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#58 嫉妬の極限尋問!涙と狂気のベッド事情〜夜の営みを問い詰めずにはいられないアーメンガード〜
【第58話 前書き:急変した状況とアーメンガードの怒りの背景】
第58話の本編に入る前に、現在セーラが置かれている絶体絶命の状況と、対峙するアーメンガードがなぜここまで激しい怒りに駆られているのか、その裏の事情を解説します。
現在、支社長室で拘束されたラムダスを目の前にし、激昂するアーメンガードと対峙しているセーラですが、実はセーラ自身は「なぜこんな事態になっているのか」の全貌を正確には知っていません。読者の皆様が混乱しないよう、ここまでの「裏の真実」を3つのポイントで整理します。
① セーラとラムダスの「誤算」と現在の関係
セーラはアーメンガードからラムダスの「データ(ファイル)」を手に入れましたが、強力なパスワードがかかっており中身は見られませんでした。(第54話)その後、ラムダスから「パスワードを知りたければ抱け」と肉体取引を迫られ関係を持ちますが、実はラムダスの言葉はブラフ(嘘)で、パスワードはまだ解析できていませんでした。(第55話)しかし、セーラは体の相性の良さから彼を責めきれず、合鍵を渡して自宅に残したまま出勤します。この時点で、セーラとラムダスの間には奇妙な絆が芽生えつつありました。
② アーメンガードがここまで怒っている決定的な理由
セーラの前で大粒の涙を流し、狂気的な尋問を行っているアーメンガードですが、彼の怒りの源泉はラムダスから受けた「地獄のマウントコール」にあります。かつてセーラのために友人を裏切ってデータを盗み、一度だけ肌を重ねたアーメンガードでしたが、その翌朝、ラムダスから「今、セーラの横で寝ている。何度もセックスした」という最悪の電話を受けます。しかも、その時寝ぼけていたセーラが電話口で「もしもし」と声を出してしまったため、アーメンガードは「自分があれほど焦がれてやっと一度だけ許された身体を、あいつらは一晩で何度も貪り合っていたのか」と絶望し、心が完全に粉砕されて闇堕ちしてしまったのです。
③ ラビニアとアーメンガードが仕掛けた罠
全てを失い、セーラへの執着がドス黒い憎悪へと反転したアーメンガードは、セーラを敵視するラビニア課長と手を組み「打倒セーラ同盟」を結成しました。(第56話)彼らはセーラを陥れるため、偽のリークメールや偽造したGPSログを使ってミンチン支社長を激怒させ、セーラを地下資料室へ失脚させました(第57話)。さらに、ラムダスがセーラのスマホに仕込んでいたバックドアのシステムを逆手に取り、あえてスマホの電源を入れることで、セーラを探し回っていたラムダスを深夜のオフィスビルへおびき寄せて捕獲したのです。
何も知らぬまま最上階へ連れて行かれ、変わり果てたアーメンガードと再会したセーラ。かつてミンチンによって行われた屈辱の儀式「口移しのチョコレート」のルールを、今度はゲームの支配者となったアーメンガードが冷酷に突きつけます。愛憎が狂気へと変わる第58話、スタートです。
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セーラに会いたくてたまらない。朝まで激しく抱き合った熱が未だに冷めやらず、その日、ラムダスは、吸い寄せられるように彼のマンションへと直接足を運んでいた。
エントランスの前に立ち、大切に持っていた合鍵をセンサーにかざしてみる。しかし、返ってきたのは無機質なエラー音だけだった。ガラスの自動ドアはぴくりとも動かない。何度やり直しても、システムがアクセスを非情に拒絶していた。
「え……? 開かない……?」
慌ててスマートフォンを取り出し、セーラに電話をかけてみる。しかし、無機質なアナウンスが響くだけで全く繋がらない。急いでスパイウェアの管理画面を開いてみるが、頼みの綱だった位置情報も完全に途絶えていた。
「どういうこと……? 合鍵なんて渡しておいて、ワタシに黙って逃げたの? たった一晩でワタシを捨てて雲隠れしたって言うの……?」
裏切られたという疑念と嫉妬が胸に渦巻く。焦って管理人に食い下がるが、「居住者に関する個人情報には一切お答えできません」と冷たく門前払いを食らってしまった。
「いや、そんなはずはない。信じたい……っ。でも、もし彼の身に何か起きたんじゃ……」
愛憎が入り混じった狂気的な不安に支配されながら、ラムダスはエントランスの前で何時間も待ち続けた。しかし、結局セーラが現れることはなく、その日は肩を落として帰るしかなかった。
◇
深夜。
自宅に戻ったラムダスが、すがるような思いで再びスパイウェアの管理画面を開いたときだった。 突如、途絶えていた位置情報が更新された。画面上の光点が、ロンドン中心部にある『ミンチンコーポレーション』本社ビルを示している。
「……セーラ! ……そこにいるの!?」
疑う余地などなかった。彼は罠とも知らず、セーラに会いたい一心で深夜のオフィスビルへと向かった。
ビルの周囲をまわり、夜間の通用口を見つけたラムダスは、謎の技術で電子ロックを欺くと、難なく解除し重い扉を開けると暗いビル内へと足を踏み入れた。
——と、その時だった。
「ビンゴだ。捕まえろ」
暗闇からヌッと現れた複数の黒服たちに腕をねじ上げられ、ラムダスは冷たい床に力任せに組み伏せられてしまった。
「な、なんだお前ら……っ!」
声を上げる間もなく、完全に拘束され、そのままエレベーターへと放り込まれると、最上階へと引きずり上げられていった。
◇
「やあ、ラムダス」
最上階、ガラス張りの支社長室。暗闇から現れたのは、冷酷な笑みを浮かべたアーメンガードだった。その後ろから、ラビニアが愉悦に満ちた瞳で歩み出てくると、感心したように呟いた。
「やっぱりセーラのスマホの現在位置をトレースしていたのね。本当に電源を入れた途端に食いついてくるなんて」(57話参照)
拘束されたまま床に這いつくばるラムダスは、現れた人物を見て驚愕の声を上げた。
「アーメンガード? ……どうしてお前が……っ」
「うるさい、黙れ! この泥棒猫が!」
余裕ぶっていたアーメンガードの顔が一瞬で怒りに歪み、激しい怒声が飛んだ。彼が短く合図を送ると、黒服たちが無線で指示を飛ばす。数分後、薄暗い通路から引きずり出されてきたのは、埃を被った清掃員用のツナギを纏わされたセーラだった。
「ラムダス……ッ!?」
黒服に拘束されているラムダスを見て、セーラは絶叫した。そして、その前に立つ人物を見て、信じられないというように目を見開いた。
(アーメンガードがなぜ? 一体、何が起きているんだ……)
状況が飲み込めず混乱するセーラを、アーメンガードは氷のように冷たい眼差しで見下ろした。
「何も知らないとでも思っていたのか? ……お前ら俺の知らないところで、散々やりまくってたんだろ!!」
冷徹に振る舞おうとしていたアーメンガードだったが、その言葉を吐き出した途端、抑えきれない悲しみと怒りが一気に堰を切った。彼の目からボロボロと大粒の涙が溢れ出し、ギリッと強く噛み締めた唇が激しく震え出す。
「あ、あの朝だよ……ッ! お前が電話に出た、あの朝……!」
悲痛な嗚咽が混じり、うまく回らない舌で必死に言葉を絞り出す。
「ラムダスが……っ、電話してきただろ……ッ。お前ら、一晩中ヤリまくってたって……」(55話参照)
隠しきれない嫉妬と絶望に、アーメンガードは子どものように声を上げて泣いていた。
「どっちが誘ったんだよ!? 言えよ! お前か?」
彼は黒服に押さえつけられているセーラの元へ歩み寄ると、その前髪を乱暴に掴み上げ、憎悪に満ちた顔を近づけた。
「お前が『攻め』でラムダスが『受け』か? 何回掘ったんだ? 言えよ!」
痛みに顔を歪めながらも、セーラは視線を逸らして何も答えない。
「絶対に許さない……ッ。俺をコケにしたお前ら、どん底に引きずり落としてやる……ッ!」
アーメンガードはセーラを突き飛ばすように手を離すと、呪詛のように吐き捨てた。
彼から放たれるドス黒い憎悪と殺意。彼をここまで壊してしまった決定的な原因を悟ったセーラは、アーメンガードの前に立ちはだかり、土を這うような勢いで叫んだ。
「……ラムダスは関係ない! 憎いのは俺だろう! 俺が憎いなら何でもすればいい、好きなだけ殴れ!」
自己犠牲の盾となろうとするセーラを見下ろしながら、アーメンガードはスッと冷酷に微笑んだ。
「殴る? そんなことで、俺の気が済むかぁ!!」
アーメンガードは黒服に合図し、ローテーブルの上に小皿を持ってこさせた。そこには一口サイズのトリュフチョコレートが一つだけ載っている。
「セーラ。あのゲームを覚えてるか?」
アーメンガードは、拘束されたままのラムダスを指さし、静かに告げた。
「ラムダスの命を救いたければ、取引に応じるんだ」
アーメンガードは、小皿の上のチョコレートを見つめ、残酷な言葉を吐いた。
「このチョコレートを、お前の口で咥えろ。そして、それをラムダスの口へと直接押し込め。手は一切使ってはいけない。わかるよな、このルール?」
セーラの瞳に、凍りつくような殺意が宿った。
つづく
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【次回予告】
かつてミンチンにひざまずかされ、生き残るために羞恥心を差し出すしかなかった悪夢の儀式——「口移しのチョコレート」。今度は自らがゲームの支配者へと君臨し、その呪われたルールをセーラへと冷酷に突きつけるアーメンガード。
次回
#59 悪魔のチョコレートゲーム〜セーラの舌がラムダスの口内へと侵入し、ほろ苦いチョコが溶けてゆく〜
「このチョコレートを、お前の口で咥えろ。そして、それをラムダスの口へと直接押し込め。手は一切使ってはいけない。わかるよな、このルール?」
お楽しみに!
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