47 / 53

第47話 ※入り込んだ客室で

 「では私はお仕事に戻りますね」  「うん……やっぱり今日は護衛として出席するのかい?」  俺の腕を掴んだまま、寂し気に聞いて来るクロード様。  彼の望みを叶えてあげたいけれど、ご主人様の名誉を守る為にもここは譲れないのだ。  「ごめんなさい。 今日はどうしても護衛として出席したいのです」  「………………」  あまりにしょんぼりするクロード様が可愛くて、周りを見渡して誰もいないのを確認してから、彼の唇に触れるだけのキスをした。  ちゅっと乾いた音がして、唇が離れる。  「その代わりと言ってはなんですが、夜はクロード様の好きにしていいですから」  「…………っ!!」  ちょっとあざとかったかな、と思って照れていると、腕を引かれて使われていない部屋へと連れて行かれてしまう。  扉に鍵をかけた音が聞こえてきて、胸がドキッと跳ね上がった。  クロード様の動きに釘付けになる……ゆっくりと顔を上げた彼の瞳に熱がこもっていて、ドキドキが止まらない。  「クロード様……」  「夜まで待てなんて、酷いなぁ」  「だって……っ」  こちらに歩いてくる足音が、やけに大きく聞こえてくる。  もともと聴覚もいいから、自分の心臓の音とご主人様の足音がない交ぜになり、室内には彼の匂いも溢れていて…………だんだんとお酒を飲んだかのように頭がボーっとしてしまう。  だめだ……クロード様を前にするとすぐに理性が飛びそうになってしまうんだ。  俺の目の前までやってきたご主人様は腕を伸ばし、すっぽりと彼の腕の中におさめられてしまう。  うぅ……いい匂い過ぎてこの腕を払うことなんてできないよ。  「クロードさま……大好きです」  「私の方が好きだと思うけどな」  「そんな事はありませんっ!」  「そう? だって今も君に触れたくて仕方ないんだよ」  グッと押し付けられた下腹部はすでに硬くなっていた。  俺の臀部を鷲づかみにしたクロード様は、さらに下腹部を押し付けながら自身の欲望を主張してくる。  こんなの、我慢するなって言う方が無理では――――  「だめ……です、ご主人様……こんなっ」  「リックも反応してるじゃないか。 だめなの?」  あんまり気持ちよくて、腰が動いちゃう……!    「んぅっ……はぁ、んっ」  だめだめ……こんなところで……仕事中なのにっ!  彼の匂いや熱くて硬い存在をヒシヒシと感じて、体が軽く痺れてくる。  そんな俺を責めるようにご主人様の両手がパンタロンの中へ侵入してきて、後ろから窄まりを撫でられると足の力が抜けてしまう。  「やぁ……そこ、だめぇ……っ」  「リックもココにほしいんじゃないの?」  彼の胸に顔を埋めながら必死に顔を横に振る。  ほしいけどほしくない。  ずっとお預けをくらっていたからほしいに決まってる……!  でもそれは今じゃなくて……あぁ、でもココに刺激がほしくて腰が自然と揺れてしまうよ――。  「はは……反応が可愛すぎて無理」  「え?」  「今は指だけで我慢して」  手袋を脱ぎ、自身の指に唾液を絡めたかと思うと、その指は俺の窄まりを優しくなぞった。  背筋が粟立った瞬間、ゆっくりと二本の指が中に侵入してくる。    「ひぁ……っ! ああっ、あぁぁ!」  「シ――ッ」  「んっ……ん、くぅぅっ」  声を我慢していると後ろに力が入ってしまって、耐えるように彼の衣服を握りしめた。  あんまり気持ちがいいから、足がガクガク震えてしまう。  きもちいい……きもちいい……きもちいい……もっとほしいっ。  「クロード、さまぁ……っ」  「ふふっ、凄い締め付け」  「もっと……ぐちゅぐちゅしてぇっ」  「……リック、そういうの可愛すぎるから」    中に挿入れていた指は突如激しく動き始め、俺の気持ちいい箇所を的確に刺激してくる。  「いあっ、あっ、あんっ、ふ……んっ……」  「リック……ほしいって言ってごらん」  「や、やだぁ……夜まで、がま、んんっ」  「フッ。 強情なんだから……」  ご主人様の指が三本に増え、俺の中にある前立腺を刺激しながら激しく突き上げてくる。  「んぁっ、やぁ、ああっ、ふぅぅっ」  突き上げられるたびに前も擦れるし、下腹部の快感に頭が真っ白になる。  クロード様の胸に顔を埋めながら甘い責め苦に耐えるのは、俺にとってただのご褒美でしかない。  ああ、クロード様の匂いで体中が満たされていく。    「んんっ、あっ、もう、イクッ……~~~~ッ!!!」  ビクビクと体が跳ね、つま先までピンと立ちながら体全部で快楽を噛みしめた。  パンタロンの中で自分の欲望が爆ぜているのが分かる。    「もう……クロード様のいじわる……中で出ちゃったじゃないですかっ」  「ごめんごめん。 あんまり強がる姿が可愛くて」  「こんな姿で生誕祭に出られません!」  「まだ時間はあるから着替え手伝うよ」  「結構です!」  「ええ~~~」  好き勝手されて腹立たしいやら、気持ち良くてまだ疼いているやらで自分の気持ちが整理できず、ついクロード様にキツクあたってしまう。  このまま一緒にいたら今度こそ我慢できなくなりそう。  俺は急いで衣服を整え、扉のドアノブに手をかける。  「……ひとまず着替えますので」  「リック、待って!」  「クロード様……あとは……夜に続きをしてくださいね」  「え……うん…………」  「それではっ」  俺の言葉にポカンと口を開けて返事をするクロード様を振り切り、その部屋を後にした。  自分からお願いをするなんて恥ずかしくていたたまれない!  でも下半身が疼いて仕方なくて…………きっと喜んでくれていると思うから。  煩悩を振り払うように足早に廊下を駆け抜け、急いで自室に駆け込んでそそくさと着替えを済ませたのだった。  

ともだちにシェアしよう!