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1章(9)
しかし、強い快感の余韻が抜け切らないうちに、強く腰を打ち付けられて、驚く間も無く嬌声をあげさせられる。
「あっ、ひあっ!? あ、あっ、や、ん!」
「休ませるつもりはないからな」
「やめっ、…はあっ……んっ、も、熱…あつ、ぅ、い……っ」
やめて。と口にしながらも、甘えるように瑞樹の身体にしがみ付き、腰を押し付けながらとろんと蕩けた表情で見つめている自覚はなかった。ただ、自分を見下ろす瑞樹が少しだけ息を詰まらせ、眉根を寄せた表情がよく見えた。
「良い顔をするな、お前は…っ。本当に」
自分の表情が興奮させるのか、瑞樹が耐え切れないように熱っぽい溜め息を吐き出した。
その吐息があまりにも熱くて、低い声が艶っぽくて、堪らなくなる。
そんな自分のことなどお構いなしに、瑞樹は奥まで強引に開いて押し入ろうと、腰を強く穿つのはやめてくれなかった。
「あっ、あ、ぁ、かた、い…ッ」
一度限界を迎えて達した中がひどく敏感になり、粘膜を擦る亀頭のくびれた部分まではっきりと感じてしまう。
あっ、あっ、と短く喘ぐ度に、瑞樹の性器がぱんぱんに膨らみ硬度を増していくのが分かった。その反応が、嬉しい。 この恋人は、自分の身体と反応で、興奮するのだ。
「も、…ゆっ、…くり、して……っ」
過ぎた快感がほんの少し辛くて、激しい腰の動きを止めて欲しくて弱々しく瑞樹の腰に手で触れる。しかし、その手は動きを制止するには至らない。
かえって煽られたかのように、瑞樹が巧みに腰を使って挿入を深くさせた。
「あぁあ…っ!」
「……奥まで、…いっぱいにしたくなるな」
「いっ……あ、あっ、も……ッ、やあっ!」
「あと少しだから……」
瑞樹は緊張を和らげるように太腿を撫で上げ、安心させる声で囁いた。
しかし、優しい声色を裏切るように、膝裏を掴むなり一気に奥まで突き上げてくる。開かれてはいけない場所まで犯される感覚に、喉を引きつらせる。
「ひ……っ、ぁ、あ──……ッ!」
体内を圧迫する衝撃に息が詰まってしまう。
そんな様子をよく見ているはずなのに、瑞樹は腰を止めることなくなお深くまで穿とうとしているのか、勢いをつけて押し入ってきた。
「ぅあっ、あっ、深、いぃ…っあ、あぁ…っふ、うぅん…ッ」
一度緩やかに腰を引いてギリギリまで抜いた肉棒を、再び強く押しこんで体内に埋めさせてくる。
熱く滾った性器が、圧迫しながらも粘膜の壁を巻き込むように奥まで入ってくる感覚が堪らない。
それが、もっと欲しい。
「あっあっ、あっ…だぁ、め、だめッ……やっ、ひぅっ、あ、いあッ、あぁっ!」
欲しいのに、めちゃくちゃにされる感覚に口が勝手にだめ、と言ってしまう。
「ん……。何が駄目なのか、言ってみろ」
「あっ!はあっ、んッ」
つん、と尖りを見せる乳首を指先で摘ままれ、舌で舐められて、自分の身体の内側がじわじわと溶かされていくような感覚に襲われて胸を喘がせた。
「あ……、あっ、あっ、そこ…」
「──ああ、」
「きもち、い……っ、あっ、あっ」
敏感な部分を擦り上げ、奥の壁に亀頭がぶつかって全身から力が抜けていく。粘膜が擦れる度に甘い疼きが広がる感覚に、気持ち良くなっていく。
「も、っと……」
自分が何を言っているのか、全く自覚がなかった。
腰を捩らせながら、更なる深みを目指すように中をひくつかせているのも、無意識だった。
「湊…、…っ」
上から見下ろしていた瑞樹は、何を言うこともなく身体を密着させて、その耳元に舌を這わせた。
途端にびくんっ、と大きく身体が跳ね上がる。
「ひあっ、あっ、…や!舐め、ちゃ…っ、や、いあッ」
「感じるか?中がこんなにも吸い付いてくる。ほら…分かるだろう?もっと奥まで欲しがっている」
「あっ、んあぁ……っ、は、ふ…っ、ぁあっ、だめ……!」
耳朶を舐められ、噛まれ、ぐちゅ、と音を響かせながら耳の中に舌がねじ込まれる。
興奮しきった瑞樹の吐息が耳に降りかかり、低く呻く声が直接注がれて、それだけで感じてしまう。
「中だけでイけるな……っ?」
「い、やあっ、あぁ…ッ、おねが、もう、んっ、んあッ、は…!」
「湊」
この声は、だめだ。よくない。どこまでも自分の興奮を高めてくる。
「できると、言え……っ」
「あっあっ、あ、みず…き……っ」
もう限界だった。弱いところを散々苛められて、全身が敏感になっていく。
「──イく、いくっ、いく、も……ッ」
好きな男に好きなようにされて、気持ち良くならないはずがなかった。
強く、中を穿たれて衝撃と快感に背中が浮き上がった。
「ひ、ぃあ…っ、あっ、ん、ぁ…、ああぁあ──……ッ!」
太い肉棒を根元まで締め付け、身体を震わせながら無我夢中で瑞樹にしがみついて達した。
強すぎる快感に目の前がチカチカと点滅して、熱で満たされた頭の中がぼんやりとしてくる。
「食い千切られそうだ…っ」
「ぁ、は……っ! おく、奥ぅ…っ、いっぱい、な……あっ、う…!」
焦点が合わなかった。
濡れた瞳の中で瑞樹の輪郭が微かに滲んで、必死に息を吸って吐こうと繰り返す。
「お前のその顔は…、堪らなく、興奮するな……ッ」
「あっ、も、もう……っ、もう、む、りぃ……っ!」
じんじんとした痺れた感覚が結合部から響いてくるのに、身を震わせ涙を散らしながら必死に訴える。
ままならない欲望の大きさに腰を捩らせ逃れようと身動ぎをする。
「あっ、おっきくな、ぁ、は……ッ」
大きくて、太い。それほど自分に興奮しているのだと思うと、淫らな気分に引きずり込まれていく。
ぐぷっ、と音を立てながら自分の体の奥まで、猛った雄を銜え込んでいった。
「いやらしいな…。は……っ、く、こんなに深くまで…呑み込んで」
「あ、ひっ…、あっ、あっ、あぁ……っ!」
中を満たされることを望んで、切なげに吸い付く粘膜の壁は、熱く猛った肉棒に纏わりついて離したがらなかった。
これまで幾度となく繰り返されてきた、その先の快楽を知っているのだ。
限界に達した肉欲の象徴が、体内の奥で射精する瞬間の絶頂を、散々に教え込まされてきた身体は覚えていてずっと期待しているのだ。
「あ、あぁ…っ、は、ん……みず、き……っ」
欲情しきった目で瑞樹を見つめれば、彼もまた、抑えきれない欲望に興奮しきっていることが分かった。
その表情だけで、身体の奥から自分ではどうにもできない疼きがせり上がってくる。
自分に欲情してくれているのだと思うと、それすらも快感に繋がっていく。
「お前は、俺を興奮させるのがうまいな…」
「あ、あ、みずき…ッ! ふ、んん……っ」
唇を重ね合わせる。
唾液でぐちゅぐちゅになった口内を弄り、淫らな音を立てながらも強く、深くまで腰を打ち付けるのはやめてくれなかった。
奥深くまで蹂躙し支配するように、瑞樹は腰を大きく揺すりながら小さな唇を奪い去った。
「ふ、ぅんっ、んん…っ、ぁッ」
混ざり合った唾液を飲み込む。
それでも、唇が離れた時に溢れ出た、どちらのものか分からない唾液が口の端から伝い落ちていった。
「ん……っ」
穿たれ身体を揺さぶられながらも、唇の端に舌を這わせて自分の肌を伝っていく唾液を舐め取った。
その淫らな仕草を見ていた瑞樹が、興奮しきったように熱い吐息を漏らしながら低く囁く。
「イかされそうだ、……っ、お前に」
「あっ、あっ、ん……?イ、く……っ?」
「ああ……。お前の、中で」
ああ、やっと。
自分の身体の奥深いところまで、この男のものにされることをずっと望んでいた。熱い体液に濡らされることを。途端に、瑞樹の首に絡み付いていた自分の腕が、彼を引き寄せようと力が入ったことに気づいた。
「やあ…っ、あっ、ぁ、は、……あ、はぁ……ッ」
瑞樹が激しく性器を出し入れさせる。
その動きは、湊の快楽を追うことよりも自らの欲望を発露させることのみを考えているような激しさで、求められている感覚に全身が歓喜した。
「ひあぁッ、あっ、あ…だめ、え…っ!」
柔らかく開かれていった中の、奥の方まで亀頭が押し入っては粘膜の壁に食い込んでくる。
根元まで湊の体内に収めさせる抽送に唇を戦慄かせながらも、じゅぶじゅぶと音を響かせ自らを犯す肉棒に吸い付いた。
「いっ…、イ、く……っ、あっ、また、イっちゃ…!」
何年もかけて教え込まされた身体が、快感の果てを求めて内側で熱を暴れさせている。
好きな男に、指で、舌で、言葉で愛撫され、その勃起で体内を蹂躙され、どろどろに蕩けさせられた身体が最果てを欲しがっている。
瑞樹の首から滑り落ちた片方の指先がシーツを掻きむしり、無防備に白い喉を晒すように仰け反った。
「あっ、あっ、イくっ、いく、からぁ……っ!も、…あぁあッ!」
瑞樹が、腰を掴んでいた手を移動させ湊の背中に回す。
より密着した体温に、湊が身体を震わせながら喘いだ。
軽く達した感覚があるものの、恐らくまだ…これよりも、恐ろしいほどに強い快楽の波を知っている。
「いい、ぞ…っ。は……っ、俺、も…もう、」
「ひんっ!ふ、あっ、あぁ…っ、ンく……ッ!」
身体を強く抱き込まれる。
瑞樹の濡れた吐息と声に落とされる。
「あっ、いや、ぁ、あ、あああ──……っ!」
肉棒を締め付けるようにきつくさせながら、背中を弓なりにしならせ瑞樹の背中に縋り付いた。それに応えるように、瑞樹も腕の拘束を強くして湊の体をきつく抱きしめてくる。
内側を犯す瑞樹の雄がより一層熱く膨らみ、今にも熱が弾けそうにまで張り詰めているのを感じて、中がどろどろと溶けていく。早くその熱い体液をちょうだいと言っているように。
「はっ──、あ、ぁ……っ!」
視界が真っ白に塗りつぶされるほど激しい快楽の中で、深いところまで熱が押し寄せてくるのを感じる。
「……っ、」
瑞樹がより一層湊の身体を強く抱き寄せ、自らの腕で押さえつけるようにしてくる。奥深くに自らの性器の先端を打ち付け、そのまま身を震わせ射精した。どくどくと脈打った性器から熱い飛沫が出てくる。
「はあっ、ん……あっ、だめ、ぇ…だめ、い、…また、いっちゃ…あっ、あっ!」
「みなと……ッ」
「はあっ、いく……ッ、…んあ、あっ…い、く…奥ぅ…」
一度絶頂を極めたというのに、自らの体内で射精されあっけなく連続して達してしまった。
頭の中が熱で支配され、意識が全てぼんやりと薄らいでいってしまうほどの強く甘やかな快感の波が押し寄せてきて、震える唇の間からは思い切り欲に染まりきった喘ぎ声が途切れることなく漏れ出てきた。
「はあ……っ、あつい、の……きもち、い…」
熱くてどろっとした精液が中を満たす感覚に全身が震える。
熱に浮かされた表情で蕩けさせた姿を無防備に晒す湊の身体をより強く抱きしめて、瑞樹が緩やかに腰を穿った。
「背中まで震えさせて…」
「うご、たら…っ、あっ、ぁん……ッ」
感覚が鋭くなりすぎていて、少しでも体内に埋めたままの性器を動かされると全身に快感が迸っていく。びくびくと身体を震わせながら、必死にまだ動かないでと懇願する。
しかし、瑞樹はこちらの言い分には少しも耳を傾けてはくれなかった。
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