18 / 20

幕間□???

 何が間違っていたのか、なんて自問はナンセンスだ。そんなもの、と言う他ない。  まあ、私の行動については『そこそこ頑張っているのでは?』と評価したいところだ。  そう思わなければ、やっていられない。  いくら精神安定コントロール機器をめいっぱい詰んでいたとしても、いい加減面倒くさくて自生停止も視野にいれちゃうぞコノヤロウ、という感じなのだから。  いや、しかし、うーん……彼女はほんとうに、ほんとうによくやったよ、と思う。  彼女の選択は大体間違えていたし、最終的な判断も大間違いだと私は評価している。しかし、頑張りだけを見れば特大の花丸をおくりつけてスタンディングオベーションをかましたい。  彼女はよくやった。とても頑張った。だが些か自分本位すぎたし、他者というものを信じすぎた。  彼女は精一杯頑張り、そして大いに間違った。  この土地に生息する準生命体らは、彼女が思うよりも馬鹿だ。こういう発言は倫理会にバレると非常に危ないので思考するべきではないのだが、それでも私は臆せずに言いたい。  は馬鹿なのだ。  彼女が思うより、もっともっとずっと――たぶん、ありとあらゆる間違いの源である、私達と同等に。  とにかくそんな感じなので、正直もう些事を投げて全部終わらせてもいいんじゃないかなぁ、と思ってきたところだった。  絶望が日々募っていくだけの観測に、そして嘘ばかりでもうどれが本当なのかわからなくなってきた報告に――私は心底うんざりとしていた。  だが、うん、何事にも例外は存在する!  昔風に言えば、私はSSRを引いたのだ。  そう、やっと、今更、しかしようやく! 多少は馬鹿ではなさそうな一団に巡り合えたのだから! 「やぁ! やっと話が通じそうな奴がきたぞ!」  思わず歓喜の声を上げて大歓迎してしまった。  両手を広げるジェスチャーをしたというのに、彼らは緊張を解くことはなく微塵も動かない。大変結構な臨戦態勢だが、私もしかして言語設定間違えた? と不安になってしまう。  いや見た目か? 見た目のせいかもしれない。そういえば、作業用スーツを着たままだった。  五秒迷って決断する。私はこのチャンスを逃すわけにはいかない。  シュー……という音が響き、与圧されていたスーツから気体が漏れる。別に死にはしないのだが、快適とは言い難いのであまり、顔を出したくないのだけれど仕方ない。気圧の差にぐらつきながら、私は渾身の笑顔で久方ぶりの外に出た。 「怪しいのは重々承知だが、色々と時間がない! とりあえず私の話を聞いてくれ、私は一刻も早く、きみたちの手を借りたいんだ!」  探索隊よろしく私の陣地に分け入ってきた彼ら四人は、ひどく困惑し、そして混乱していた。  うん、その反応は間違いではない。  彼らは何一つ間違っていない。  間違っているのやはり、どちらかと言えば私の存在の方なのだから。

ともだちにシェアしよう!