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#18 「俺はなんて情けないんだ……」〜まさかの暴発♂!湿った下着に絶望する純情エリートお坊ちゃま〜

ミンチン・コーポレーションの巨大な社屋。その華やかな高層階から遙か下、陽の光の届かない最下層に、その仮眠室はあった。その下段の狭い隙間にセーラは毛布を抱え、小さく丸くなっていた。 そんな心身ともに限界を迎えつつあるセーラの元へ、人事部のアーメンガードが静かに訪ねてきた。その手には、自販機で買った温かい缶コーヒーが握られている。 アーメンガードはベッドの傍らにパイプ椅子を引き、痛ましそうな表情でセーラを見つめた。 「……お父さんの件、聞いたよ。本当に、残念だったね」 しかし、そのお悔やみの言葉を聞いた瞬間、セーラの表情が微かに険しくなった。 「父はまだ死んだとは決まっていない。僕は、父の遺体を見たわけじゃないんだ」 意地を張るように言い返すセーラに、アーメンガードは困ったような顔で現実を優しく諭す。 「でも、ラルフ・クルーの死亡はニュースにもなっているし……うちの会社が多大な損害を受けたというのも、残念ながら事実なんだよ、セーラさん」 その言葉に、セーラはむきになって身を起こした。 「違う! 何かこれには、きっと裏があるはずなんだ……!」 そこまで叫んだところで、セーラの脳裏にふと、ある記憶がフラッシュバックした。 「そういえば……」 「どうしたんだい、セーラさん?」 「父が、『こういう不測の事態があった時のために用意してある』って、残してくれたものがあるんだ。USBメモリーだ」 「それは今、どこにあるんだい?」 「……でもこのザマだ。私物は全部没収されちゃったよ」 セーラが悔しげに俯くと、アーメンガードはハッとして声を上げた。 「あ、君の私物だったな。ダンボールに入れられて、まだ人事部の一時保管庫にあるんじゃないかな。君の身辺整理に行った僕の部下が、そこに入れたのを知ってるよ」 「本当かい!?」 セーラは弾かれたようにベッドから身を乗り出すと、アーメンガードの両手をガシッと強く握りしめた。そして、下から見上げるように、縋るような熱い視線を真っ直ぐにぶつけてきた。 「アーメンガード……それ、なんとかならないかな!?」 「——ッ!」 想い人であるセーラに至近距離で見つめられ、しかもその大きな手で強く握りしめられた瞬間。アーメンガードの全身を、電流のような凄まじい衝撃が駆け抜けた。 (セ、セーラさんに……頼られている……っ!?) 極度の緊張と、愛する男からのスキンシップ。アーメンガードの顔は一瞬にして茹でダコのように真っ赤に染まり、あろうことか、彼の股間はセーラの手の温もりだけで急速に熱を持ち、パンパンに張り詰めてしまったのだ。 「うっ……////」 アーメンガードは急にうつむくと、握られていた手を強引に振りほどき、両手で不自然に己の股間をきつく押さえた。背中を丸め、ガクガクと小刻みに震えだす。 「どうした?、アーメンガード? 急に腹でも痛くなったのか?」 セーラが天然の優しさで首を傾げて覗き込んでくるが、それがさらにアーメンガードの理性を追い詰める。 「い、いや! なんでもない! なんでもないんだ!!」 アーメンガードは股間を押さえたまま、裏返った声で叫んだ。「な、なんとかするよ!」とだけ言い残し、彼は逃げるように仮眠室から飛び出していった。 ◇ 直後の男子トイレの個室。 「どうしよう……」 便座に座り込んだアーメンガードは、ズボンを下ろしたまま両手で顔を覆い、天を仰いで絶望していた。彼の下着は、先ほどのセーラからの「おねだり」の衝撃だけで、無惨にも熱いスペルマが濡れてしまっていたのだ。 「セーラさんに手を握られただけで……俺はなんて情けないんだ……」 ハァ、と深いため息をつきながら、アーメンガードは天井の蛍光灯を見つめる。 「コンビニ行って……パンツ、買ってこようかな……」 ◇ 深夜のオフィス。新しい下着に着替えて気合を入れ直したアーメンガードは、一人、暗闇の人事部・一時保管庫へと向かっていた。 自らのIDで電子ロックを解除し、山のように積まれた押収品の中から「セーラ・クルー」と書かれたダンボールを見つけ出す。箱の底を手探りし、ついに漆黒のUSBメモリーを奪取した。 「よし……!」 すぐさま地下へ戻り、待ちわびていたセーラの目の前で、アーメンガードは自身のスマホのType-CポートにUSBを直挿しした。息を呑んで画面を見つめる二人。 パッとスマホの画面が明るくなり、システムからの通知がポップアップする。 > ⚠️ 破損したUSBドライブ > USBドライブをリセット(初期化)する必要があります。今すぐフォーマットしますか? 「なんかエラーでたんだけと……」 アーメンガードが困惑した声を出した。 「……は? 破損……っ!? 嘘だろ……」 セーラが画面を覗き込み、顔を青ざめさせる。親父の遺した最後の切り札が壊れているというのか。 「『USBドライブをリセット(初期化)する必要があります』って」 「おい! まて、リセットはするなよ!」 セーラは慌ててアーメンガードの指を止めた。ここでフォーマットなど押せば、中のデータが永遠に消え去ってしまう。 絶望しかけ、うなだれるセーラ。そんな彼を励ますように、アーメンガードはハッとして言った。 「まだ諦めないで! 僕の信頼できる友人に、ITスペシャリストのラムダスという男がいます。彼に見てもらえば、このエラーの原因がわかるかもしれない!」 その言葉に、セーラの瞳に再び反撃への確かな希望の灯火がともった。 ◇ しかし、運命は彼らに味方しなかった。 翌朝。出社したアーメンガードを待っていたのは、冷酷なミンチン支社長からの「至急出頭せよ」というメッセージだった。 嫌な予感を抱えながら支社長室のドアを開けると、革張りの椅子に深く腰掛けるミンチンと、その傍らでタブレットを手に嫌らしく嗤うラビニアの姿があった。 「人事部のお坊ちゃまが、昨夜はずいぶんと面白いことをしてくれたね」 ラビニアが見せつけたタブレットの画面。そこには、深夜の保管庫へのアクセスログと、防犯カメラに映るアーメンガードがダンボールから私物を持ち出す姿がバッチリと記録されていた。 「これは立派な犯罪だよ、アーメンガード君」 ミンチンが葉巻の煙を薄く吐き出しながら、冷酷な笑みを浮かべる。 「会社の押収品の窃盗……警察案件なのは勿論、法務部に対応してもらって民事訴訟ってこともあるかな」 「それより、タブロイドに売るってのもアリかもよ?」 背後からラビニアがねっとりとした声を被せ、アーメンガードの肩に手を置いた。 「君のお父さん、あの有名な大学教授だったっけ?息子が泥棒猫でした、なんて記事が出たら、お父さん悲しむよ」 セーラのために無謀な橋を渡った純情が、完全に仇となった瞬間だった。実家への脅迫まで突きつけられ、アーメンガードはミンチンとラビニアの強烈な「脅迫の材料」として、首根っこを完全に掴まれてしまった…… つづく — 【次回予告】 セーラの父が遺した最後の希望を守るため、アーメンガードは狂気とも言える「歪んだ嘘」を口にする——。静まり返る支社長室で繰り広げられる、命がけの告白の行方は!? 次回 #19 「お前、まさか『こっち系』か!?」〜変態ストーカーのフリをする純情お坊ちゃま〜 「僕はただ……っ、セーラさんの私物に染み付いた、コロンの匂いが嗅ぎたくて……っ!」 お楽しみに!

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