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『その後の先生の陥没乳首』act.8*

 赤峰は緊張した面持ちで、ベッドに体を沈めていた。下着しか身に着けていないため、シーツに素肌が触れている。 (碧が寝てるベッドなんだよな)  普段、碧が使っていると思うと、余計に意識してしまう。 「なあ……下まで脱ぐ必要あったのか?」  赤峰はベッドの脇に座る碧に尋ねた。碧の視線にさらされていると思うと、触れられてもいないのに、体の芯が熱くなる。 「だって太陽さん、着替え持ってきてないから、濡れちゃったら困るでしょ」 「濡れる?」  赤峰はわけがわからず首をかしげた。  碧は赤峰の顔を凝視している。頬が少し赤くなった。 「……え? それ、本気で言ってる?」  理解した途端、頬が一気に熱くなった。羞恥心が込み上げ、碧の顔を見ていられない。 (濡れる……濡れるって、射精前提なのか……! 碧、試したって言ってたし……え? そんなに気持ちいいの?)  赤峰は頭を抱えて身悶える。 (こんなすっとぼけたみたいな反応して、碧はどう思っただろう)  肩越しに碧を振り返ると、碧はうなだれたまま、ぷるぷると小刻みに震えていた。  赤峰は慌てて碧のそばまで這っていった。 「どうした、碧! 具合でも……」  碧が顔を上げる。熱を帯びた視線が、赤峰を射抜いた。  碧は困ったように笑う。 「俺を煽るのも大概にしてほしいな。太陽さんがかっこいい上にエロかわいいこと、いい加減覚えてよ」  碧に顎を掴まれ、唇を吸われる。赤峰は反射的に目を閉じた。 「ん……」  上唇と下唇を交互に()まれ、舌先で焦らすように舐られる。 「は……っ……」  早く舌を入れてほしくて、赤峰はねだるように唇を開いて碧の袖を引っ張った。  碧が笑っているのが気配でわかった。  体重をかけられて押し倒される。  やっと舌を入れてくれたと思ったら、碧は歯茎や口蓋を舐め回してきた。 「っ……」  赤峰は碧の首筋に腕を回す。もう待ちきれないとばかりに、自分から積極的に舌をからめた。碧も赤峰を抱き締めてくれる。  何度も角度を変え、快感を引き出したくて必死になる。赤峰は碧の舌の裏側を舌先で愛撫する。碧にも、気持ちよくなってほしかった。  唇が離れると、二人とも息が上がっていた。赤峰は潤んだ瞳で碧を見上げる。  碧は赤峰の顔の左側に手を付き、赤峰の頬を愛おしげに撫でてくれた。 「うまくなったよね、キス。キスが好きなのかな」  赤峰は両手を上げて碧の頬を包み込んだ。 「そうじゃ、ない。俺は、碧のことが大好きって、思った時に、キスしたくなるんだよ。今だって」  碧の瞳が大きく見開かれる。碧の綺麗な顔が近付いてきて、触れるだけのキスが落ちてきた。 「着けるよ」  碧が透明な吸盤のようなものを手に取った。  熟れた果実のように赤くなった乳首に、無機質で冷たいゴムが触れる。 「……っぅ……」  あまりの冷たさに、思わず息が漏れる。 「大丈夫?」  碧に顔を覗き込まれ、赤峰は無言で頷く。  陥没していない乳首は、こりこりとした芯を持っているようだ。服に擦れて、既に熱を孕んでいる。  赤峰の両方の乳首に、透明なカップが装着された。カップは以前とは違い、ゴム製に改良されているらしい。  なぜだろう。これから起こることに期待して、興奮している自分がいた。 (俺、Mではないはずなんだけどな……)  碧はまだ、赤峰の腹の上に乗っている。碧の手には、コントローラーが握られていた。生殺与奪の権を握られているようで、ぞくぞくする。  熱を帯びた視線が、空中で絡まる。しばらく見詰め合った後、碧がゆっくりと指先を動かした。  シリンダーの中の空気が少しずつ抜かれていくのがわかった。 「んんっ……う、はっ……」  吸盤が収縮し、熟れ切った乳首が締め付けられる。 「くっ……ぅうう……」  赤峰が真っ先に感じたのは快感ではなくむずがゆさだった。今すぐ吸盤を取りたい衝動に駆られる。すんでのところで思いとどまり、シーツを掴んでなんとか耐えた。  赤峰の異変に気付き、碧が器械を操作してくれる。シリンダーの空気の流れが止まる。碧が吸盤を外してくれた。 「あぁ……」  些細な刺激にも感じてしまい、甘い吐息が漏れる。  無意識に握り締めていた拳を、碧にやんわりと包み込まれた。不意に感じた温もりに、心臓が胸郭を突き破りそうなほど脈打っている。  碧の手が放れる。赤峰は指の力を緩めた。 「そんなに強く握ったら、手が痛んじゃうよ。俺に、しがみついていいから」 「そんなことしたら、爪が食い込むかもしれないだろ。だったら」  赤峰は起き上がって、碧の前に両手を差し出した。 「引っ掻かないように、手首を縛ってくれ」  碧の頬に朱が上る。碧は息を呑んで硬直した。  自分の口から出た言葉に、赤峰も驚いていた。 (縛ってくれって、なんだよ! まるっきりMじゃないか!) 「実は海鋒先生から、手錠も送られてきてるんだよね」  碧はベッドから降りると、段ボールから手錠を出した。碧の横顔はまだ赤かった。 「直接着けると痕が残っちゃうから」  碧は机の引き出しから何かを取り出して戻ってきた。 「それって」  赤峰には見覚えがあった。黒地に黄色の糸で『勝』と記されたリストバンドだ。かつて赤峰が、碧の合格祝いに贈ったものだった。 「まだ、持っててくれてたんだな」  碧は優雅な笑みを浮かべる。顔のほてりは落ち着いたようだ。 「太陽さんがくれたものだもの。大事にして当然だよ。このネックレスも太陽さんだと思って大事にするから」  襟元のイニシャルネックレスが光った気がした。  碧が赤峰の手首に、リストバンドを嵌めてくれた。その上から、手錠が嵌められる。 (海鋒のやつ、俺たちに妙なプレーをさせたいらしいな)  赤峰は再びベッドに横になった。 「今度はローションも使ってみようか。試用済みだから安心して」  碧がウインクした。 (それも、海鋒から送られたのか……)  透明な容器の中に、オレンジ色の粒々が入ったトロトロの液体が入っていた。  碧は、海鋒お手製のローションを掌に垂らした。人肌に温めてから、指先で赤峰の胸に塗り付けてくれる。  細やかな気遣いにじいんとする。碧の願いなら、なんでも叶えてあげたくなる。 「痛くない?」 「ん……」  赤峰は微かに頷いた。痛いわけではない。ぱちぱちと炭酸がはじけるような、不思議な感覚だった。  赤峰の胸に、再び吸盤が装着される。 「スイッチ入れるよ」  碧は赤峰の腰の辺りに座っている。静かな宣言の後、器械が動き出した。 「あ、ああっ……あっ、ああ――っ!」  先程とは比べ物にならない刺激が、赤峰に襲い掛かる。ゴム製の吸盤が、意志を持ったかのように乳首にまとわりついているのだ。 「ふっ……あ、ああっ……はああんっ……」  赤峰は涙目で自身の胸を見下ろした。  紅く熟れた乳首が窮屈なゴムの中で、目いっぱいに引き伸ばされているのがわかった。  碧が口元に笑みを浮かべ、コントロールパネルを操作した。 「ひいっ!」  吸盤に振動が加わった。強烈な快感に、悲鳴と共に生理的な涙が迸った。 「ひっ、あっ、あああっ……やあああああっ!」  ローションの粒々が動き出し、腫れ上がった乳首のくぼみに入り込む。ゴムがうねうねと動き、目の奥がチカチカするほどの快感が走った。 「っ……はっ……ああっ……」  粒々の僅かな凹凸が、乳首と周りの薄い皮膚を揉みしだいている。  赤峰は、触手のようなものに乳首を吸われているような錯覚を起こしそうになった。頭の中で火花が散り、欲望の兆しである先走りが下着を濡らしている。 「あ……あぉ……も、むり! ……っぅ……」  赤峰はとうとう弱音を吐いた。乳首だけに快感を与えられても、本当の意味で達することができない。このままでは生殺しの快楽地獄と同じだった。 「わかった」  碧が器械を下に置き、ベッドから降りる。 「やっ! ……置いて行かないでっ……」  赤峰は心細くて涙声で叫んだ。碧は振り向いて笑顔を見せる。 「下着脱がせるだけだから。太陽さん、腰浮かせられる?」  ゴムの振動はまだ続いている。赤峰は両手を縛られた状態で脚に力を入れ、なんとか腰を浮かせた。膝がぷるぷると震えている。全身から汗が吹き出し、もはや余裕がない状態だ。  碧が下着の両脇に指を入れた。そのまま太腿までずり下ろしてくれる。欲望に頭をもたげた赤峰自身が姿を現した。 「いいよ」  赤峰は一気にベッドに沈み込んだ。碧がそのまま下着を脱がせてくれる。  碧がベッドに乗り上げた。赤峰はねだるように碧を見詰める。赤峰の思いを汲み取って、碧が赤峰の上体を抱き起こしてくれた。  赤峰は生まれて初めて、小柄であることに感謝した。体格差があるため、赤峰の体は、碧の腕の中にすっぽりと納まっていた。 「すぐに、イかせてあげるからね」  碧が液晶画面をタップする。器械の力が強まった。  まるで巨大な触手が乳首に絡みついているようだ。乳首と薄い皮膚を覆うゴム製の吸盤が生き物のように収縮し、乳首を引っ張ったり押し潰したり、縦横無尽に転がしている。 「うっ……ふ……はあっ……んんっぅ……」  碧が空いている手を赤峰の股間に伸ばした。碧の綺麗な指が、赤峰の小振りなペニスを握り込んだ。 「あっ……あああっ! ……」 (やっと、碧が触ってくれた)  碧に触れられているだけで嬉しくてたまらず、涙が溢れてくる。 「なんで、泣いてるの」  碧が戸惑っているのがわかった。 「あ……うれしく、て……っ……」  碧が顔を近付けてくる。目尻を舐められ、涙を口ですくってくれた。 「ほんとだ。しょっぱくないね」  碧が微笑した。つらい時や悲しい時に流す涙と、嬉し涙は味が違うというのは本当のようだ。 「碧……」  赤峰はキスしてほしくて、薄く唇を開いた。碧は期待通り唇を吸ってくれた。啄むような口付けは、すぐに深くなる。舌先が絡まり合い、淫らな水音を立てていた。 「ん、ふ……は、あぁ……」  乳首への締め付けはなおも続いている。シリンダーが収縮し、周りの薄い皮膚ごと強く引っ張られる。 「ひぃあんっ! ……あ、あぁ……」  乳首が熱くてたまらない。快感は下肢に溜まっていく一方で、乳首への刺激だけでは絶頂を迎えられない。  赤峰のペニスは碧の手の中でどくどくと脈動しながら、先走りを滲ませ続けていた。 「あ、あおっ……っ! ……」  赤峰はキスの合間に、碧に訴えた。赤峰にも、たとえバージョンアップされていても、無機質な器械にイかされたくない意地があった。  赤峰を愛でるように、碧の目尻が下がった。碧の指先が動き出す。 「っ…… ひ、あっ! ……あ、ああっ……」  裏筋を撫で上げられ、高みへと上り詰めていく。鈴口を優しく擦られれば、もう我慢できなかった。強張っていた体が一気に弛緩する。 「あっ、あ――……」  赤峰は勢いよく精を吐き出した。  器械の動きが止まる。碧が赤峰の汗まみれの体を抱き締めてくれた。ワイシャツ越しに、碧の体温を感じる。  赤峰は、直接碧の体温を感じたいと思った。 「上手にイけたね」  碧がそう言いながら、頭を撫でてくれた。褒められたことが嬉しくて、赤峰は微笑みを浮かべる。 (SMみたいなセリフだけど、碧もなんか、Sっぽいんだよな)  碧にもSスイッチがあるのかもしれない。  碧が乳首から吸盤を外してくれる。手錠も外してくれた。

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