50 / 53

第50話 ※媚薬で熱を持つ体

 「ご主人さま……!!」  「ク、クロード様ぁ! お待ちしておりました! この曲者が我が邸に火を点けたのです!!」  クロード様はリュミエーナ様が部屋から出ないように入り口に立ちながら、こちらに少し視線を移して微笑んだ。  そしてリュミエーナ様へ視線を移すとすぐに無表情になり、冷たい目を向ける。  「あなたにはガッカリですよ、リュミエーナ嬢。 私の大切な人をこんな目に遭わせるなんて」  「私はなにも……!」  「私が何も分からないとでも? この邸に私の間者が入り込んでいたとは微塵も思わなかったのですか?」  「……そ、そんなっ」  「どけ」  ご主人様はリュミエーナ様を突き飛ばし、すぐに俺の方へ駆けてきて抱き上げてくれたのだった。  「リック! 遅くなってごめん! とにかく今は邸から出よう!!」  「は、はいっ」  俺を抱えながら邸内を走りつつ、ざっくりと状況を伝えてくれる。    「殿下と公爵はそのまま行かせたけど、今頃殿下は騎士が保護していると思う。 バラデイン公爵も捕まっているだろう」  「よかったぁ……っ」  さすがクロード様……騎士の方々を連れて来てくれたんだ……!  クロード様の手の者を公爵邸に紛れ込ませていた事で、俺たちが連れて来られた事もすぐに知らせが入ったらしい。   入り口付近は火の手が凄かったけれど、クロード様のマントを被りながら一瞬で駆け抜け、邸の前に転がり込んだので何とか難を逃れたのだった。  「クロード様……」  「リック、怪我はないかい?!」  「はい……クロード様のおかげです……」  「良かった…………」  抱きかかえる腕の力が強くなる……その温もりに安心感で体が満たされていく。  クロード様こそ、少し衣服が焦げてるし火傷をしているんじゃないだろうか。  聞こうとしたけれど、遠くからリヴィエール殿下の声が聞こえて顔を上げた。  「フレデリック!!」  クロード様に下ろしてもらった俺は、涙ながらに殿下と抱き合う。  「リヴィエール殿下! 良かったです……本当に良かった……っ!!」  「お前は……いつも他人のことばかりなんだから……っ」  顔を上げると、殿下の目にも涙が滲んでいる。  物凄く心配をかけてしまった……反省しなきゃ……はんせい…………。  熱かった邸から脱出してだんだんと興奮が治まってきたけれど、体は未だに熱いままで頭がボーっとしてくる。  「リック?」  「おい、フレデリック……?」  二人が同時に俺の顔を覗き込んでくる。  でも熱くて……体がじんじん痺れているかのようだ。    「は……っ……はぁ……ごめっ……なさい……からだが、あつくて……っ」  なんとかクロード様の衣服に腕を伸ばしたけれど、膝が頽れてしまう。  「リック!」  「フレデリック、お前……バラデインに飲まされた媚薬が効いているんだろう?」  「媚薬?!」  クロード様は晴天の霹靂だったのか、とても驚いた声をあげた。  ご主人様には知られたくなかったけど……びやくってどうやったら抜けるんだろう?  でももう頭が回らない。  体を起こしていられない俺をご主人様が性急に抱き上げる。  「申し訳ございません、殿下。 すぐに私の邸に連れて行きます」  「あ、ああ。 ここは僕に任せろ。 兄上には僕から伝えておく」  「感謝いたします」  ご主人様はぐったりする俺を抱いたまま近くにある馬車に乗り込み、馬車はすぐに侯爵邸へと走り出した。  そしてこちらを向いて優しい微笑みを向けてくれる。  「もう少しだからね。 大丈夫だから」  「クロードさま……」  俺を安心させようとしてくれているんだ。  ご主人様の気遣いに胸がぎゅっと締め付けられる。  それに抱き締められる腕の温もりから熱が伝わってきて、早くクロード様に触れてほしくて仕方なくなってくる。  なぜだか下半身もじんじんしてくるし……もぞもぞと動くたびに胸の先端も擦れて変な声が出そうになる。  「んっ……クロードさま……あつくて……」  「リック? どうし……」  「クロードひゃま……キス……」  自分から体を起こしてご主人様の股座に跨り、クロード様の唇にキスをした。  クロード様、すき……だいすき……助けにきてくれて嬉しい……くちびるやわらかいぃ……。  馬車の中にちゅっちゅっと音が響いていて、ますます気持ちが昂ってくる。  「んっ……リ、リック……」  「んん~~っ、すきぃ」  「君って子は……!」  ご主人様の分厚い舌が性急に侵入してきて、口内をぐちゅぐちゅとかき混ぜられると、腰が砕けそうなほど甘い痺れが体中を駆け巡っていく。  ずっとお預けを食らっていたので下腹部が疼き、自然とクロード様に擦りつけていた。  はしたないと思いながらも動くのを止められない。  これが媚薬の効果?  「もう我慢できない?」  「ん……できにゃいぃ……はやくほし……っ」  「ごめんね……まだ挿入れてあげられない」  「にゃんで……っ」  「君の可愛い声を御者に聞かせるわけにはいかない」  さっきまで蕩けるほど愛おしむ表情を向けてくれていたのに、途端に独占欲を向けられ、胸がぎゅうっと締め付けられる。  「でもこのままじゃ辛いだろうから、少し出そうか」  「へ? ぁ……っ」  ご主人様の手ですっかり勃ちきった熱棒を中から露わにされ、手で優しく扱かれていく。  「すでにぐちゃぐちゃだ……ほら、見て。 動きやすいよ」  「や、あっ、あぅ……はずかし……っ」  「しっ……君の声を聞かせたくないって言ったでしょ」  「らってぇ……むりっ……」  「仕方ないなぁ」    半分呆れながら、半分嬉しそうに笑うクロード様によって唇を塞がれてしまう。  「んんっ、ん~~~っ!」  ご主人様の手の動きは途端に激しくなっていき、あっという間に達してしまうのだった。  クロード様の手を汚してしまった……罪悪感でいっぱいなのに、ご主人様は俺の白濁にまみれた手を自身の舌で舐め始める。  「だ、だめですっ。 汚いですから!」  「んー? 全然。 おいしいよ」  全く意に介していない様子で、ペロペロと舐め取っていく。  羞恥でおかしくなりそうだったけれど、それ以上に体はまだ熱くて――。  出したのに全然治まってくれない……媚薬ってすごいんだ。  お尻もずくずくと疼く。  早く着いて――――とにかくそれだけを祈りながら、到着するまでずっとクロード様の首にしがみ付いていた。  

ともだちにシェアしよう!