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第22話 韓国 Sweet Side茅洋 R
フラワーアレンジメントショーの参加は、イ・シワンの生徒として出ることになった。
衣装は与えられたものでなく、他の生徒と同じように自分で用意したものだ。
なんなら普段着だ。
テーマは自分で考える。茅洋は{大切な人へ届けたい}と日本語タイトルで発表した。
豪華絢爛な装飾ではなく、小さなかごにしたためた、感謝の贈り物のようなアレンジメントだ。
白いエーデルワイスに色とりどりのガーベラ、その中心には、真紅のバラが主役を気取っている。
自分はバラというタイプではないけれど、なんとなくここは俺を置いてみたくなったのだ。
いろんな人に支えられている茅洋をアナタに届けたいのです。——花岡さん、俺はアナタのものです。
心にある想いを込めて、作っていく。
ステージが明るくて、客先の様子がわからなかったが、スタッフの拙い日本語のタイトルを聞いて、ひときわ大きく拍手をくれる姿が見えた。
そこにいるのだとわかって、思わず手をふってしまう。
一瞬、笑いが起こった会場で、恥ずかしそうに手を振り返してくれる亮がいた。
生徒の発表が終わり、イ・シワンのフラワーアレンジメントショーが始まる。
昨日、汗だくで、ショーの準備をし、厳しい表情をしていた人物とは思えないほど、眩い笑顔で登場した。
煌びやかな衣装をまとい、観客を惹きつけるパフォーマンスは圧巻だ。
魅せる力をもっている人なのだと感じる。父の遺伝子かな……。
客席に行き、亮の隣に座る。
ぎゅっと手を握ると、首までもが赤くなった亮は、視線をステージにむけたまま、うっすらと微笑んだ。
ショーが無事に終わり、片付けをしていく。
今回創作したものは、しばらくこのホールに飾られる。
生徒は、シワンや自分たちが作ったアレンジメントの前で写真を撮ったり、シワンを交えて写真撮影会が行われた。控室で簡単な打ち上げがあると声がかかったが、茅洋は、亮を連れて会場を出ていく。
「おい、大丈夫かよ。兄さんに怒られるんじゃないか?」
ぷらぷらと歩きながら亮が心配そうな顔を向ける。
「大丈夫です……それより、なにか食べたいものありますか?」
日が暮れた街は、店やビルのネオンが輝いていて明るい。すれ違うカップルや、小さな子供がいる家族連れから出る温かな雰囲気に、白い息が溶けていった。
亮は、ポケットに手を突っ込み、教会の屋根にある十字架を見つめて、歩みを止めた。
「茅洋、お前、本当は、ここにいたいと思っているんじゃないか? シワンのようになりたいって言ってただろう? ここなら、彼に近づける、いや、シワン以上になれる……と思う……」
そう言って茅洋を見つめた亮の顔は、憂いを帯びている。
「花岡さんは、俺がここにいたら、良いと思いますか?……」
困った顔をした亮は、しばらく黙っていたが、かぶりを振り、大きなため息を吐いて小さく笑った。
「昨日シワンさんに、俺がお前に何を与えることができるか聞かれてさ、答えられなかった……。だって、なにもないから。特別な力があるからって、それはなんの役にも立ってない。そうわかっているけど、お前から、茅洋から必要だって思われたい。なんなら、俺の力のおかげだということをシワンさんや他の人に認めさせたい。そんなクズのような欲求があるんだよ……」
そう一気に話した後、しばらく沈黙が続いて、小さく——俺のそばにいて。と震えた声が聞こえた。
頼りがいがあって、いつも自信に満ち溢れている亮が、小さな子供のように見えた。普段あまり見せない弱々しい顔に胸が締め付けられて、亮を強く抱きしめる。
「俺は、花岡さんと一緒にいます」
胸元から、うんという声と、鼻のすする音が聞こえる。
腕の中の愛しい人の涙は、ダイヤモンドダストのように美しかった。こうして抱きしめておかないと亮自身が結晶となって消えてしまうのではないかと思ってしまうが、茅洋の抱擁に応えるように亮からも強く背中をひきつけられ、それは幻想だと思い至。……——花岡さんは、導いてくれている。
簡単な夕飯を済ませ、ホテルに戻った頃には、どちらかともなく、お互いが求め合うように身体を寄せ合った。
亮の腰を抱いて、髪の毛に触れ頬を撫でると、色っぽい瞳で見つめてくれる。
「なんか、いつもより恥ずかしいんだけど、ベッドがデカすぎるし……」
照れながら話す唇にキスをする。
舌を吸い、絡めて深く味わう。上顎を舌でなぞると、ぎゅっと身体を固かたくしてしがみついてくる。
口元から離れて、頬や瞼に唇を落とし、また口を塞ぐ。
額同士を付け見つめ合い、啄むようなキスを繰り返し、「好きだ、愛している」という言い合う。
何度も、何度も、繰り返してきても、お互いを必要としあっている行為に限界がない。
亮が着ていたガウンを脱がせ、丸裸にする。
胸の赤い実は、期待をもって膨れている。茅洋が、よくいじるせいで、最近はそこがだいぶ敏感になってきてしまったと文句を言われたこともあった。
その実を指で捏ねると、ねだるような甘い声でぴたりと身体を密着させてくる。
「……んっ、はんっ、あっ……」
お互いの漲っているモノを擦り付けるように腰を動かし、先走りで溢れたぬめりが、淫らな音を響かせていた。
「はっ、んっ、これ、ち、ちひ、ろっ……き、きもち……い、い……——あっ」
横になって腰を擦り付けるように動く亮の乳首をつねると、身体を捩らせ、大きな声が上がった。
「き、きもちいい? もっと強くしたほうがいい?」
「いやっ……あぁ……」
指で挟んだ乳首を強く引っ張ると、亮は、びくりと身体を仰け反らせ、密着した身体の間で蜜をこぼした。
肩で息をし、しがみついている亮の顔にキスをする。
尻をわり、窄まりに指を触れると、くちゅっと期待するような音が聞こえて、首筋にきつく吸い付いた。
急いではいけないとわかっていても、受け入れてくれる場所が愛おしくて、指を激しく動かし、もっと欲しがるように言わせたい。
「ひっ、ああ、ああ、……っ、はん、……っ」
啜りなくような声と眉間をぎゅっと寄せた顔が色っぽくて、弱い部分を執拗に擦りあげる。
「ち、ち、ひ、ろぉ……やっ、ああ、あっ、ああ……」
自分のことを呼ぶ甘い響きを聞いて「なに? うん? どうしたの? ここ?」と返しながら、指を増やしていく。
快楽に素直な身体は、きもちの良いところで、茅洋の指を締め付けて教えてくれる。
それがたまらなく可愛くて、少しあてを外したりしながら、よがる姿を見つめていると、きゅっと自分の熱い塊をぐりっと掴む手があった。
亮は、茅洋の昂りを強く握り、擦りあげる。
「うっ、は、はな、おか、さん……っ、はっ……」
「なに? どうした? ここか?……っ」
興奮した声で、同じようなことを言う亮は、挑発的な微笑みで、先端を刺激した。
気の強い性格は、イニシアチブを取りたがって、大人しく従うことをしない。そこが愛おしくて大好きなのだが、今日は、服従させたい欲求が高まって、その手を掴んで上から抑え込む。
少しびっくりした顔をした後、甘い瞳を向けて「はやく」と言われ、どこまでも、俺を追いつめる。
煽情的な亮の表情に、何かぷつっと切れてしまった。
腰を高い位置に持ち上げ、蕩けた場所を広げるように、足を開かせる。亮が「あっ」という恥じらいの声を上げたのと同じくらいにドスンと一気に奥まで突っ込んだ。
「——あっ……」
ぐりっと奥へ押し込むようにし、またギリギリまで引き抜いて、一気に押し込む。
「ひっ、あっ、あ、っんあ……」
亮の内側が喜んでいるように締め付け、びりびりと背骨にかかる悦楽が押し寄せる。
「んっ、すご、いっ……はな、おか、さん…………」
深く繋がった部分で、熱を解き放つ。
振り切れたはずなのに、鎮まらない。
亮の中に埋めたまま、腰をゆすり続けた。
「ち、ちひ、ろ……だめ、も、もう……」
はちきれそうな前に触れると、身体を仰け反らせ歓喜の声が上がる。
びくりと身体を震わせた亮を強く抱きしめる。亮の手や足が、自分の背中や腰に絡みついて愛しさが込み上げ、快楽がはじけた。
亮に体重をあずけ、吐息と鼓動を感じる。
「茅洋……」
「……花岡さん……」
「……茅洋……重い……」
慌てて、上から退いたものの、離れたくなかった。
額同士をくっつけ合い、至近距離で見つめ合い、啄むようなキスを繰り返して、クスクスと笑う。
もう一度、欲しくなったら、自然と身体が重なって、愛の時間が過ぎていった。
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