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最終話 海斗へ その2

僕は嘘は決して言ってないよ 君は僕のことを好きといってくれた初めての人 僕にとって初めての恋人 そして昨日、君としたセックスは たとえ、過去に何人の男とセックスしたとしても 僕たち二人にとって かけがえのない初めてのセックスなんだ このことはね 君には言うつもりはないよ 僕の中に君が存在しなかった時の 過去の遺物だもの でもね…… 君はぐっすり眠ってるから ほんの少しだけ 子守歌代わりに聞いて 僕はね 君と違って 小さい頃から男性が好きだった 物心ついた時からちゃんと自覚してた でもこの世界は難しい 好きな男の子がいても 告白なんてできるはずもなかった 僕は大学に入ったら いろんな人に出会って そうしたら運命の人に出会えるかもって 少なくとも同類の友達くらいなら できるかもって期待したけど そう簡単にはいかなくて でもこの世界には僕のような人たち たくさんいるのは知ってた だから 僕は僕みたいな人たちが集まる店に 行ってみることにしたんだ 自分が動かないことには 世界は動かないからね すごく緊張したよ 田舎者の僕は都会のおしゃれなお店ってだけで 縮こまって でもね ここは僕みたいな人たちの 集まりなんだって思ったら 少し気が楽になって そうしたら声をかけられて その人としばらくお話ししたんだ 楽しかった たいしたことは話してないのに その人すごく気さくで 初めて僕がここに来たっていったら 初めてのお祝いって言って ノンアルのカクテルごちそうしてくれた あの時、僕は十八歳だったけど 二十歳になったばかりで お酒あまり飲めないって 嘘言ってたんだ 甘くておいしいカクテルだった…… でもそれ飲んだ後 眠くなってきちゃって…… 僕はぼんやりした状態で 目を覚ましたんだ 薄暗い部屋にいるみたいで 最初どこにいるんだか さっぱり分からなかったよ だんだんと意識がはっきりしてきてね 僕は唖然としたよ 僕のね 目の前にあったのは 誰のものかも分からない パンパンに晴れた男のアソコだったんだ—— どうやら 意識がもうろうとした僕は その店のVIPルームってとこに連れ込まれて 数人の男たちに回されてたんだ ガラスのテーブルの上に うつ伏せに乗せられて 半開きで開いた僕の口に アソコを突っ込んで出し入れする男 僕の尻にやっぱりアソコを突っ込んで 出し入れする男 それを笑いながら見てる男たち 僕はパニックになったよ だってそうでしょ 目の前に男のアソコがあるんだから 理解が追いつかない僕は 思わず男のアソコを噛んでしまって そしたら殴られて 僕は気絶した また意識が戻ってきた時にも たいして状況は変わっていなかった 僕は後ろからはがいじめされた状態で 犯されてて 別の男が僕のアソコをしゃぶってたんだ 僕が馬鹿だったんだ こういうお店には 獲物を物色にしに来るだけ連中も いるって知ってたのに 本物の出会いなんて あるはずないって 分かってたのに 僕は怖くて怖くて 僕の体壊れるんじゃないかって 殺されるんじゃないかって でも逃げられなくて ただひたすら祈ってた 早く終わって! 早く終わって! 早く、早く! 僕の体から出ていって——! でもね しばらくすると 不思議なことが起こったんだ 本当に今でも思い出すと 虫唾が走るんだけど 僕の体の奥の方から ジワジワッと快感の波がやってきたんだ 僕は自分の体が信じられなかったよ 辱めを受けてるのに 僕はよりにもよって 喘ぎ声を出して 腰まで振りだしたんだ しまいには「イクッ! イクッ! 」って 叫ぶ始末 僕は陵辱されてるのに! 恥辱を味わっているのに! それなのに 体は嬉々として男たちの刺激を受け入れたんだ! 正直、その後のことは よく覚えていない いつの男たちはVIPルームからいなくなってて お金がテーブルに置いてあった 数えたら10万円だった 僕は10万円の価値ってことだ 僕はそのお金を握りしめて 僕は身なりを整えて 家に戻ってからシャワーを浴びた 涙はなかった そして翌日 いつも通りに大学に行った……                              

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