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第20話 特別ってこと※
狭いベッドで向かい合って、何度も唇を啄まれる。
「あ、コラ!」
「ふふ、気持ちぃね」
寝巻きの隙間から手が入り込み、鎖骨から脇腹、胸まで感触を味わうように不埒な手のひらが動き回る。
「マジで、っん、ちゅ、……いうこと聞かねぇな、っぁ、このバカ犬っ!」
「はぁ、リヒト……、お腹薄すぎだよ、えっちだ、でもご飯も食べて」
「バカ!くすぐってぇって!っあ、う」
手のひらの熱が触れられたところから伝染していく、愛しむように撫でられて落ち着かない。
俺の目を見て飽きるほどにキスをするクロノス、大型犬が戯れてるみたいで可愛いけど、これはもうそういうことか。
「……クロ、ノス。お前、したいの?」
「したいよ、大好きだからね。でもリヒトは、俺のこと弟としか見てないよね」
「まぁそうだな。でもお前がしたいならしてもいい」
「………………え?????」
(最後にしたのは研究所のクソ職員に情報聞き出した時だっけ?いや、処刑される前に牢で犯された時か)
「何年振りだ?、出来っかなー」
「え」
(あ、違うわ。やったのは死に戻る前の話だから、今の俺の体は完全に童貞処女だ)
流石に事前準備なしの完全処女で挿入までは無理だなぁ。適当に扱いたらスッキリして寝るか?
「……れ」
「ん?なんて……?」
「だれっっっっ!?!?!?」
「うっさ」
肩を掴まれガクガクとゆさぶられる。チカラつえぇよ、このバカ。
「誰としたの!?エンヤ!?それとも学校に通ってる教師の誰か?!あのよくリヒトに色目使ってた男?!」
目を見開いて全力で詰め寄るクロノス、あまりの剣幕にビビる。ってかそんな教師いねぇだろ、なんか変なフィルターかかってね?
「あーーー、間違えた間違えた。誰ともねぇよ、俺の勘違い」
「それはあまりに嘘すぎるだろ!リヒト!ねぇ!」
「ほんとだって」
まじで間違えたんだって、今世では経験ないんだから本当だよ。
唸り声を上げながら胸に埋まっていくクロノス、さっきまでの色っぽい空気はどこへやら、胸元でイヤイヤするように頭を押しつけてくる。情けない弟の頭をゆっくりかき混ぜていると、突然顔を上げてじっと俺の目を見る。
「……リヒトの初めては全部俺が良かった」
「だから初めてだって」
「ショックだ、傷ついた。慰めてほしい」
「なーに甘えたこと言ってんだ、このでかい赤ちゃんは」
脇腹をまさぐっていた手が胸まで上がってくる。
「ん、」
その剣ダコのある硬い指が胸の小さな飾りに触れる。
「リヒト、ここ吸っていい?」
シャツをたくしあげられて胸があらわにされると、クロノスははだけた胸にピッタリと頬をつけて上目遣いでおねだりする。
(うぐ………………)
俺はクロノスのこの顔に本当に弱い、可愛くて仕方がなくて「もうなんでもいいか」となってしまう。コイツじゃなかったら絶対ぶっ飛ばしてんだけどな。
「前の相手はさ、リヒトのこのピンク色の可愛いおっぱい食べた?」
「食べてねぇよ、ってかそんな物好きいねぇっての」
「じゃあさ、俺リヒトの初めてがほしいよ」
「うっ、」
可愛い弟の健気な言葉に心が揺れる、あと本当に顔がいいなこいつ。
(こんな膨らみもない硬い胸吸って何が嬉しいんだ?)
じっとこっちを見つめるクロノスに屈するまで、そう時間はかからなかった。
「………………勝手にしろ」
「いっただっきまーす!」
「っ!」
温かい口内に包まれて、未知の感覚に体がひける。離れるのは許さないというように、背後に回ったクロノスの腕に力がこもり抱き寄せられる。
「んっ、……ふ、は」
先っぽを舌でなぶられると、切なくて息が漏れた。男の乳首なんてなんのためにあるのかと思っていたが、ちゃんと性感帯なんだなぁと我が身を持って知る。
優しくなぶられた後に甘噛みのように噛みつかれると、強い刺激に堪えられず声が出る。
体が快感を拾っているのは間違いない、
でもそれ以上に……
(胸元で美味しそうに一生懸命しゃぶるクロノスの姿が、一番くる)
可愛いなぁ、愛しいなぁと、そう思うと胸がだんだん熱くなって、ふわふわと気持ちが良くなってくる。
「ふふ」
「…………何、笑ってんの?」
「ん?なんでもねぇよ」
「下手くそだって、バカにしてんだろ」
拗ねたように唇を尖らせるクロノス、愛おしくて心臓がどうにかなりそうだ。
「幸せだなって、思ってたんだよ」
「は、それ…、は」
クロノスの顔が真っ赤になって硬直した、なんで今更照れてんだコイツは。しばらくの硬直のあと、再度俺の胸元に顔を埋めてしまったクロノス。
「………………リヒト、それは、ずるすぎるよ」
「はは!まだ負けねぇよ」
クロノスの頭をポムポム優しく叩く。
俺にとってクロノスは特別だ。
エンヤ、スイ、フウラ、ライラ、チリ。他の兄弟も大切だしみんな愛してる。それでも、どれだけ愛しいと思っても、兄弟は兄弟でしかなくて、体を重ねてもいいなんてきっと思わない。
(なんでクロノスだけ違うんだろうな?)
「ほら、抱っこしててやるから寝な」
「…………子供扱いばっかり」
「ふ、おやすみ」
しばらくぐずぐず文句を言っていたクロノスだったが、しばらくするとはだけた胸にピッタリ引っ付きながら規則的に寝息を立てて眠り始めた。
昔の面影がありつつも成長した精悍な男の顔、気持ちよさそうに眠る頬をそっと撫でる。
「俺だって、お前が好きだよ」
この好きがお前と同じかはわからないけど、処女をくれてやってもいいかと思うくらいには俺はお前が好きみたいだ。
まぁ、一生教えてやるつもりはないけどな。
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