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『先生の陥没乳首が狙われているようです』十時限目④**

 碧は赤峰から背を向けて、がちゃがちゃとベルトを外している。  振り向いた碧は、スラックスを下着ごとずらしていた。  赤峰は初めて碧の性器を()の当たりにし、ごくりと生唾を飲み干した。 「おまえ、やっぱり、どこもかしこも綺麗なんだな」  碧のペニスは、海鋒のものとはまるで違っていた。太く、長さもあり、腹につくほどに力強く勃起しているが、着色は薄く、キャンディーのようなベビーピンクだ。  碧の頬が真っ赤になっている。 「恥ずかしいから、あんまり見ないで」  そう言いながら、勃起したペニスにコンドームを装着する。  海鋒は媚薬を使用するくせに、エチケットのコンドームはちゃんと用意していたようだ。 「何だと? 俺は見るぞ! 恋人の俺にだけは、見る権利があるはずだ!」  碧は含み笑いを浮かべると、片手で赤峰の体を引き寄せた。もう片方の手には、ローションが握られている。 「だったら、太陽さんの感じまくってるエロかわいいところ、恋人の俺に見せてくれるよね」 「なっ……」  発言を逆手に取られ、顔が一気に熱くなった。  碧はローションを掌になじませ、人肌に温めてから、赤峰の後孔に塗り込んできた。 「あ……ん……あ、あんっ……」  優しい指先が花輪をくぐり、切ない喘ぎが漏れる。 「大丈夫? 冷たくない? 痛かったら、言ってね」 「だい……じょう、ぶ……だっ……っ!」  碧の気遣いに、また、愛しさが募っていく。  碧はローションを継ぎ足し、指を二本に増やして、内側の襞をほぐしていく。 「う……やっ……ああっ! ……」  呼吸するたびに襞が収縮し、碧の指を締め付けているのが、自分でもわかった。 「碧……お願いだから、もうっ……」  指を三本に増やされた時、赤峰は待ちきれずに哀願した。  碧は空いている手で、優しく頭を撫でてくれる。 「わかった」 (うわあ……いよいよ、つながるんだ……!)  緊張感がいや増しし、心臓が口から飛び出しそうだ。  碧の指が、赤峰の中から出て行く。 「あっ……」  碧は手に取ったローションを、自身のペニスの先端に垂らした。膝を抱えられ、息を止めた瞬間、碧が口を開いた。 「太陽さん。ものすごくエッチで、綺麗だよ。孔がひくひく(うごめ)いてて、赤い粘膜が見えてる」  碧の声は、興奮のためか、少し上擦っていた。 「おまえ……そんなの、口に出すなよ」  文句を言うと、碧の額に玉の汗が浮いていることに気付いてはっとする。  目が合うと、碧は微笑を浮かべた。  前髪が額に張り付き、目元が朱に染まっている。潤んだ瞳は充血していて、しとどに汗をかいた碧は、息を呑むほど凄艶(せいえん)だった。 「今から、太陽さんの中に、入るね」  乱れた呼気と共に、碧の言葉が放たれる。  赤峰が頷くと、太腿を引き寄せられ、碧の先端がほぐされた粘膜に宛がわれた。 「あっ! ……あ、あんっ!」  生理的な涙が赤峰の頬を伝う。碧が腰を押し進めるたびに、極太の亀頭が腸壁をこじ開けていく。異物感が増していき、碧が入ってくるのがわかった。柔らかな襞が収縮し、碧を悦んで迎え入れている。 「あ、やあああっ! はあっ! ……ああっ、ああんっ!」  媚薬がまだ効いているのか、碧を受け入れただけで、激しい快感が走り抜け、腰が弓なりになる。 「あ……やああああんっ! っ――!」  灼熱の亀頭がみちみちと前立腺を押し潰し、赤峰のペニスが限界を超える。精液が溜まりに溜まって、今にもはち切れそうだ。 「もっ……無理っ! 取って……取ってぇええええええっ!」  腰を高く掲げられ、リボンを引っ張られる。  碧が、嫣然と微笑んだ。 「思いっきり、イっていいよ」  リボンをほどかれると同時に、碧に最奥を穿たれる。 「ひぎっ! ああっ……あ――――――――っ!」  全身の血液が逆流し、目の前が薔薇色に染まる。  赤峰は激しすぎる快楽に四肢を痙攣させる。魂が大気圏を突き抜け、宇宙を浮遊しているようだ。眩い星々が降り注ぎ、多幸感に包まれる。  赤峰は、絶叫と同時に、白濁を噴水のように放っていた。  赤峰は肩で呼吸をしながら、焦点の合わない瞳で世界を見詰めている。もう一生分出たと思うほど、射精は長く続いた。  自分はどこの誰で、今、何をしているのか。それさえもわからなくなりそうだった。  気が付くと、碧がふわふわのタオルで、赤峰の胸や腹をふいてくれていた。 「それ……どこから……」  喘ぎすぎたのか、赤峰の声は掠れていた。 「紙袋の中に入ってた」  顔にまで飛んでいたのだろうか。碧は赤峰の顔までふいてくれた。  頭がはっきりしてくると、赤峰は慌てて尋ねる。 「碧、かからなかったか?」 「うん。大丈夫」  赤峰は心の底からほっとした。 「よかった。おまえの綺麗な顔にガンシャなんてしてたら、自己嫌悪どころか死にたくなってたかもしれない」  途端に、碧の顔が険しくなる 「冗談でも、『死ぬ』とか、言わないで」 「あ……悪い。お詫びに、なんでも好きなことしていいから」  赤峰はすかさず謝った。碧は四歳の頃、目の前で母親を亡くしているのだ。  碧は体をつなげたまま身を乗り出してきた。連動して赤峰の体が折り曲げられる。 「太陽さん、『メスイキ』ってわかる?」 「何それ」  碧の完璧な営業スマイルに、赤峰はびくっとする。 「射精なしで気持ちよくなること。男でも、女の子みたいに、気持ちよくなれるんだって。事務所の先輩が教えてくれた」  今度は赤峰が顔をしかめる。 「なんだ、その先輩! 変なことされてないだろうな」  碧は声を立てて笑い出した。 「されてないよ。ゲイだって、カミングアウトしてる先輩だから。俺も好きな人がいるって言ったら、相談に乗ってくれただけで」  よっぽどおかしかったのか、目尻に溜まった涙を指先でぬぐっている。かと思ったら、真剣な顔になり、赤峰の顎を取って、顔を近付けてきた。 「俺のために『メスイキ』覚えてくれたら、さっきの許してあげる」  綺麗な顔が間近に迫り、心臓がばくばくと脈打っている。既に体をつなげているというのに、恋の病は一向に治まらないようだ。 「や、でも……俺、射精なしで気持ちよくなるとか、やったことないし」  もごもごと口ごもると、碧が言葉尻を捕らえてきた。 「あれー? さっき、『お詫びに、なんでも好きなことしていい』って聞こえた気がしたけど、空耳かなー?」  赤峰は覚悟を決めて頷き、愛しい人のハシバミ色の瞳を見詰める。 「わかった。俺はおまえになら、何をされてもいいんだ」  瞬間、碧の双眸が切なげに細められる。啄むようなキスを何度も落とされ、碧が必死に欲望と闘っているのがわかった。  赤峰は、碧を抱き締めたい衝動に駆られる。 (ああ……! 両手のテープだけ、先に取ってもらえばよかった。そうすれば、思う存分、碧を抱き締められるのに)  腕を動かせない代わりに、赤峰は唇を開いて碧の舌を迎え入れる。拙いながらも舌を絡めて、碧にも気持ちよくなってもらいたくて、必死だった。  目が合うと、碧の瞳は充血し、目元にも朱が昇っていた。  獰猛な雄の気配を立ち上らせる碧に、背筋がぞくぞくする。 「そんな格好で、あんまり俺を煽ること、言わないでほしいな。今、太陽さんがこんなことになってるのは、海鋒先生に媚薬盛られてるからで……薬の効き目が切れたら、俺たちは、ただの教師と生徒に戻るんでしょ? 卒業まで、太陽さんに触れないの、しんどいよ」  碧は赤峰の胸に顔を押し付けてきた。 「碧……」  絞り出すように言われた言葉は、碧の本音に違いない。  赤峰は、必死になって叫ぶように言う。碧が本心を吐露してくれているのなら、自分も本当のことを言わなければならないと思った。 「今だけ……今日だけは、俺たちは恋人同士だ! 恋人の(あかし)として、俺にメスイキさせてくれ!」  間髪を入れずに乳首を乳暈ごと舐められ、赤峰は細い腰をくねらせる。 「ひあんっ」  顔を上げた碧は、いたずらっ子のように笑っていた。 「おまえ……俺が真面目に話してるのに」 「かわいそうに、赤く腫れてしまっている」  赤峰は顔色を変える。どこかで聞いたセリフだった。 「それ……海鋒が……」  英語準備室で海鋒に胸を吸われた時の言葉だ。  碧は男の色気を漂わせながら、前髪を掻き上げた。  あの時から、嫉妬している。  碧は、そう主張しているのだ。  悋気(りんき)を起こすほど求められていることに、背筋がぞくぞくする。 「ぷっくりと膨らんでいて、少し大きくなってしまったみたい」  碧の吐息にさえ感じてしまい、赤峰は不自由な身をくねらせた。碧が低く囁くように言う。 「あんな器械付けられるの、太陽さん、初めてでしょ? ちょっと妬いちゃったんだよね」  熟れたベリーのように尖り切った乳首を、音を立てて吸われ、もう片方の乳首も指先できゅっとつねられる。 「あ……はあっ……」 「ほら、見て。太陽さんの」  薄目を開けると、碧がウインクした。自身を見下ろすと、萎えたままのペニスから、快感の兆しが滲み出ていた。 「これがメスイキ。下はいじってないのに、気持ちいいでしょ」  碧の声は自信に満ちていた。瞳に妖しい光を宿しながら、(うた)うように言う。 「何ヶ月経っても俺の形を忘れないように、たっぷり、刻み込んであげるから」  言うや否や、碧は赤峰の腰をしっかりと掴んで抽送を開始した。 「……っ……あっ! ……」  碧は狙いすましたように、亀頭で的確に前立腺を衝いてくる。それなのに赤峰のペニスはこうべを垂れたままで、際限のない快楽だけがずっと続いている。 「あっ……あ――っ! あ、ああっ……や、んっ! こわ、い……やだ……あ、お……たすけ……てっ!」 「大丈夫だよ」  世界中の優しさを集めたような優しい声音に、赤峰ははっとした。 「大丈夫。俺が一生そばにいるから。だから安心して、気持ちよくなって?」  赤峰は感動して泣きたくなった。心も体もトロトロに溶けてしまったみたいに、碧との境界があいまいになる。赤峰は碧とひとつになっているのだと実感した。 「あっ……ああんっ! あー! あー! あー!」  亀頭からは絶えず先走りが滲み出て、一向に止まる気配はない。赤峰は碧の動きに合わせて、嬌声を上げ続けた。

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