50 / 65

#50 目の前で見せつけられる自分だけ除け者の蜜月!〜暴かれた嫉妬心の果てに待ち受ける残酷な洗礼〜

暗い自室の中、ラムダスはノートパソコンのモニターをじっと見つめていた。 画面の奥で冷たく光るのは、アーメンガードのスマホに仕込んだスパイウェアが映し出すGPSの光点。その点はセーラのマンションを示したまま、微動だにしない。 アドレス帳から抜き出したセーラの電話番号を睨みながらラムダスは唇を震わせた。今すぐこの番号にかけて、「アーメンガードを取らないで」と叫びたい衝動に駆られる。 二人は今、あの部屋で何をしているの……? ——想像が暴走する。まだ見ぬセーラに組み敷かれ、乱れた吐息を漏らすアーメンガードの姿。 (このスパイウェアなら、カメラもマイクも自由に起動できる……部屋の中を覗ける……見たい……二人が絡み合うところを、全部……) その淫らな願望が、いつしか形を変え、なぜか——自分自身がセーラに激しく抱かれている歪んだ妄想へとねじ曲がってゆく。淫ら妄想が止まらない…… ——荒々しく奥まで貫かれる。熱く硬いものが体内を抉り、耳元で低く艶めいた声が囁く。「目詰まりしてるんだろ?」と。 気がつくと、ラムダスの右手は無意識に股間へと伸びていた。下着の中に滑り込ませ、すでに熱く硬く勃起した自身を握りしめる。指先が敏感な先端を擦るたび、背筋に甘い痺れが走る。 「アーメンガードを、取らないで……」 涙が溢れ、頰を伝う。なのに、手の動きは止まらない。むしろ激しくなる。 妄想の中でセーラの腰が打ちつけられ、自分がアーメンガードの名前を叫びながら乱れていく。熱い吐息が絡み合い、汗ばんだ肌が擦れ合う感触。自分の窄まりを抉られるたび、頭の中が真っ白になる。 親指でぬるつく先端を刺激しながら、根元を強く締め上げる。快楽が下腹部に渦を巻く。 「アーメンガード……」 最後に、セーラの熱いものが自分の中で爆ぜる幻覚と共に、ラムダスは強く背を反らせた。びゅるっ、びゅるるっと勢いよく白濁が飛び散り、手のひらと腹を汚す。 荒い息を繰り返しながら、ティッシュを何枚も引き抜いた。 しかし指先は震え、飛び散った精液を拭うより、頰を濡らす熱い涙を拭うのに忙しかった。 ◇ 翌朝の支社長室。 セーラはいつものパンストOLの仮面を纏い、今日も日課の支社長へのお茶出しをこなしていた。 「おはようございます、支社長」 静かにティーカップを置いた瞬間、ミンチンは葉巻を灰皿に押しつけると、太い腕をセーラの腰に回した。抵抗する間もなく膝の上に引き寄せられ、熱い掌がタイトスカートの裾を滑り上がる。 「っ……」 ストッキングの薄い生地越しに、ゴツゴツとした大きな手が直接お尻の丸みを掴む。指先が谷間をなぞるように(うごめ)き、尻肉を鷲掴みにして揉みしだいてきた。やがてその手は前へ回り込む。 「今日も『ダイヤモンド◇プリンス』はカチコチじゃないか」 ミンチンの酒と葉巻の匂いが混じりあった熱い息がセーラの肌を這う。 「まだ目詰まりしてるなら、今日も私が解消してやるぞ。どうだ!?」 太い指がストッキングの上から、硬くなった先端をゆっくりと擦り上げる。 「……大丈夫です。支社長」 セーラが表情を消して冷たくあしらおうとするが、ミンチンは下卑た笑い声を上げる。 「ガッハハ! 目詰まりしてないってことは、男でも連れ込んで、ヤリまくってるってことか?」 その下卑た言葉が、昨夜アーメンガードを部屋に入れた記憶と重なり、セーラの胸に鋭い苛立ちを突き刺すのだった。 ◇ それは、その日の夜。 仕事を終え、自室に戻った直後の事だった。 ルルルルルッ!! と、ミンチンから与えられた、今時ネットも繋がらない通話専用スマホが鳴り響いた。 (見知らぬ番号……) 電話に出ると、聞き覚えのない声が、唐突に要件を告げてくる。 『こんばんは、元プリンス様。……あんたたちが探してるあのUSBの元データ、ワタシが持ってるの。今、マンションの下にいるわ。部屋に入れてくれる?』 セーラのスマホを握る手に力が入る。 「ラムダスなのか?」 それは初めて聞く声だったが、要件からして相手の正体を確信した。 「……いいだろう。上がってこい」 声を低く押し殺し、セーラは短く答えた。 ◇ ガチャン、と静かに鍵が開き、目の前の扉が開いた。 そこに立っていた男を見た瞬間、ラムダスはハッと息を呑んだ。 (これが、セーラ……) ラフなスーツを完璧に着こなした姿から放たれる、男としての圧倒的なオーラ。 (かっこいい。あいつが恋焦がれるのも、無理ないわ……) 目の前の男が持つ本物の輝きに打ちのめされそうになるのを、ラムダスは必死に堪えて部屋へと滑り込んだ。 「いい部屋ね」 リビングに視線を走らせながら、ラムダスはぽつりと言った。 「ありがとう。でもな……」 セーラは静かに扉を閉め、声を潜めた。 「ちょっと込み入った話をするには、果たしてどうか」 (……盗聴器でも仕掛けられてるって言うの?) ラムダスはすぐにスマホを取り出すと、画面を少し操作して電波状況をさっと見回した。 (Wi-FiとかBluetoothで動くタイプの簡易的なやつは見当たらない) 「今度もっとちゃんとしたのでやってあげるわ。そ、そんなことより、本題だけど……」 ラムダスは表情を硬く引き締め、真っ直ぐにセーラを睨みつけた。 「これ以上、アーメンガードを苦しめないで! お人好しなあいつを、都合よく利用するのはやめて」 セーラはわずかに目を細め、冷ややかな笑みを浮かべた。 「ラムダス、君は、アーメンガードのなんなの? 恋人?」 「……は? ワタシとあいつはただの友達。一番仲の良い親友なの!」 ラムダスの声が少し上擦る。セーラはそれを聞き逃さず、ゆっくりと一歩近づいた。 「……なぜ、そんなにムキになる?」 視線を彷徨わせるラムダスを、セーラは逃がさなかった。 「いいんだよ、隠さなくても。本当は嫉妬してるんだろ?」 セーラはラムダスの耳元に顔を寄せ、吐息がかかるほどの距離で、悪魔のように甘く囁いた。 「アーメンガードがさ、俺といる時、どんな顔をしてるか……本当は、それが知りたいんだろ?」 図星を突かれたラムダスは、顔を強張らせたまま言葉を失った。唇が震え、指先が無意識に拳を握りしめる。 「これから見せてやるよ」 セーラは薄く笑い、ラムダスの目の前でアーメンガードに直接電話をかけた。コール音が短く響いた後、相手が出る。 「アーメンガード。これからウチで、Netflixの続き見ようよ」 電話の向こうで、アーメンガードは明るく二つ返事で応じたようだった。セーラは満足げに通話を切り、ラムダスに向き直る。 「来るってさ」 その言葉が、部屋の中に重く落ちた。 永遠のように長い、重苦しい沈黙が流れる。二人の間に言葉はなく、ただ張り詰めた空気だけが室内を支配していた。ラムダスは呼吸すら忘れたように体を硬くし、セーラは冷徹な眼差しで静かにその時を待つ。緊張の糸が限界まで引き絞られた瞬間—— ——ピンポン。 鋭い電子音が沈黙を切り裂いた。 ラムダスの緊張が一瞬で最高潮に達する。セーラは眉一つ動かさずインターホンを確認し、迷いなくオートロックを解錠した。 「今、上がってくる」 セーラは振り返り、驚愕で固まるラムダスの手首を掴むと、クローゼットの扉を開け放った。 「ここで大人しく見てろ」 抗う暇もなく、暗闇の中へと押し込まれる。ピシャリと扉が閉められた瞬間、格子の隙間からリビングが残酷なほど鮮明に見えた。 やがて現れたアーメンガードは、嬉しそうにセーラの隣に腰を下ろす。先日ラムダスが「一緒に見よう」と誘ってそっけなく断られた、あのNetflixの新作だった。二人が肩を寄せ合い、楽しげに笑い合う姿に、クローゼットの暗闇でラムダスの心は引き裂かれ、熱い涙が止まらなくなった。 観終わるやいなや、セーラは急に塩対応になり、「明日は用事があるから」とアーメンガードを追い返した。名残惜しそうに去っていく後ろ姿を見送った後、重厚なドアが閉まる音が響いた。 静寂の中、セーラはクローゼットの扉を開けた。そこには、床に崩れ落ちて泣きじゃくるラムダスの哀れな姿があった。 セーラは冷徹な表情のまま、しかし甘い吐息を漏らして近づき、震えるラムダスを優しく腕の中に抱きしめた。 「ごめん……少しやりすぎたかな」 (離して……あんたなんて……っ) そう拒絶したいのに、凍えきった身体に染み込んでくるセーラの高い体温と、淡いコロンの香りに、ラムダスは抗えなかった。 強引に顎を掴まれ、濃厚なディープキスが落ちてくる。熱い舌が口内を蹂躙し、唾液を絡め取りながら深く貪られる。ラムダスの身体から、みるみる力が抜けていく。 ベッドへ押し倒され、衣服が乱暴に剥ぎ取られた。露わになった熱く硬くなった性器を、セーラの長い指が包み込む。 「いいから、全部、俺に預けろ」 低く艶めいた声と共に、セーラはラムダスの脚を割り開き、一気に最奥まで突き入れてきた。 ——ずぢゅっ*❤︎ 「あ”っ……っ/////」 激しい抽送に、甘く掠れた喘ぎがラムダスの喉から零れ落ちる。屈辱と、抑えきれない快楽が混じり合い、頭の中が真っ白になっていく。 セーラの張り出したカリ首が、奥の敏感な点(Gスポット)を何度も通るたび、ラムダスの身体は激しく震え、甘い声が止まらなくなった。 完全にセーラへ従属し、蕩けていくラムダス。 「どうしよう……アーメンガード……ワタシ、あなたのこと裏切っちゃった……」 つづく — 【次回予告】 チュン、チュン……。 カーテンの隙間から差し込む爽やかな朝の光と、窓の外から響く心地よい雀のさえずり。セーラへの傷心を埋めるための一時の気の迷いで、彼の心はここにはないのかもしれない。 次回 #51 心の隙間を埋める代用品〜それでもいい。今この腕の中で熱を放つのはアーメンガードなのだから〜 「……もう一回、しちゃう?」 お楽しみに!

ともだちにシェアしよう!