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第41話

ep.41 31 甘美な略奪、果てなき微熱 上  月明かりに溶け込むような、一糸纏わぬジュリアンの姿を独占できるのはタクトだけだ。  その神々しいほどの裸体を目の当たりにすれば、誰もが陶然と蕩けてしまうだろう。タクト自身、初めはそうだった。  しかし、ひとたび彼に抱きすくめられれば、見惚れる余裕など消し飛んでしまった。  甘美で秀麗な見かけとは裏腹に、彼は容赦なく、タクトへ壮絶な快楽と熱量を叩き込んでくるのだから。  ◇  性器は硬く昂ぶり、しどけなく濡れそぼっていた。それだというのにジュリアンは、タクトの全身に手と唇を這わせ、翻弄し続けている。 「……ジュリアン、さま……っマーキングはもう、いいですから……っ、早く挿れて……っ!僕、もう……っ、もう……っ」  懇願するように名を呼べば、ジュリアンは微かに興奮した吐息を漏らし、タクトの反り返った性器を掌で支え、裏筋やカリの敏感な箇所に執拗に舌を這わせてきた。 「あ、あ、違う……っ、ジュリアン様そこは、違うんです……っ、は…っ」 「……違わないだろう、タクト……」  否定を甘く肯定するように、ジュリアンは低く囁きながら、タクトの足を開かせてさらに深いところへと顔を寄せる。  口で性器を扱かれ、乳首を指先で執拗に弄られるたび、言いようのない快感にタクトは涙を滲ませた。ジュリアンの舌の動きに腰を跳ねさせ、最奥から込み上げる疼きを必死に堪えていると、ジュリアンはマーキングしたはずの窄みに再び舌を這わせ始めた。 「……ッ、あ、あ……っ」  望んだ愉悦を与えられ、タクトは背を反らせて敷布を掻きむしった。  竜人は一度マーキングを施せば、相手の発情を自在に操ることができる。匂いに鋭敏な彼は、タクトが快感に身を震わせるたび、その甘い発情フェロモンを嗅ぎ取り、執拗に責め立てた。竜人が性技に長けていると評される所以は、まさにその『支配的な悦楽』にある。  全身は甘い痺れに戦慄き、吐息さえ満足に紡げない。ジュリアンの放つ色香に脳髄まで浸され、タクトの頭の芯はただ快楽だけを求めてとろとろに蕩けきっていた。  ジュリアンは氷のように冷ややかな美貌を崩し、あでやかに笑うと、見せつけるようにタクトの乳首を舌先で弾き、つぼみに指を潜り込ませてきた。 「あ……あっ、……あっ、は, ぁ……もう、そこ指じゃなくて……っ、ジュリアン様のが、欲しくて……っ、おかしくなりそうなんです……っ、ああ…っ!や、いや……っ、ジュリアン様……っ!」  タクトは快楽に飲まれながらも、自分の異常状態を理解した。気持ち良さに加えて、鱗がタクトの血管を通り、ジュリアンの欲情さ加減をダイレクトに脳髄へ運んできている。ジュリアンは自身の性器を求められて、相当興奮している。  そうなると鱗を通じてタクトはますますジュリアンの性器を挿れて欲しくなり、ジュリアンの指をきゅうと締め付けた。  ジュリアンの唇から熱い吐息が溢れる。 「……タクト、中で私を誘うのはやめなさい」 「誰のせいだと…っ、思ってるんですか……っ、あ、あ……っ、んん…っ!」  痙攣する太ももを強く吸われた。中の敏感な部分を指で擦られるたび、タクトはビクビクと腰を跳ねさせ、理性を手放すような甲高い声を上げる。  濡れた性器を根元からゆっくりと舐め上げられ、先端を舌先で執拗にくすぐられる。ジュリアンの口淫は、わずかな時間でタクトの好みを掌握し、恐ろしいほどの速度で洗練されていた。  ジュリアンの舌が性器を弄び、その指が最奥の急所を小刻みに擦り上げる。逃げ場のない二重の快楽に、タクトの理性が音を立てて軋む。充血しきった乳首を弾かれ、次には強く摘み上げられた。どこもかしこも神経が過敏に逆立ち、たまらなく気持ちが良かった。  タクトは焦燥に駆られ、ジュリアンの肩を必死に押し返した。 「あ……っ、あ、あ、ジュリアン様、離して……っ! 出る、出てしまうから……っ!」  タクトが必死に突き放そうとしても、ジュリアンは涼しい顔で、なおも舌を這わせてくる。拒絶すればするほど、その拒絶自体がジュリアンの悦びを煽っている――尖った乳首を指先で弾かれた。頭が真っ白になってタクトはジュリアンの口の中に射精してしまった。ジュリアンは残滓を吸い取るように先端を強く吸う。 「……っ! やあああ……っ、あっ」  あまりの悦楽に背を仰け反らせ、タクトはジュリアンの口の中へ熱い精液をすべて吐き出した。  ジュリアンはタクトの性器から唇を離すと、濡れた口元を悠然と、名残惜しげに舐め上げる。そうして向けられた瞳は、剥き出しの情欲に濡れそぼっていた。  その貌があまりに壮絶な色香を放っているものだから、タクトはたまらず腕で顔を覆い、羞恥に震える。 「……っ、ジュリアンさま、……っもう、僕、僕……っこんなの、最後までもちません……っ!」  4回達して敷布はドロドロ。タクトには超回復があるものの、挿入前でこれは射精させすぎである。 「もっと、私に溺れて欲しいと思うのは、いけないことだったのだろうか……」 「……っ、ジュリアン様」  普段は氷を削り出した彫像のように涼やかで、近寄りがたい静謐を纏っているくせに。  タクトの前でだけは、あどけなく瞳を潤ませ、「愛が足りない」と告白する――。  そんなジュリアンの姿を目の当たりにした瞬間、タクトの中で理性が音を立てて崩れ去った。この身を焦がすような激情は、もはや抗うことなどできない必然だった。  タクトは頬を桃花色に染めて、ジュリアンの両頬を包み込み、唇を重ねる。  口腔内には、先ほどまで共有していた熱の残滓も、タクトが放ったものも既に残されてはいなかった。竜人特有の自浄効果が、名残惜しいほどの清潔さを作り出している。  唇を押し付け、息を弾ませながら、ジュリアンの舌に舌を絡めれば、ジュリアンの手が背から腰に流れる。過敏になりきった身体が反射でビクビクと跳ねた。 「僕はもうとっくに身も心もジュリアン様に溺れきってるんです!せ、責任、取ってください!」  ジュリアンは冷ややかな美しさを纏ったまま、熱を孕んだ瞳を隠さず、タクトの足を高く持ち上げた。窄みに性器の先端が押し当てられる。ジュリアンは迷いなく、ぐっとその深奥へと侵入を開始した。 「どうかお願いだ。今よりもっと、深く、私に溺れてくれ」 「……………っ!!」  すずっと、少しずつ硬いモノがタクトの奥へと侵入してくる。押し広げられる圧迫感に、息が止まる。ジュリアンのそれは、もはや性器とは呼べないほどの凶器だった。  理屈を凌駕する熱と質量に、タクトの身体は震え、驚いている。  だからこそ、ジュリアンはあそこまで執拗に最奥をほぐし、タクトを翻弄し続けていた。 「……っ、タクト。息を吸いなさい」  唇にジュリアンの指が触れる。知らず歯を食いしばってきたことに気がついて、口を開けると肺に空気が流れ込んでくる。身体から力が抜けて、ジュリアンの硬い凶器がぐぐっと埋め込まれた。 「ひ…っ、ぃ、ああ……っ!」  ジュリアンは、何かに耐えるかのような険しい貌をしながら、急くこともなく、腰を揺らしながらゆっくりと自身の剛直をタクトに飲み込ませていく。  ジュリアンの性器は熱くて、それで埋め尽くされると全身が痺れるほど良かった。 「……タクト」  掠れた吐息に呼ばれ、閉じていた瞼を開いた。汗を滲ませたジュリアンが、じっとこちらを見つめている。  弾かれたように瞬きをすると、タクトの眦から生理的な涙が零れ落ちた。 「タクト、泣かないでくれ、怖いことはしない」  ジュリアンは動きを止め、タクトの髪に指を絡めると、眦に溜まった涙を唇で優しくすくう。まるで小さな子供を宥めるような声でタクトの名前を呼び続ける。甘く痺れるような世にも美しい声。耳元で囁かれて脳髄まで蕩けきってしまいそうだった。 「あ…ち、ちが…ジュリアンさま……き」 「き?」 「気持ちが、良すぎるんです」  ジュリアンの凶器がよほど気に入ったのか、タクトの性器は固く勃ち上がり、透明な蜜をダラダラと溢しながら震えていた。  ジュリアンの瞳が濃く揺らぐ。優しくタクトの頬を撫でると、中の敏感な部分を凶器で押し上げた。 「あ…あぁ……っ、く……っぅ」 「ならばもっと、私で満たしてあげたい」 「え……?あ、あ…っ、あ……んん…っ」  小刻みに揺すられて下半身が熱くなる。  睨みつければ、ジュリアンは深く息を吐き出して、タクトの頬をひと撫で、凶器を根元まで押し込んできた。 「ひああ……っ!………ぅ」

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