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あはは、と上機嫌で言う同僚の話を肴に大林は味わうように呑む。
こないだ一緒に呑んだ時、確かに口数が少なく、表情がほぼないに等しい人だなと思っていたが、ただ人と話すのが苦手なだけだろう。大林も彼に書類を渡した時、丁寧に受け取ってくれたし、大林は遅れて出したことがなかったが、それもあってか、ある日いつものように渡しに行くと、「いつも早くに出してくださり、助かります」とぼそっと言われたことがあった。
呑んだ時の何気ない相談もきちんと聞いてくれ、その上アドバイスをくれた。
そういえば狼狽えた彼の姿があった気がするが、あの日はついつい呑んでしまい、店を出た後の記憶がほぼない。夢の出来事だったのか。
また日が合えば細貝さんのこと呑みに誘おうかな。
今回のお礼を兼ねて、今度は調子に乗って呑みすぎないように。
出張から帰ってきた時、吉田さんがバタバタと忙しそうに自身の机の物をカバンに入れている最中だった。
「あれ、吉田さん。どうされたんですか?」
「今日お得意先との打ち合わせがあるんですが、1時間早く来て欲しいって急に言ってきて! 今日総務に出す書類があるっていうのに⋯⋯!」
「なら、僕が代わりに出しておきましょうか?」
細貝と会うきっかけになるし。
すると、鬼の形相だった吉田が驚きと期待に満ちたかのように瞳を輝かせた。
「本当ですか! じゃあこの書類を渡してきてくれませんか!」
ぱぁっと晴れやかな表情を見せた吉田は、ファイルに入った書類を差し出し、「分かりました」と受け取った。
「お願いしますね! では、行ってきます!」
大慌てで去っていく彼女を大林を含め同僚らは「行ってらっしゃい」と見送った。
「じゃあ僕は総務に行ってきますね」
行ってらっしゃいの言葉を背に受け、総務課へと向かった。
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