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第19話

 竜丹の瘢痕化を治すため、竜丹を使って異世界渡りに挑むことにした。師匠はいない。  そもそも瘢痕化の治し方を俺に教えてくれたのはリアムだ。だがそのリアムに頼る訳にもいかず、かと言って俺達二人分のモルグ討伐を担ってくれているルイに頼む訳にもいかなかった。  そうして一人で異世界渡りに挑戦してみれば、意外と簡単だった。   リアムが言っていたように異世界までは渡れなかったが、数センチの瞬間移動なら易々とできた。かなり疲れるし臍の下辺りが擦り切れたように熱を持ち、激しく痛んだが、副作用か、治療だと思えば我慢もできる。  結界は異世界渡りの応用。つまるところ異世界渡りが基本になる。イメージ的に結界より異世界渡りの方が難易度高そうだが、確かに結界を張るより瞬間移動するほうが、簡単だ。  それが証拠に結界はどう頑張っても張れない。公式のようなものが複雑で最後まで行き当たらない。  まぁ、リアムに聞くまで自分に竜丹という組織が内蔵されているとは露とも思っていなかったので使い方がよく分からないというのもあるが。  それでも可動域は狭いものの、瞬間移動なら完全にマスターすることができた。  そうして気が付いた。瞬間移動する竜人なんか聞いたことがないと。  俺が朝、目指していたのは異世界渡りではなかったのかと。  その夜、帰ってきたルイに瞬間移動できる竜人がいるのかどうか聞いてみた。 「瞬間移動? いいや、俺は聞いたことないな。竜人は身体能力が優れている上に身体を使うことを好む。やってやれないことないかもしれないが……竜気の消費が尋常じゃないだろうな」  なるほど。やってやれないことはないが、あんなに疲れる上に痛いこと好んでする竜人はいないということか。確かにその通りだ。 「どうしてそんなことを俺に聞く?」 「結界を張る練習をしていたら、瞬間移動ができるようになったんだ。それで他の竜人はどうなんだろうと思って」  ルイが一瞬きょとんとして、それからふわっと微笑んだ。 「そうか。竜気はどうだ? 使いやすくなったか?」 「使ったのは今日が初めてで……うん。使い始めた頃より最後、使いやすくなったような気がする。使い続けていけばそのうち瘢痕化も治るかもしれない」 「そうか」  ルイは限りなく慈愛に満ちた目で美しく微笑み、自分の膝の上に俺を乗せた。  首筋に数度優しい口付けが落ち、ルイの鼻先が触れる。 「ヴォルフ、いい香りがする」 「湯浴みしたから」 「違う。いつもより香りがかなり強くなっている。ヴォルフは匂いが薄い竜人だと思っていたが、瘢痕化が原因だったのか」  ルイの鼻先がくすぐるように俺の首筋を撫でた。匂いを嗅がれて、さわさわと服の上からルイの大きな手が這い出してくる。  唇を深くふさがれて、舌を絡められれば、ルイの甘い香りが鼻腔を駆け抜ける。ルイのフェロモンだ。いつもと違う。濃い。激しく発情する。 「ぅ……ルイ!」  体勢を変えて向かい合い、しがみつけば、ルイの舌が貪るように俺の口内を襲い、大きな手が臀部をやんわりと撫でた。 「あ……ぁ……ん、ん」  二人分の飲み込めなかった唾液が顎を伝っていくが、止められない。ルイが欲しくてたまらない。震えるまつ毛にルイの形のいい唇が落ちた。 「嗅覚も正常に機能してなかったのか」  ルイが蠱惑的な笑みを浮かべて、俺の双丘の間をゆったりと指先で撫でた。 「どうだ、ヴォルフ? 俺の匂いは?」  はくはくと唇が意味のない音を出した。ルイが欲しくてたまらない。ルイの下肢に手を伸ばして、ルイの性器の猛りを確認する。触れれば布越しにびくんと震えて俺を欲しがっているのが分かる。 「俺もヴォルフと同じだ。ヴォルフのフェロモンに完全にやられている。責任取ってくれるか?」  満面の笑みでこくこくと縦に頷く。かがみ込んでルイのズボン越し、唇と舌で熱く猛ったルイの性器の竿の部分を噛んだ。 「……! ヴォルフ」  布越し、ルイの体液が俺の口内粘膜に付かない愛撫なら問題ないのか。ルイは俺を止めない。布越しに口を動かし、やんわりと竿を噛む。見上げるとルイが蠱惑的に俺を見下ろしていた。ぞくぞくする。  見せつけるように舌を出して、布越し、ルイの竿をゆったりと舐める。  ルイはつらそうに、だが壮絶な色香を放ちながら、熱い息遣いを唇の端から零した。  たまらなく香るルイの香り。  ルイのズボンを引きずり落とし、ルイの性器を口に飲み込もうとすれば、ルイが慌てて俺の身体を剥がした。 「やめろ、ヴォルフ」 「ルイ……でも、欲しい。欲しくてたまらない」  目を潤ませ、熱い息を零しながら懇願すれば、頬を撫でられ上を向かせられる。目が合うとルイは欲情した色を浮かべていた。ルイも俺と同じだと浮かれかけて。 「駄目だ」  世界が崩壊したような気がした。涙目で首を振ると、ルイの濡れた指がゆるりと蕾に触れて、びくりと腰が揺れた。  視界の隅に蓋の開いた香油の瓶が転がっているのが見える。いつの間に。 「欲しいのは俺も同じだ、ヴォルフ」  内部にルイの長い指が潜り込んでくる。甘ったるい声が漏れて背が反り返った。逃げようにも腰をがっちり抑え込まれていて身動きが取れない。 「ぁ……あ、ルイ」  体内に入ってきたルイの指はゆっくりと襞をかき分け、感度のいい部分を見つけると容赦なく責め立ててきた。  その動きはまだ知らないルイの性器の動きを思わせる。 「……はっ……あぁ……っ」  女みたいな声を上げるのは嫌だった。だが今はそれを抑える余裕もなければ、気にしている余裕もない。ルイの匂いがたまらなく、いい。このまま快楽に溺れたい。 「ああ、すごいな、ヴォルフ。中がうねって吸い付いてくる」  震える手で怖いほど猛ったルイの性器と俺の性器を両手で包み込み上下に扱く。  ルイの甘い香りが深く濃くなる。壮絶にいい香り。  脳が沸騰しそうになって、ルイの唇に軽く吸い付けば、ルイの息遣いも忙しくなってきた。  襟を奪うようにはだけられ、俺の乳首にルイが舌を滑らせたかと思うと強く吸われて身悶えた。 「あ……っ、は……っ、ルイ、その……嫌、だ」 「ヴォルフの匂いは、いい、そう言っている」  身じろぐと、ルイは器用に俺の乳首を舌先で愛撫しながら、俺の内部を長い指で擦り、さらに二人分の性器を包む俺の両手ごと性器を扱き出した。  声にならない悲鳴が迫り上がる。 「手の動きが止まっていたぞ、ヴォルフ」 「と、止め……は……ッ、ああ……ッ、出る……うっ」  耐えきれず、腰をびくびく引き攣らせ、ルイに向かって大量に吐精してしまい、ふとしたいたずら心が湧いた。  俺の白濁した体液をルイの竿に塗り込み、ぬちぬちと水音を立てながら扱けばルイは気持ちがいいのか、興奮したのか、息を荒らげながら俺の乳首を舌で弾き、内部の指をぐるりと蠢かせた。 「……あ、あ……ッ、ま、待て……んんーっ!」  射精直後の内部を濡れた音を響かせながら、めちゃくちゃに擦られ、被虐的な気持ち良さに襲われる。  震える手でルイの性器を扱き快楽へと導いた。この愉悦から解放されるにはルイに吐精してもらわなければ終わらない。  それでも固く尖った乳首を熱いぬるついたルイの舌で弄られ、内部の気持ちいい部分を指で押すように擦られると、喩えようもない快楽が襲ってくる。  信じられないことに乳首と内部を弄られただけ射精してしまいそうだった。  ルイが音をぐちゃぐちゃと立てながら内部を指で突くたび、俺の性器はびくびく震えながら透明な液を零していく。  ひっきりなしに出てこうとする声を噛み殺しながら、ルイの熱くて硬い性器を扱けば、ルイの呼吸が荒々しくなり、得も言われぬいい香りが鼻腔をくすぐった。 「…………っ! …………っ!」  我慢できたのはそこまでだった。性器に触れられず、強烈な快楽に支配されて、内部を擦るルイの指の動きに合わせて、俺の性器が吐精した。  手の中でルイの性器がびくびくと波打ち、膨れ上がる。両手で扱けばルイは低く呻いて大量に吐精した。  頭の芯が蕩けるくらい気持ちがいい。乱れた息をそのままにルイを見れば、ルイは俺の髪をかき乱し、深く唇を重ねてきた。  唇が離れてからぐったりとルイの身体に寄りかかる。 「中でイけるようになったのか」  さっと頬に朱が走れば、ルイが情欲収まらないという目で俺を射抜いた。身を翻そうとすれば、床へと押し倒される。 「ルイ」 「もっと可愛がってやりたい」  顔中に降る口付けに、ぶわりと広がるのはルイの甘い香り(フェロモン)。  兆す俺の性器を見て、ルイが超絶妖艶な笑みを浮かべた。

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