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『先生の陥没乳首が狙われているようです』七時限目①

 三年四組の教室では、ロングホームルームが行われていた。担任である海鋒が教壇に立ち、学園祭について説明している。  中間テスト終了後、校内は六月の学園祭に向けて動き出す。  赤峰は窓際に立ち、教室全体を見渡した。連休明けの今日、碧は欠席の連絡が入っている。赤峰は碧がいないことに、心の底から安堵した。 「三年は自由参加だが、何か出し物の希望はあるか?」  一人の生徒が勢いよく挙手する。生徒の視線は、まっすぐに赤峰に向けられていた。 「予備校に行く途中に、コスプレショップがあるんですけど、赤峰先生に似合いそうな衣装を見付けたんです! コスプレ喫茶なんてどうですか? 俺、赤峰先生があの衣装着てばっちりメイクしてくれたら、受験勉強百倍やる気出ます!」  生徒の熱弁に、赤峰は一瞬呆気に取られてしまった。そういえば、以前「メイド服を着てほしい」と叫んでいたのも彼だった。 「コスプレって、まさか、女装じゃないだろうな」  海鋒は渋面を作りながら、きちんと生徒に話を合わせている。 「白雪姫です!」  生徒は目を輝かせていた。彼は一ヶ月経った今でも、赤峰に女装してほしいという願望を持ち続けていたのだ。  海鋒は、呆れ顔で赤峰に話を振った。 「赤峰先生、どうします?」 「え、えーっと……」  あまりにも突然のことで、赤峰は正直戸惑っていた。海鋒から生徒たちに視線を移すと、期待に満ちた眼差しが目に飛び込んできた。なぜかほとんどの生徒が、赤峰を爛々とした瞳で凝視している。どうやら赤峰の女装が、生徒たち共通の所望らしい。 「俺がコスプレするぐらいで受験勉強頑張ってくれるんなら、女装でもなんでもするけど」  生徒たちが一斉に歓声を上げた。指笛を吹く生徒までいる。 「あざーっす! 赤峰先生、マジ神!」  こうして、三年四組の出し物は、コスプレ喫茶に決定した。

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