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第24話 決戦前

  「「ただいま~~~!」」 「お、来たか!」  フウラとライラに手紙を送って数日、二人は帰国した。   「2年ぶりか!あんまりかわんねぇな」 「そんなことないもん~!強くなったもんね~!」 「それそれ!俺たち今英雄の部下だからね!まじ強いよ!」 「英雄って、戦争を初日で終わらせたっていう騎士だったか?」 「ふふ~ん、聞きたい?聞きたい?」 「喋りたいのか、喋りたくないのかどっちだよ。めんどくせぇなぁ」  相変わらずテンションの高い双子たち、異国で楽しく過ごしているようで何よりだ。   「喋りたい~~~!でもそれより俺たちなんで召集されたの~?」 「あぁ、世話かけてすまんな」 「今戦争終わって暇だから、それは全然いいけどね」 「説明する前に、あいつに会って欲しいんだが、」 「「アイツ???」」 「さっきおつかい行ったとこで……」  リーヒートーーー  教会の外から声が聞こえる、帰ってきたようだ。   「お、ちょうど帰ってきたな」  玄関の扉を開けてやる。そこには両手いっぱいの荷物を抱えたクロノスがいた。 「リヒトありがと!なんか豊作だったとかで、野菜いっぱいもらっちゃったよ。今日のご飯は豪華だよ~~~!」 「ラッキーじゃん。お使いありがとな、荷物もつよ」 「うん、じゃぁこれお願い」  二人で荷物を持って室内に入る、と双子が叫んだ。 「「え!クロノスじゃん!!!」」  見事なハモリである。   「フウラ、ライラ!久しぶりだ。思ったより早かったな」 「え、冷静すぎ!?」 「感動の再会は?!」 「ちゃんと感動してるよ、でもあんまり久しぶり感ないな。お前ら変わってなさすぎだろ」 「ちょっと!変わってるでしょ!かっこよくなったでしょ!」 「貫禄出たでしょ~!俺たち英雄の手下だよ~!」 「手下って、弱そうすぎー」 「なんだと~~~!」  双子と戯れ合いながら、室内を進んでいく。野菜を保冷庫にしまった後、みんなで菓子をつまみながら向かい合う。 「クロノスはなんでここにいるの?」 「リヒトにぃが会いに行ったの?」 「あー、それは……」 「リヒトが会いにきてくれるわけないってわかってたから、探した」 「で、押しかけたと」 「いや~いつかそうなる気はしてたけどね~」 「言い方が悪いな、愛しい人を何年も探してやっと見つけたんだよ!感動の再会、美しい愛の力でしょ!」 「そんな綺麗なもんじゃないだろ」 「クロノス子供の頃から、愛が重いよね~」 「おい!流石に傷つくぞ!!!」 「ははは、まぁまぁ」  7年ぶりとは思えないゆるい会話、双子が帰ってきたって感じするな。 「お前たち傭兵から軍属の騎士になったって言ってたよな、クロノスも今騎士団所属の魔術騎士らしいぞ」 「え~!被ってんじゃん~!」 「嫌そうなのなんなんだよ!」 「あ、軍の情報網使ってここ見つけたんでしょ!わー悪い子だー!」 「………………」 「「図星か~~~い」」  なんとなく気まずそうなクロノス、昔から弟は兄には敵わない。 「みんな元気なの?」 「エンヤとスイは変わらないな、街で仲良く暮らしてる。チリも騎士になって、今はクロノスの部下らしいぞ」 「え!かわいそ」 「おい」 「まぁでもチリって、なんやかんや文句言いながらもお世話するの好きそうだから、ちょうどいいかも?」 「ちゃんと仕事はしてくれるけど、死ぬほど文句言われるよ」 「それはもう仕方ないでしょ~」 「諦めなー」    喋り尽くして菓子も無くなった頃、本題に入る。  ネオチルドレン研究所の再結成、兄弟への接触、他国の犯罪組織とのつながり、囮作戦の詳細、話すうちにだんだん双子の表情が曇っていく。フウラに至ってはまずいもの食った後みたいに顔を顰めてしわくちゃな顔をしていた。 「は~~~~~、やめようよ、そういう無茶な作戦」 「リヒトにぃってなんでそうあぶない役やりたがるかなー」 「言って、もっと言って」  おい、クロノス。お前納得してなかったんかい。 「別に無茶じゃねぇだろ。誘拐目的なら殺す気はないだろうし、居場所がわからなくなることもないんだから。お前ら全員揃えば倒せないやつなんていないだろ」 「うわ、出た」 「リヒトにぃって実は超ブラコンだよね」 「事実だ」  俺の兄弟は最強。それは何年も一緒に過ごした俺が一番よく知ってる。厳しい実験を乗り越えるために、傷つきながら何年も努力を続けた。その決死の努力が実らないわけがねぇ。   「と言うわけで、作戦に変更はなし」 「うわーゴリ押しだ」 「リヒトにぃは一回決めたら変えないよね~」 「…………俺は」  クロノスが真剣な顔で俺を見る。   「本当は嫌だ。リヒトが危険な目に遭うくらいなら、俺が囮になりたいよ。……リヒトが怪我しそうになったら俺は死んでも庇うから、俺に怪我させたくないならちゃんと自分を大事にしてね」 「おっまえ新しい脅し方してくんなぁ、わかってるって何回も言ってるだろ?」 「何回だって言うよ。俺はもう二度と、リヒトと離れたくないんだ」 「クロノス……」  俯いて悲しそうな顔で呟くクロノス、伏せた犬耳と丸まった尻尾の幻影が見える。心なしか、目も潤んでないか? 「大丈夫だよ。全部うまくいく」 「リヒト……」 「ほらこっちおいで」  クロノスがおずおずと胸の中に入ってくる。胸にピッタリ頬をくっつけて、大人しくじっとしている。昨夜乾かしてやったふわふわの頭を、ゆっくり撫でてやると、目を細めて気持ちよさそうにしている。うちの子は毛並みがいいなぁ。 「……………………何これ」 「え?クロノス成人してるよね??」 「7年前とやってること変わんないのおかしくない?」 「距離感バグってない?」    クロノスを宥めて本日の話し合いは終了、明日は兄弟全員呼んで本格的な作戦会議だ。兄弟全員が揃うのは7年ぶり、希望の家を脱出したあの日以来か。    (きっと賑やかになる) 「クロノスばっかりずるい!俺も~」 「俺だってハグしたい!」 「だめ、今俺の番だから」 「はー!こちとら2年ぶりなんですけど!」 「ってか兄の言うことは絶対なんですけど~!」  まぁ、すでにかなり騒がしいけど、 「はは!」      明日が楽しみだ。  

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