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#36 絶体絶命パンストOLセーラのコーヒーサーブ〜内線でコーヒーを注文する選民意識〜
ラビニアは支社長室の廊下を、ほとんど走るような足取りで遠ざかっていた。
心臓が激しく鳴り響く。ドアの隙間から見てしまった光景が頭から離れない。ミンチンの膝の上に座るセーラの恍惚とした表情と、支配的な笑い声。強烈な嫉妬とともに、下腹部にどうしようもない背徳的な興奮が広がっていた。
——その興奮が、遅れて生々しい熱となって押し寄せる。スーツのズボンの中で股間が大きく押し上げられ、テントが張った。歩くことすらままならなくなり、ラビニアはたまらず近くの男子トイレに駆け込むと、個室の鍵を閉めた。
息を荒げながらズボンを下ろし、重々しく自身を慰め始める。脳裏に焼き付いた二人の姿を思い浮かべるたび、熱がさらに昂ぶっていく。しかし興奮が高まるにつれ、胸の奥からどうしようもない悲しみがせり上がってきた。
自分を抱いてくれないセーラと、自分を調教するミンチン。二人の淫らな交わりが、心を残酷に切り裂く。気づくと、ボロボロと涙が溢れ、止まらなくなっていた。
ラビニアは精神的な痛みを、肉体的な快楽で無理やり上書きするように、さらに激しく手を動かした。トイレットペーパーをカラカラと引き、射精に備えるが、絶頂は訪れず、涙ばかりが溢れる。思わずそのペーパーで目を拭ってしまう始末だった。
やがて限界を迎え、「うっ……////」と低く声を漏らしながら、巻き取ったトイレットペーパーに生暖かい精液を放った。なおも脈打って溢れ続けるものを、追加で何枚もペーパーを巻き取って処理する。ようやくピクピクが収まると、先端にべったりとペーパーが張り付いていた。剥がそうとするも、うまく取れない。思わず爪を立てると、軽い痛みが走った。
「……チッ」
荒い息を整えながらなんとか拭き取り、水を流して便座に深く腰掛ける。ようやく賢者タイムが訪れ、頭が急速に冷えてクリアになった。
まともに思考できるようになった瞬間、真っ先に浮かんだのはロッティーのことだった。
(……そうだ。あのクソガキ、どうしてくれようか)
ラビニアは個室を出て洗面台へ向かい、念入りに手を洗った。鏡に映った泣き腫らした自分の男の顔が、ひどく嫌になる。ポケットから取り出したレースのハンカチで腫れた目元を押さえ、(……メイクをして、女の仮面を被りたい)と強く思った。
しかし小さく息を吐き、気を取り直してオフィスへと戻る。
デスクで背を丸めているロッティーを見つけると、ラビニアはまっすぐ歩み寄った。
「ロッティーくん、ちょっといいかな?」
返事も待たずに腕を引っ張り、手近な小会議室へ連れ込もうとするが、どこも満室だった。
「チッ、しょうがない。ついてこい」
舌打ちをし、ラビニアはロッティーをエレベーターで最上階へ連行した。秘書室に隣接する格式高い「役員用大型会議室」だ。
重厚なテーブルにロッティーを座らせ、ラビニアは壁の内線電話を取った。
「会議室にコーヒー二つ持ってきて」
一方的に告げて受話器を置く。コーヒーが来るまでの間、ラビニアは腕を組み、怯えてうつむくロッティーを上から冷たく見下ろし続けた。逃げ場のない静寂が、歪んだ支配欲を静かに満たしていく。
「……失礼いたします」
直通の扉が開き、パンストOL姿のセーラがトレイにコーヒーを載せて現れた。
かつて誇り高く自分を抱き潰した男が、今は女の姿でお茶を運んでくる。そして目の前には、セーラを救おうとした生意気なクソガキがいる。
二人まとめて、自分の手のひらでいくらでも踊らせてやれる——。
歪んだ優越感と甘やかな嗜虐心が、ラビニアの胸の奥でドス黒く燃え上がっていた。
つづく
—
【次回予告】
コーヒーを手に会議室へと足を踏み入れたセーラを待ち受けていたのは、ロッティーを追い詰めるラビニアの姿だった。
次回
#37 物言えぬセーラの行く手を阻むラビニア!〜ロッティを人質にわざとらしくセーラを挑発〜
「……何か、オレ に言いたいことでもあるのかな?」
お楽しみに!
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