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『その後の先生の陥没乳首』act.4
赤峰は時間通りに碧の家のインターホンを押した。
(今日の服、若作りだと思われなきゃいいけど)
ブラウンのジャケットに、スカーレットの丸首シャツを合わせた。下はカーキ色のカーゴパンツという装いだ。
再就職してからというもの、私服を新調していない。仕方ないから、学生時代に着ていた服の中から、今でも着られそうなものを選んだ。
左手にはケーキ屋の紙袋を下げている。予定より少し前に着いてしまったため、そわそわうきうきしながら辺りをぶらぶらして時間を潰した。
(やっと碧に会える!)
卒業式は二月末だった。実に二ヶ月ぶりの再会となる。
ドアの向こうに碧がいる。そう思うだけで、胸の高鳴りを抑えられない。
(お互い忙しくて、なかなか会えなかったからな。「会いたかった!」なんて言い合って、熱い抱擁を交わすのかな)
家の中から、足音が聞こえてくる。赤峰は碧を出迎えるために右手を横に広げた。
ドアが開く。水色のワイシャツにグリーンのエプロンを身に着けた碧が、満面の笑みで赤峰を出迎えてくれた。
「太陽さん、いらっしゃい。よく来てくれたね。どうぞ、上がって」
(エプロン! かわいい!)
家庭的な姿に、頬が熱くなる。
「太陽さん?」
見惚れていると、碧が小首をかしげた。
「あ、ああ」
赤峰は慌てて家の中に入る。
「これ、ケーキ」
誕生日ケーキがかぶらないよう、碧には前もってメールしておいた。
「ありがとう。冷蔵庫に入れてくるね」
碧がキッチンに去って行く後ろ姿を、赤峰は切なげに見送った。
(え? それだけ?)
結果的に赤峰の抱擁の準備は不発に終わった。赤峰は拍子抜けすると同時に、寂しい気持ちになる。
(あんな夢まで見て、期待してた俺って大馬鹿)
脱いだ靴を揃えて、碧が用意してくれたスリッパを履く。
「太陽さん」
返事をする暇もなく、両手首を掴まれて、壁際に追い詰められた。切羽詰まった碧の顔が、間近に迫る。
「せっかく、がっつかないように我慢してたのに、そんな顔されたら、我慢……できなく、なる……」
掌を重ねられ、握り込まれる。碧の手には、汗が滲んでいた。
「我慢なんか、しなくていいんだ。俺だって、おまえに、触りたいんだから」
一瞬、碧の色素の薄い瞳が大きく見開かれる。次の瞬間、ぶつけるように唇を吸われた。
「んっ!」
反射的に開いた唇に、碧の舌がすばやく侵入する。歯茎と歯列を順になぞられ、赤峰の唇が大きく開く。
「んんっ……っ……ふ、ん……あ、んんっ……」
碧は赤峰の腰を引き寄せ、後頭部に腕を回してきた。淫らな水音と荒い息遣いが玄関に響く。
「……っ……ん……ふ、あ、んぅ……」
奥で縮こまっていた舌を根元から絡め取られ、執拗に舐られる。舌の裏側を何度も舐められ、身の底から湧き上がる快感に、腰から力が抜けていく。赤峰は碧に支えられながら、へなへなとその場にくずおれてしまった。
「太陽さん」
碧の息も熱く乱れていた。
赤峰は恍惚とした瞳で碧を捉える。
碧の右手が赤峰の胸元に伸びる。胸の粒に触れる直前、碧は手を引っ込めた。そのまま赤峰の背中に腕を回し、強く抱き締める。
赤峰は、碧が胸に触れようとしたことに気付いていなかった。
「会いたかった……!」
赤峰も碧の首筋に腕を回す。
「俺も」
十秒ほど抱き合っていただろうか。碧のほうから腕をほどいた。
「ご飯できてるよ。冷めないうちに、一緒に食べよう」
「お、おう。なんだか新婚みたいだな」
赤峰の言葉に、碧は微笑を浮かべる。
気のせいだろうか。抱き合った時、碧は小刻みに震えていた。
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