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『先生の陥没乳首が狙われているようです』五時限目①

 翌日、碧はいつものように英語準備室に現れた。 「太陽さん! 昨日は悪ノリしちゃってほんとにごめん!」  顔の前で勢いよく両手を合わせる碧の姿を見て、赤峰は少し安堵した。 (よかった。変に気を遣われたら、どうしようかと思った) 「いや、気にしなくていいから」 「それで、陥没乳首のことなんだけど」  また何かされるのではないかと身構えたが、碧は真剣な顔をしていた。  赤峰は、碧に促されてソファーに並んで座る。 「ネットで調べたんだけど、陥没乳首って、仮性と真性があるみたいなんだ。汚れが溜まりやすくて、炎症を起こすことがあるんだって。仮性だと、刺激すれば出てくるんだけど、太陽さん、どっちだかわかる?」 (どっち? 仮性か真性ってこと?)  乳首のことを考えるだけで、途端に顔が熱くなってしまう。 (何が悲しくて、教え子と乳首の話をしなければならんのだ!)  しかも、相手は中学生の頃から知っていて、すっかり自分好みに成長した、望月碧というトップモデルなのだ。 「ねえ、どっち?」  碧が顔を近付けてきた。はっとしたように眉をひそめる。 「それとも、誰かにもういじられちゃったとか?」 「ないない! 自分ですらいじったことないのに!」  碧は我が意を得たりと言わんばかりに、嬉々とした表情を浮かべて身を乗り出してきた。 「だったら、俺に確かめさせて」

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