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#49 【本編スキップ可】〜アーメンガード涙のポロリとセーラが裏の事情を冷徹に察するだけの説明回〜

【49話:あらすじ】 ラムダスを拒絶した罪悪感から、アーメンガードは「USBの元データの手がかりをラムダスが握っている」とセーラに漏らしてしまう。それを聞いたセーラは、「ラムダスがデータを人質に肉体取引を迫っている」という裏の事情を冷徹に察知。彼を優しく抱きしめつつ、その下心を利用してデータを奪還する冷酷なシナリオを静かに描き始める。 — 週末の夜。監視カメラのない、セーラの真新しいマンションの一室。 男らしいメンズスーツを完璧に着こなしたセーラと並んで、アーメンガードはソファーに座り、テレビモニターに映し出されるNetflixの新作サスペンスを観ていた。 部屋の照明は落とされ、画面から漏れる青白い光が二人の横顔を照らしている。 本来なら、想い人であるセーラとこうして肩を並べて同じ趣味の時間を共有できる、夢のようなひとときのはずだった。 だが、アーメンガードの表情はひどく暗く、画面を見つめる姿は虚ろで、心ここにあらずといった様子だった。 (ラムダス……。あんなに惨めな顔をさせて、俺は……) あの日、ラムダスからぶつけられた、必死でなりふり構わない懇願。それを自分の「セーラさんへの純情」のために、容赦なく踏みにじってフッてしまった罪悪感が、今になってアーメンガードの胸を重く、冷たく苛んでいた。 「ハァ……」 画面の中ドラマは、耳には全く入ってこない。アーメンガードは思わず、深い、重いため息をこぼしてしまった。 その隣で、セーラはグラスを片手に、静かに視線をアーメンガードへと向けた。 「……どうしたんだ、アーメンガード。さっきからため息ばかりじゃないか。サスペンスの結末が気に入らなかったか?」 セーラの優しく穏やかな、しかしどこか包容力に満ちた声が降ってくる。アーメンガードはハッとして、慌てて取り繕うように首を振った。 「あ、いや! そんなことないです! 面白いです、すごく……!」 「嘘をつくな。顔に『悩み事があります』と書いてあるぞ」 セーラはフッと低く笑うと、少しだけソファーの上でアーメンガードの方へと体を寄せた。漂ってくるかすかな大人の香水に、アーメンガードの心臓がトクンと跳ねる。 「……君には、本当に色々と世話になったからな。スパイウェアの件だってそうだ。もし私にできることがあるなら、力になりたいんだが」 セーラはそう言って、穏やかに水を向けた。 「そうだ。今度は、あのUSBを最初に変換してくれたっていう、君の親友の『ラムダス』という彼も、今度、連れてきなよ。今回の件だって、実質的に彼のおかげで証拠が掴めたようなものだ。私から直接、お礼がしたい」 「え……っ」 その名前に、アーメンガードの肩がビクッと強張った。 ラムダスを酷い振り方をして決裂してしまった今、お礼がしたいからと彼をセーラの元へ連れてこられるはずがなかった。アーメンガードはきまずそうに視線を落とし、小さく唇を噛んだ。 「どうした? ラムダスと、何かあったのか」 「……実は、その。……ちょっと、喧嘩を、しちゃって……」 「喧嘩?」 セーラが少し不思議そうに片眉を上げる。 アーメンガードの胸に、激しい葛藤が渦巻いた。 本当は、ラムダスから「データを返してほしければ、一度でいいからワタシを抱いてよ」と、肉体的な取引を持ちかけられたのだ。しかし、そんな生々しい話を、セーラの前で口にできるはずがない。 だが。目の前にいるのは、何よりも守りたい、力になりたいと願うセーラだった。 「セーラさん……本当に、ごめんなさい……っ」 うつむいたまま、アーメンガードは搾り出すような声で、ぽつり、ぽつりと重い口を開いた。 「実は……セーラさんが探している、あの失われたUSBの元のデータ……。あれ、ラムダスが、『手がかり』を持ってるかもしれないんです」 「なんだと……!?」 セーラの瞳が、一瞬にして鋭く細められた。 「……でも、今の俺の力じゃ……彼からそれを取り出すことが、どうしてもできなくて……。俺が意気地なしのせいで、せっかくの希望なのに、セーラさんを助けられなくて……本当に、本当にごめんなさい……!」 アーメンガードは悔しさに耐えかねたように、大粒の涙をこぼしてうなだれた。 しかし——。 その話を聞いたセーラの脳内では、瞬時に「裏の真実」のピースが完璧に組み合わさっていた。 (なるほど……。データを持っているその『ラムダス』は、それを人質にアーメンガードに肉体的な取引を迫っているわけか) アーメンガードが言い淀んだ「喧嘩」の理由、言えないほど恥ずかしい取引—— ミンチンやラビニアをはじめ、数々の男たちのドロドロとした欲望にまみれてきたセーラには、その裏のパワーバランスが手に取るように理解できた。 (データは、確実に存在する。そして、その引き換えとなるのはアーメンガードの身体、か……) セーラは胸の奥で静かに、冷徹な勝利の計算を走らせた。 欲しいカードは、ラムダスという男が握っている。そしてその男を動かす鍵は、目の前で泣きじゃくっている純真な男、アーメンガードだ。 「……そうか。分かったよ、アーメンガード」 セーラはかつての「ダイヤモンド◇プリンス」としての狡猾で余裕のある笑みをそっと消すと、泣いているアーメンガードの広い背中に、そっと優しく手を回した。 「泣くな、お前のせいじゃない。話してくれてありがとう」 優しく慰めながら、セーラの脳内はすでに、その強烈な「下心」を利用してラムダスからデータを奪還するための、次なる冷酷なシナリオを冷徹に描き始めていた。 つづく — 【次回予告】 セーラの新居を訪ねてきたラムダス。セーラは彼の内に渦巻く嫉妬心を冷徹に追及し、その裏に隠された「覗き見たい」という歪んだ願望を容赦なく刺激する。図星を突かれたラムダスは、抗うこともできずセーラの底知れない策略へと絡め取られていき——。 次回 #50 目の前で見せつけられる自分だけ除け者の蜜月!〜暴かれた嫉妬心の果てに待ち受ける残酷な洗礼〜 「どうしよう……アーメンガード……ワタシ、あなたのこと裏切っちゃった……」 お楽しみに!

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