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第十六話 カンチョープレイ、1回目

「トオル先輩は、一度も考えてくれたこと無いですか?俺と、その………シたいとか。俺はもう、頭の中がいっぱいです。……トオル先輩、四つん這いになって」 トオルは覚悟を決めて、四つ這いになり、伸びをする猫のようなポーズをとった。両腕をベッドの上に伸ばして片耳を枕に押し付け、腰は高く持ち上げると生尻を突き出し紗生(さき)に差し出した。 恥ずかしさに可愛く震える、なめらかな白いお尻に紗生の目は釘付けになった。 キュッと締まった細い腰に紗生は手を添えて、無防備なお尻の穴に浣腸のノズルを捩じ込んだ。 プスっ 「ああっ…」 トオルの華奢な身体がビクンと反応する。 紗生は四つん這いになったトオルの身体を後からしなやかな腕で抱き抱え、指の腹でポリエチレンの薄い容器をぺしゃんこに押し潰した。 ちゅうううっ プチュっ 何かが自分の中に溜まっていく、今まで経験したことの無い感覚に、トオルは顔をクシャッと歪ませ必死に耐えた。 最後の一滴まで薬液を絞り切ると、紗生はトオルの柔らかな尻たぶを左右から押し挟んで、中の薬液が一滴も溢れ出ないよう、ぎゅっと閉じ込めた。 「よし、入りました。……このまま5分間、我慢してくださいね」 「も、漏れちゃったらどうするの?」 涙目で振返るトオルの言葉に、紗生は「さぁ、どうしましょうか」と淡々と応え、口角を片方だけ引き上げた。 「トイレっ……行かせて………!」 「まだダメです。今トイレに行っても、さっき入れた薬液がそのまま戻ってくるだけで意味がないですよ」 「お腹、キュルキュルなってきた……から!」 トオルは紗生の胸板に手を伸ばして懇願する。 「まだ1分もたってませんよ!」 「ウソでしょ!?」 トオルは紗生の襟ぐりを掴んで、キューッと爪を立てた。 「イタタタタ……… トオル先輩、もう一回最初からやり直しになっちゃいますよ?……あと3分は我慢してください」 紗生は大きな手のひらで、トオルの背中から細い腰へかけての曲線を、優しくなだめるようにさすった。 ふぅーっ…、ふぅーっ…と噛み締めたられたトオルの唇隙間から、浅くて荒い息が漏れる。 トオルは全身を震わせ、逃げ道を失った猫のように力まかせにギュウッと紗生にしがみついた。 「はぁ…はぁ……ぁ」 身体の奥で腸の壁が波打つように活発に動き出し、強烈な排泄欲が押し寄せていた。 トオルはウルウルと潤んだ瞳で、すがるように紗生を見上げた。 (バカだな……「嫌い」って一言いえば、解放してあげるのに) 紗生はたまらない興奮を覚えながら、その可憐な苦悶をじっと見守っていた。 「そろそろ、よさそうですね」 立ち上がろうとして膝から崩れ落ちそうになるトオルを、紗生が横抱きで急いでトイレへ運んで座らせた。 「戸、閉めて…っ」 かすれる声で訴えるトオルに対し、紗生は後ろ手でドアを閉めたものの、自らは個室の中に留まったままだ。 「そうじゃなくて……」 出て行って、――と強く主張したいのに、紗生を拒絶する言葉を口にしようとすると、トオルは喉の奥が詰まって、声が出せなくなる。トオルは恥ずかしさに俯向いて手で顔を覆った。 紗生は跪くように姿勢を低くすると、そんなトオルの手を取り、下からそっとすくい上げるようにして両手で包み込んだ。まるで姫の危機を救いに来た、忠実な騎士のように。 その瞬間、トオルの下腹部にキリキリとした鋭い痛みが走る。 「あっ……!」 自分の生理現象が暴かれようとしている恐怖に、トオルは絶叫した。 「音、聞かないでェっ……!」 トオルの顔が耳まで真っ赤になり、目に涙が溜まって今にも泣きそうになる。 「トオル先輩、痛みますか?」 紗生が心配そうに握っていた手に長い指を絡めて、固く力をこめる。 「そんなに、痛くはない……けどォ、………恥ずか…しっ……くて、どうにかなっちゃいそう!」 ぎゅっとつぶった目から、一筋の涙が溢れトオルの火照った頬を伝い落ちる。 目を逸らすことを許さない紗生の瞳の中に映りながら、言葉の途中で肉体が抗えぬ決壊を迎える。 トオルは紗生に手を固く握られたまま、ボトン、ボトンと重い音を立てて用を足した。 「あぁん、イヤぁ……!」 最悪の失態を紗生に見られている屈辱に、トオルの頬は幾本もの涙の筋が重なっていった。 ◇ はぁー、はぁー、と肩で息をして、用を足し終えたトオルは、紗生の手を振り払うようにして立ち上がった。 フラフラの足取りでトイレを飛び出す。 恥ずかしさと不甲斐なさで頭の中は真っ白だった。とにかく部屋のベッドへ倒れ込みたくて、廊下を必死に歩く。 その時、背後からザーーーッという水音が聞こえてきた。 (流すの、忘れてたーー!!!) スーッとトオルの顔から血の気が失われ、背中に冷や汗が噴き出した。 (ウンチ……、見られちゃった! …………もう人として、おしまいだーー!) 好きな人の前で醜態を晒し、人間としての尊厳を完全に失ってしまったという凄まじい現実に、トオルはその場にへたり込み、子供のように声をあげて泣きじゃくった。

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