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第21話 囁くような子守唄。
薬草畑の雑草を抜く作業を終えてから籠に薬草を摘み、その作業も終えたあと、教会の奥にある台所で薬草を水で軽く洗う。
そのあとようやく私の朝食の時間になりそうだ。
机の上に朝食が揃っていたが、これを作ったのだろうセドリックの姿は見えなかった。
時計を確認したら学生が学校に通う時間の八時を三十分過ぎていた。
朝のうちに再度彼と会うことが出来なかったことに、私は少しだけ残念に思っているようだ。
部屋の中心にあるグランドピアノの椅子を見ると妖精ちゃんが横になっていた。
数日ぶりに見る妖精ちゃんは、なんだかとても疲れている表情でうたた寝をしている。
ちゃんと休めるようにベッドに運んで小さな身体毛布を掛けてあげた。
すると妖精ちゃんは目を擦りながら上半身を起こして話し出した。
「アルフレッド、ごめんね。あんたが辛い思いしているのに、あたし神の使いのクセして何にも役にも立ててない。……結局セドリックを急かすことしか出来なかった」
今にも泣きそうな辛い表情を浮かべている妖精ちゃんを慰めるように、私は指で優しく頭を撫でた。
「見て見ぬ振りをすることも出来たのに、妖精ちゃんはしなかった。セドを急かしに行ってくれてありがとう。」
彼女なりに必死に行動してくれたんだと思うと、私はなんて幸せ者なんだろうと感じた。
「当たり前よ、あたし短気だし!!見て見ぬ振りなんて出来ないわ。けど……結局あたし役に立ててなくて」
自分を責める妖精ちゃんに私は微笑みながら言った。
「妖精ちゃんが優しい子でよかった」
「……アルフレッドぉ」
「こんなに思ってくれる君が傍にいてくれることが、私は何よりも嬉しいし、本当に幸せだよ」
私は妖精ちゃんを寝かしつけるように、囁くような小さな声で子守唄を歌った。
安心したのか、彼女はあどけない笑顔で眠り始めた。
それから私は遅めの朝食を摂った。
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