倒的な怒りと暴力の前にはまるで歯が立たない。激しい殴り合いの末、顔を腫らして床に倒れ込んだラビニアは、バスルームから逃げ出していった。
静まり返った浴室。アーメンガードは荒い息を吐きながら、冷たい床の上で真っ赤に腫れ上がったセーラの身体を、優しく、そして強く抱きしめるのだった。
つづく
—
【次回予告】
束子 で擦られ痛々しく腫れ上がったセーラの白い肌に軟膏を塗るアーメンガード。
次回
#17 「今、薬を塗ってやる……」〜醜態を晒すまいと必死に耐え忍ぶ元スパダリ課長〜
「ま、待て。もういい。自分でやる」
お楽しみに!
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