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第22話

ep.22 17 設定 ◯竜人の国『シャヴァンヴィル』国家設定 【基本種族特性】 圧倒的な個の武力:他種族を凌駕する身体能力と魔力を持つ。 長い寿命と低い繁殖力:寿命は非常に長いが人口が少ない。そのため「数」ではなく、「時間」と「個の力」を最大の資本とする。 番(つがい)絶対主義:「竜人の行動原理はすべて番にある」というのが大陸各国の共通認識。番を見つけた竜人は、最優先で番を愛で、守る本能に支配される。 【経済発展の三本柱】 1. 超高付加価値技術の独占(時間の強み) 人間の職人と違い、長寿の竜人は「一人の天才が数十年間、技術を極め続ける」ことができる。他国には真似できない超精密な魔導具、不壊の武器、最高級の織物や建築技術による大貿易で莫大な外貨を稼ぐ。 2. 「絶対安全」を売るセキュリティビジネス(武力の強み) 大陸全土の流通の要所(魔の森、危険な海路など)を圧倒的武力で制圧。そこを「絶対安全な国際貿易ルート」として管理し、他国から莫大な通行税や護衛料(セキュリティビジネス)を得る。 3. 聖遺物・希少資源の加工輸出 高濃度マナの極地や過酷な環境(火山、極寒の地)へ高い身体能力で赴き、「黒竜の鱗」や魔鉱石などの天下の至宝を採掘。自国の高度な技術で加工して輸出する。 【国家の人口ピラミッド(住み分け構造)】 竜人(支配層・貴族・超エリート): 重大な方針決定や、超高難易度の国家事業だけを優雅にこなす。せかせか泥臭く働くことはない。 獣人(平民・労働層・実務の要): 竜人ほどではないが人間より高い身体能力と耐久力を持ち、繁殖力も平準。広大な自然の管理、商会の一般的な実務・流通の現場、日々の生活インフラ(飲食など)を活気に満ちて回している。 シャヴァンヴィル設定:絶対的治安と栄えし獣人の都 総面積 約1000万平方km以上。人間の国がいくつも丸ごと飲み込まれるほどの広大な大自然、原始樹海やマナの山脈で構成されている。 竜人の人口 国全体でわずか「300人から500人」程度。彼らはこの広大な国土の天頂に君臨している。 獣人の人口 約3000万人から5000万人。 広大な国土の中に、獣人たちが暮らす巨大な拠点都市がいくつも点在しており、世界中の富が集まる交易の中心地としてめちゃくちゃに栄えている。 竜人の国と呼ばれる理由と、抜群の治安 人口としては獣人が99.9パーセントを占めるが、トップに君臨する一握りの竜人たちの武力と威厳が「天災級」に圧倒的であるため、この国は100パーセント『竜人の国』として機能している。 トップが強すぎて怖いため、国内での犯罪や種族間の争いは一瞬で鎮圧され、他国からの侵略も100パーセント不可能。 この「絶対の安全」があるからこそ、本来なら弱者であるウサギや羊などの草食系の獣人たちも、肉食の獣人に怯えることなく、安心してのびのびと商売に励み、活気に満ちた豊かな暮らしを享受している。 数に頼る人間の国々がどれほど血を流して富を競おうとも、最強の竜人に守られ、衣食住のすべてが豊かに実ったこの黄金郷の繁栄には、決して爪先すら届かない。 シャヴァンヴィル設定:『番』を求める国家の受け入れ態勢 竜人の繁殖と番の多様性 竜人が番う相手は、同じ竜人に限らない。神話の時代から生きる強大な「竜」そのものや、あるいは一見して脆弱な「人間」であっても、魂が響き合えば運命の番となり得る。 しかし、国内の竜人はわずか数百人と極めて希少なため、国内の身内だけで番を見つけるのは至難の業である。 --- ◯フェルサン公爵家 & 『フェルサン・レリクアリア』 【フェルサン公爵家】 シャヴァンヴィルの経済発展の「心臓部」を握る、国家最高峰の爵位。 現・公爵(お父様): 健在。泥臭い国内政治や、種族間(竜人と獣人)の細かい調整を「公爵」の権威で一手に片付けている。彼がいるからこそ、次期当主である息子たちは前線の実務に集中できる。 次期当主の条件: 「番を見つけなければ、公爵家の真のトップは継げない(いつ本能で職務放棄するか分からないため)」。そのため、コロコロと代替わりが起きる特性を持つ。 【次期当主の肩書きに対するスタンス】 ジュリアン: 「次期当主」と呼ばれるのが嫌い。「番も見つけていない不完全な状態で、家を継ぐ仮の器として扱われること」を嫌悪しているため、周囲も彼をそう呼ばない。 リアム: 「次期当主」と呼ばれるのが大好き。誇らしげにその肩書きを纏っていたため、周囲の竜人たちからもよく「次期当主のリアム様」と噂されていた。 タクトの認識: 政治や家督争いに興味がなく、次期当主が誰かなんてまったく分かっていない。少し前、屋敷の廊下で通りすがりの竜人たちが「次期当主のリアム様が〜」と噂しているのを偶然耳にしたため、「あ、リアム様が次期当主なんだな」と素直に思い込んでいる。ジュリアンがかつてその座にいたことも、それを自らリアムに譲ったことも知らない。 【フェルサン・レリクアリア(Fersan Reliquaria)】 フェルサン公爵家が統べる、大陸最高峰の魔導・聖遺物商会。人間たちからは畏怖を込めて『レリクアリア』と呼ばれる。市井の細々とした商品は扱わず、世界の勢力図を裏から動かすような「歴史的な聖遺物」や「神話級のアイテム」の一撃だけを扱う。 周囲の環境(幹部・側近): 竜人たちの「番による急な離脱」に備え、レリクアリアの周囲は「すでに番を見つけて、生活も精神も完璧に安定している有能な獣人たち(番持ち)」でガチガチに固められている。 シーリングスタンプ(蝋印)の規則: 通常の商売や最終決済には「黒竜の黒い蝋印」を捺すが、タクトの呪いの薬や代替アイテムを世界中から集めさせる極秘命令書にだけは、ジュリアンが個人の魔力を込めた「深紅の蝋印」を捺している。 --- ◯ジュリアンの現在の立ち位置と「激務の背景」 【総帥の座の変遷】 1. 過去: ジュリアンが『フェルサン・レリクアリア』の実質的なトップ(若き総帥)として、その知性と武力で大陸の経済を牛耳っていた。 2. タクトとの出会い: タクトを最優先にするため、ジュリアンは総帥の座(および次期当主の含み)を弟のリアムに譲る。せかせかした実務から離れ、タクトの呪いを解くための研究や、ピンポイントでの聖遺物調達(特別最高戦力)に特化していた。 3. 現在(強制復帰): 総帥となったリアムがまさかの『運命の番』を見つけてしまったため、本能に支配されたリアムに代わり、仕事がすべてジュリアンの元へ逆流。実質的なトップ(総帥代行)へと強制復帰した。 【現在のジュリアンの仕事と多忙さ】 現在のジュリアンは「死ぬほど忙しい」状態にある。 仕事内容: リアムが放り出した、世界の命運を左右する人間の国々との命がけの交渉や、レリクアリアの膨大な最終決済。 タクトのための裏工作: しかし総帥の権限が戻ったことを利用し、レリクアリアの全情報網と特権をフル動員して、世界中からタクトの呪いに効く代替アイテムを個人の財力でいくらでも買い漁らせ、手配している。そのため、ジュリアンの指先からは常にタクトのための薬草や古代書の「冷たい薬草の匂い」が微かに漂っている。 【タクトの運んでくる「書状」の正体】 タクトが朝、小姓としてジュリアンの自室へ運んでくる書類の束は、日常の雑務ではない。 人間の国の王族からの命がけの懇願書(聖遺物調達の依頼)や、番持ちの優秀な獣人の部下たちから上がってきた「レリクアリアの最終決済書類」である。 ◯タクトの部屋、リアムが用意したものバージョン 「派手にもてなしてジュリアン様を刺激するわけにはいかないけれど、絶対に傷つけてはならないし、外部の変な噂(「元奴隷がジュリアン様のお気に入りに?」といった使用人たちの雑音)からも守らなければならない。 そんなリアムたちの「必死の配慮と厳重警戒」が隠された、「表向きは普通の小姓部屋、でも裏は鉄壁の守り」という初期の部屋」 ・一般の使用人が頻繁に行き来する大廊下からは外れた、静かで少し奥まったエリア ・見た目は本当に、フェルサン公爵家の「一般的な若い使用人が使う標準的な部屋」 ・ここがリアムの一番のファインプレー。タクトの隣室(あるいは向かいの部屋)には、「ただの使用人」ではなく、リアムが絶大な信頼を置く、口が固くて腕の立つ実力者(騎士団の若手幹部や、医療知識のある上級執事など)を配置。(表向きは「たまたま隣の部屋になった、ちょっと偉い先輩」として、タクトに仕事や城のルールを優しく教える役割。 しかし裏の任務は、「24時間体制でタクトの呪いの気配を監視し、彼が夜中に悪夢でうなされたり体調を崩したりしたら、すぐにリアムへ通報・フォローすること」) ◯タクトの部屋、ジュリアンが用意したものバージョン 広さはあえてコンパクトに、でも「質」が異常に高くて、タクトを閉じ込めておきたいジュリアンの防衛本能(警戒されないための配慮)が詰まったお部屋。 ジュリアンはタクトに「我がフェルサン公爵家の格式としてはこれが普通だが?」と言い切っている。 !ジュリアンが「これが普通」と言い張る、タクトの自室。 ① 広さは「いつものサイズ」で安心感を 「自分には不相応だ」と警戒されるおそれがあったので、広さはリアムが用意してくれた部屋(一般使用人室)とさほど変わらない、こぢんまりとしたサイズにあえて留めている。 ジュリアン様は「小姓の動線として、これくらいの広さが最も効率的だからだ」と理屈をつけていますが、本当はタクトが部屋の隅で丸まって震えずに済むようにという、極上の配慮です。 ② 素材と機能が「異常にトップクラス」、フェルサン公爵家が統べる、大陸最高峰の魔導・聖遺物商会。人間たちからは畏怖を込めて『レリクアリア』と呼ばれる『フェルサン・レリクアリア』の元総帥ジュリアン・ド・ヴレが厳選したものが置かれている。 〜広さは普通なのに、使われているものの「質」が、王族の寝室レベル〜 ・「最高級の漆喰(しっくい)と防音」 壁は、魔獣の鳴き声や不穏な足音が一切響かない特殊な防音・調湿効果のある漆喰。タクトが夜中に悪夢を見て怯えないための静寂空間。 ・「床暖房(魔石仕込み)と最高級の絨毯」 なり損ないで冷え性のタクトが絶対に風邪をひかないよう、床下には常に一定の温度を保つ高価な「温度維持の魔石」が敷き詰められており、その上を最高級の羊毛絨毯が覆っています。 ・「身体に馴染むベッド」 天蓋(カーテン)などの派手な装飾はタクトが気後れするのであえて排除し、見た目は極めてシンプルな木製ベッド。しかし、マットレスの中身は、極上の「雲の精霊の加護を受けた綿」が使われており、横になった瞬間に体の痛みが消える最高級品。 ・「特製のサイドテーブル」 ベッドのすぐ脇には、タクトのお気に入りのスナックや、ジュリアン様の好きな「ハニームーン(ナッツの蜂蜜漬け)」のような、栄養価が高くていつでもつまめるお菓子が、さりげなく上品な小鉢に入って常備されています。 ・「ジュリアンの部屋への隠し扉 「何かあったらすぐに主(あるじ)の元へ駆けつけられるように」という大名目のもと、タクトの部屋のクローゼットの奥や壁の一角は、ジュリアン様の寝室へと直通しています。 「広さは普通だけど、質が公爵(ジュリアン様)の執念レベルでカンストしている部屋」=番候補様のお部屋。としてタクトを除く屋敷の住人は見ている。 使用人・側近への厳命:タクト(番候補様)への接し方 屋敷の住人および関係者は、以下の規律を遵守すること。違反者は即時の配置転換または辞職を命ずる。 接触の禁忌: タクト(番候補様)に対しては、物理的な距離を保ち、触れずに接するように。ジュリアン様の特大のやきもちを誘発した場合、何が起こるか予測不可能であるため、今はひたすらに慎重を期すること。 距離感の徹底: タクトに対して敬語は一切禁止。あくまで「小姓」として接すること。また、ジュリアン様の聖域を乱すような余計な介入は一切認めない。 慎重なる監視: 常にタクトの動向を注視せよ。ただし、彼に悟られぬよう、あくまで慎重に見守るように。繰り返すが、今の時期は「慎重」以外に道はない。 適格性の判断: 上記の規律が遵守できない者は直ちに部署の移動を希望するか、あるいは辞職を願い出よ。公爵家の平穏を乱す存在は許容しない。 側近体制と管理戦略:フェルサン公爵家の「聖域」守護 フェルサン公爵家において、タクトという「番候補」をめぐる守護体制は、国家中枢の重鎮と、タクトの日常を直近で管理する実務部隊の二層構造によって完璧に統制されている。 【国家中枢:五大幹部】 経営・軍事・魔導・防衛・医療の各分野における国家最高峰のトップたちである。 シリル(Cyril):顧問 ヴァロア(Valois):秘書官 ガレル(Garel):将軍 エルザ(Elsa):騎士団長 ルカ(Luca):専属医師 彼らは「国家レベルの決定」には最強の力を発揮するが、タクトの日常生活に生じる些細な歪みや、ジュリアンの繊細な感情の揺れを常時監視するには手が足りない。そのため、以下の三名による実務部隊が配置されている。 【日常守護・防諜:精鋭実務部隊】 「ジュリアンの精神的ケア」「タクトの日常生活」「公爵家の防諜」の三点を完璧に担保する防護壁である。 フロリアン(Florian):情報統括・隠密主任 マリー(Marie):侍女長・生活管理担当 ジャン(Jean):魔導具整備技師 【少人数体制の真髄】 この組織が最小かつ最強の精鋭チームである理由は、ジュリアンの支配と防諜の観点に集約される。 情報の完全一元化: 誰がいつ、タクトに対してどのような配慮をしたか。すべての介入をジュリアンが把握し、情報の漏洩を未然に防ぐため。 濃密な緊張関係の維持: 側近全員がジュリアンの意向を深く理解し、その機嫌一つで自身の命運が決まるという緊迫した空気を共有させるため。大勢の使用人を配すれば、「呪い」や「ジュリアンの異常なまでの執着」という国家機密級の事象が露呈するリスクが高まるため、必要最小限のメンバーで聖域を囲い込んでいる。 【禁忌事項:現当主夫妻との接触】 「現当主夫妻によるタクトへの接触は厳禁とする。彼らの庇護欲を刺激すれば事態の収拾が不可能となるため、息子を愛するならば遠巻きに見守るよう通達済みである。しつこいようだが、今は慎重に。今夜は満月。物理的に月を永遠に失いたくなければ、ジュリアン様を刺激してはならない」(秘書官・ヴァロア談) ーーーーー 本作を最後までお読みいただき、ありがとうございます。 作者の執筆体力・気力の問題から「いかにこの異常な密度を保ったまま、物語を最短距離で駆け抜けるか」を第一に毎回考えて執筆しております。 そのため登場人物や設定を最小限に絞らせていただき、物語にうまく反映されていない部分もあるかと思いますが、その結果として、読者の皆様に「密度が濃い」と感じていただけるようであれば、これに勝る喜びはありません。 シャヴァンヴィルの閉じた黄金郷で、彼らの愛がどこへ行き着くのか。 引き続き、最後まで見守っていただければ幸いです。

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