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わからせてアゲル
アタシの最愛の恋人は自分に自信がないといつも言う。
どっからどうみたって完璧なのに、どうしてなのかしら。
これはもう、わからせるしかないみたいね……。
とある週末の昼下がり、突然紫呉に呼び出された。ランチでもどうかと誘われたが本題は別にあったらしい。
「俺がパーティに?」
「そうなのよ、アタシの同伴でっていうかちょっとした表彰式なんだけどね、どうかしら」
「でも俺、紫呉さんが行くようなパーティに着てく服なんて……それに、俺なんかがそんな大層なパーティに参加させていただくなど烏滸がましいにも程があります」
スーツは何着かあるがどれも仕事用の地味なものばかりだ。表彰があるというのならそれなりの服装でなければ恥をかくのは考えなくともわかる。
「それは大丈夫。ユキちゃんアタシの仕事何か知ってるわよね?」
「え、えぇ。デザイナー……」
「正解!既にユキちゃんにピッタリなスーツ、仕立てちゃったの♡だからそれを着て一緒にパーティ行きましょ、アタシもめいいっぱいのオシャレしてくから」
「わかりました」
紫呉の押しに根負けし、了承したのはいいのだが結季はどこか憂鬱そうに俯いた。
* * * *
気分が乗らないままパーティ当日を迎え、結季はため息をこぼす。
招待状を受付に出すと何故か誰も居ない控え室へと通された。
「しばらくここでお待ちください」
連れてきてくれた一礼し、出ていってしまった。
しばらくとはどのくらいだろうか……不安なまま落ち着かず部屋の中を歩き回ったり、鏡で自分の姿を何度も確認する。
髪型と服装がどうにも合わないような気がして何度か髪の毛をいじっていると、コンコンコンとノックが響く。
「はい」
「ちゃんと着てくれたのね」
「紫呉さん……」
知っている顔に思わず安堵のため息をもらした。
「やーん、やっぱりその形にして大正解だったわね。とってもよく似合ってるわ。ユキちゃんの細い腰にピッタリなデザインにしたのよ〜」
自分の作った服をとても嬉しそうに自画自賛する紫呉はその姿を何枚か写真に収める。
「紫呉さんも……ドレス素敵ですね」
「でしょ〜♡この色の生地なかなか見つからなくて苦労したのよ」
紫呉はエメラルドグリーンの細身シルエットのロングドレスを完璧に着こなしていた。
「ユキちゃんと歩くから張り切って選んだのよ?あ、ねぇ、ユキちゃん、髪型は少し変えましょ。今のままでも十分に素敵だけど、もっと素敵にしてあげる。アタシにやらせてくれるかしら?」
「……はい、お願いします」
褒めてはくれているが、どうにも自分的にはしっくり来ていなかったのでそれは有難いと申し出を受け入れる。
テキパキとワックスとミニアイロンを使いものの5分足らずでスーツに似合う髪型へとヘアアレンジを済ませる。それは結季からしたらまるで魔法のようだった。
「よーし、完璧ね。あ、ユキちゃんごめんなさいね、アタシ先に挨拶回りしなきゃなのよ。だからもう少しここで待っててくれるかしら」
「わかりました……」
「ふふ、ありがと。じゃぁ、ちょっと行ってくるわね♡」
紫呉は結季を抱き寄せおでこに軽くキスをして部屋を後にする。
「行ってらっしゃい……」
振った手をそのままキスを落とされた所に触れる。
おでこがなんだか少し熱を持った気がした。
* * * *
あれからどんなに待っで紫呉は現れなかった。
代わりにスタッフが来てもうじき呼ばれるから準備をと呼びに来た。
呼ばれる?準備?結季はよく分からず混乱したままにスタッフの後を着いていく。
そして……
紫呉の姿を見つけられないまま表彰の時間が来てしまった。逃げる訳にも行かず、名前を呼ばれ慌てて扉を開け中へ飛び込む。
視線は一斉に扉の中央に立つ結季へと向けられ、ざわめきたつ。
「誰だ……」
「あんな人うちの会社にいたか?」
「誰だろ……」
「名前呼ばれてたよな……聞き覚えない感じだったけど」
そんな言葉たちを聞いてやはり自分は場違いなのだと足がすくんだ。
知らなくて当たり前、だって結季は一介のサラリーマンだ。そもそもこんな豪勢なパーティに呼ばれること自体間違いなのだ。結季はいたたまれなく下を向いてしまった。
「あれ?てかあれってデザイナーの……」
「え、でもあの格好……」
結季に向けられた視線が別のところに移されたのを感じた。
「大丈夫だから、胸を張って。堂々ど歩きなさい」
後ろから聞きなれた優しい声。振り向くとそこには予定とは違うスーツ姿の紫呉が立っていた。
「紫呉さん……」
紫呉は結季と対になるデザインのスーツを身にまとっていた。さっきまではエメラルドグリーンのロングドレスだったのに、一体いつの間に……それにしても恐ろしい程に似合いすぎている。どこぞの王子様よろしく、綺麗な所作で一礼している。
女装をしていない紫呉に会場全体がざわつく。
そのざわめきの中で紫呉はそっと結季の耳元で囁く。
「貴方は日本一、いえ、世界一アタシの隣が似合う男なのよ。だから大丈夫、自信をもって」
その言葉に背中を押された気がした。胸を張り顔を上げ、1歩を踏み出す。
「……はいっ」
ゆっくりだが着実な歩みで壇上へと上がる。
何の表彰で何故か呼ばれたのかは未だに理解は出来ていない。
「改めてご紹介致します。今季のSのメインモデルを務める事になった立花結季さんです!」
「も、モデル!?」
なんの事だと結季は思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。
Sとは紫呉が手がけるブランドの名前だ。
「え、あの……紫呉さん?」
一緒に壇上へ上がった紫呉に助けを求める。
「皆様、今年もモデル発表会へお越しいただき誠にありがとうございます。先程紹介にありました立花結季さんは普段は一般の会社勤めをされている方です。以前雑誌の取材でお世話になったことがきっかけで仲良くなり、彼の素晴らしいプロポーションにインスピレーションされ沢山のデザインが産まれました。彼には今年1年、Sのメインモデルとして活動して頂きます」
普段の喋り方からは想像できない程、しっかりした喋りでつい聞き入ってしまう結季。
「彼にも仕事がある為、頻度としてはさほど多くはありません。それに、一般の方だと言うことを念頭に置き、インタビューや他メディアへの露出は致しません。Sの関連であれば私に話を通していただければと思いますので、よろしくお願いします」
* * * *
なんとか滞りなく挨拶を終えると質問攻めになる前に紫呉は結季の手を引き壇上を降りた。
先程結季がいた控え室に2人で戻ると結季はすぐさま紫呉に尋ねる。
「紫呉さん!モデルって……」
「驚いた?」
「驚いたどころじゃないですよ!一体どういうことですか」
「まぁまぁ落ち着いて。ユキちゃんの事世界中に自慢したくなったの。こーんなに綺麗で素敵な子なんですもの、当たり前よね」
普段は目立ちたくなくて前髪をおろし影のように生活している結季からすると断りたい。
だがそうする事で紫呉に迷惑をかけることになることは確実だ。
「大丈夫。ユキちゃんのことはトップシークレットにしとくから。もちろんアタシの恋人ってこともね」
「……それは当たり前です」
「本当はあの場でキスしたかったけど、我慢したのよ」
普段しない髪型に服装でほんの少し薄づきのリップを塗った結季はとても魅力的だった。
「当たり前です!というか、本当になんで俺……もっと素敵な人は沢山いるはずです」
「何言ってるのよ、アタシにとって最高で最強なのはユキちゃんなの!それに、ユキちゃんってば自信なさすぎなのよ。こーんなに素敵なのにいつも殻に閉じこもってるんですもの。これくらいしなきゃ、わからないでしょ?」
「俺は別に……紫呉さんだけが分かってくれてたら……それで……」
最後の方は声が小さくゴニョニョと言った感じになってしまった。
「アタシもね、きっとヤキモチ沢山妬いちゃうと思うのよね。ユキちゃんがみんなに知られちゃうんですもの。でもね、それでも貴方がとても魅力的な子だってみんなに知ってもらいたいの」
1年という期限付きでアタシのモデルになってちょうだいと紫呉は言ったら。
「紫呉さんのためなら……」
結季は小さくつぶやく。
「ありがとうユキちゃん」
紫呉は結季を抱きしめた。
「……あの、紫呉さん」
「なぁに?」
「その……なんか硬いのが当たってるような……」
「あらやだ、アタシったら〜り2人きりになった途端ごめんなさいね。あまりにユキちゃんが素敵すぎて勃っちゃったみたい」
サラリとそんなことを言ってのける紫呉は結季のキュッと引き締まったおしりを揉みしだいた。
「やめ、こんなところで……」
「大丈夫よ、みんなパーティに夢中だろうから。ねぇ、ちょっとだけ気持ちのいいことしましょ♡」
口調こそいつもの紫呉だがその瞳はすでに欲望を孕んだ男のものとなっていた。
「……鍵、しめてください。それと、あんまり激しいのは……」
「わかったわ」
紫呉は控え室の扉の鍵をしめ、ゆっくりと結季の方へと歩みを寄せる。
そっと結季の頬に触れ、指で唇をなぞると結季が赤い舌をのぞかせ、指を舐め上げる。それが合図となり、2人は深く口付け互いの舌を絡めあった。
「んふっ、ンン……」
「んッ……っはぁ、ん」
キスを交わしたまま結季の服が乱されていく。せっかくのオーダーメイドスーツがシワになってしまうのも厭わず、乱雑にそして性急に脱がせ白くきめ細やかな肌に触れていく。
「ぁ、んん……」
「もう乳首たってる……」
「んゃ、言わないでくださ……あっ、んんッ……」
指の先で胸の突起を擦られ甘い声が漏れ出る。
「なんて可愛いのかしら……今からたっぷり可愛がってあげるわね……」
紫呉は愛おしそうに胸の突起を見つめたあと、ゆっくりと味わうように片方の突起を口に含んだ。最初は優しく舐め上げてから吸い上げ、甘く噛む。もう片方は指で摘んで引っ張ってみたり、爪の先でひっかいてみたりと不規則に動かす。
「ひゃぅ……んっ、きもちい……っ」
「ふふ、ユキちゃん乳首大好きだものね、ほんとに可愛い……食べちゃいたい……」
はむっと乳輪に合わせ甘く噛むと結季の腰がビクリと跳ねた。
「もっと気持ちよくなって……ほら、こっちも触ってあげる……」
スラックスの方へと手を滑らせて膨らんだ所を布越しに揉みしだく。優しく、いやらしい手つきに結季も合わせて腰を揺らしてしまう。
「や……んっ、直接触ってくださ……」
「あら、おねだりしてくれるの?」
「はぁ、ん……っ、おねが……」
腰をくねらせ自分から紫呉の手にそれを押し付ける。はしたない行動だと分かっていても快感に抗うことなどできず本能のままに身体が反応してしまう。
「ユキちゃん……可愛すぎ……っ」
紫呉はスラックスのボタンを外しチャックを下ろし、下着の中へ手を差し込む。
「もう熱くなってる……」
「や、脱ぎたいっ……脱がせて……」
結季はすでに少しだけ先走りで下着を濡らしていた。下着の中で上下にソレを擦りあげると、簡単に硬度を増した。
続けて擦ると先走りが溢れ、下着越しでも分かるくらいにくちゅくちゅと音を立てている。
「ねぇ、ユキちゃん……そこに手をついて、おしり突き出して、こっちもかわいがってあげる……」
結季は言われるがままに向きを変え目の前の台に両手をつき、前かがみになるとすぐさま下着ごとズボンを下ろされる。
軽くしりを揉みしだいてからしりを両手で割開くときゅっきゅっと孔が収縮する。
「可愛い反応してくれるわね……」
ひくひくと反応する孔目掛け唾液を垂らし、すぐさま舌でそれを塗り広める。
「やぁっ、そんなっとこ、舐めちゃ……」
「濡らさないとでしょ。ユキちゃんは気持ちよくなることだけ考えてて……それに、ユキちゃん好きでしょ、おしり舐められるの……」
「う、んん……す、き……恥ずかしくて……きもちい……」
「素直な子は大好きよ♡もっとしてあげる……」
紫呉は舌先でシワを伸ばすように丁寧になめあげる。少しだけほころんだ孔を舌先で確認するとそのまま尖らせた舌先を押し込む。
「ひっ、んん……はっあんっ、ンン」
結季は思わずしりを揺らし、大きく喘いだ。孔を舐めながら睾丸を、揉みしだく。舌の動きに合わせ先走りがピュッと溢れ出した。
孔がだいぶ蕩けた頃合で今度は指でゆっくりと慣らし始める。まずは1本……すぐに、それは2本に増え容赦なく結季の中を掻き回す。
「んんっ、はぁっ、ひぐっ……んぅっ……ぁん……うっ」
「……そろそろ欲しくなった?」
「ん、……ほし……紫呉さんの……いれて……」
涙をうかべた顔を紫呉の方へ向けながらしりを左右にふりねだる。
「そうね、アタシもそろそろキツイから挿れたげる……」
紫呉は体勢を整えてからその先端を蕩けきった孔へと押し当て何度か擦ってからゆっくりと挿入していく。
「あぁ……はぁ……はっ、んん……」
「ユキちゃんのナカ……すごく熱くなってる……っ気持ちいいわ……」
「はっ、はぁ……しぐれさ、んのも……すごくあつっ、ぃんっ」
互いの熱を直に感じるともうそこから求め合うばかりだった。
「ほらっ、見て。ユキちゃんすっごいトロトロで可愛い顔してる」
「や、やだぁ……」
ヨダレと涙で濡れたはしたない顔をみせられ恥ずかしくて目を伏せたくなったが、それよりも鏡越しに映る紫呉の顔から目が離せなくなった。涙で滲んでぼんやりではあるが、紫呉のその顔は雄そのものだった。
「ユキちゃんのナカが気持ちよすぎっ……」
「う、んん……ひゃぁっ、うれしっ……紫呉さんが、俺で気持ちよくなってくれるの……ぁんん、またおっきくなった……」
「ユキちゃんが可愛すぎるから、いけないのよっ」
「しらな……ぁッ、しぐれさっ、も……ぐちゅぐちゅだめっ……」
鏡越しの紫呉の姿に結季は興奮を隠せずあられもなく喘ぐしかできなくなっていた。口から出る言葉はいかにもな言葉ばかり……。
「し、ぐれさんのかおっ……エッチすぎっ、んぁっ……はぁっ、だめ……そこ、いい、きもちいっ……」
ずちゅずちゅという音と喘ぎ声が室内に響く。
「ユキちゃん蕩けた顔しちゃって……興奮してるんでしょ……っ、ン……」
「やっ、ちが……」
「違うの?」
「ちがわなっ、あっ……す、すき……しぐれさ……はぁ、んんっ、アッ……綺麗な貴方も、カッコイイ貴方も、やらし、い貴方も……全部……全部すきっ……」
「嬉しいこと言ってくれるね、でもそんなこと言われたら……俺、止まらないよっ?」
紫呉の雄スイッチが完璧に入ったようで、表情だけでなく言葉使いも変わった。本気モードの紫呉は本当にかっこよくて、セクシーで、結季はそれだけで更に感じて腰が勝手に揺れてしまう。
「んや、ソコ……ダメ……やぁ、ん……しぐれさ……あっ、ァ」
紫呉が動くのに合わせ結季のペニスも揺れ動く。
「こーら、腰にがさない」
快感を逃がそうとよじる腰を紫呉はぐっと掴んで引き寄せた。
「だって……こんな、おっきいので……ん、ぁっ、奥したらぁッ……」
「イッちゃいそう?」
「ん、ンンっ、はぁっ、あんっ……」
後ろから深くえぐられ結季はもう喘ぐことしかできなかった。
「イ、イク……もう、おれ……でちゃ……」
「俺もっ……結季……っ」
「ふぁっ……んっ、な、ナカに……ナカにっ、ちょうだ……っ」
「出すよッ、結季……っ、結季っ!!」
「んんっーー!!」
ほぼ同時に2人は果て、その場に座り込んだ。
* * * *
「……せっかくの服が」
「ぐちゃぐちゃになっちゃったわね」
「帰り……どうしましょうか……」
「大丈夫よ、こんなこともあるかと思って、幾つか準備があるの」
「貴方って人は……」
用意周到で抜け目がないですね、と結季は呆れたように言った。
「あ、うそうそ。違うの!本当は色んな服を着たユキちゃんが見たくて準備してたの!」
「……はぁ」
信用出来ないといった目で紫呉を睨む結季。
「だって!ユキちゃんこんなに可愛くて素敵なのにいつも自分なんかって言うじゃない!だから自信もって欲しくてモデルのことも決めたのよ。私情は、ないとは言いきれないけど……でもユキちゃんは本当に素敵なんだから!」
「あ、ありがとう……ございます……でも、俺に出来ますかね、モデル」
「大丈夫よ!アタシのお墨付きだもの!」
こんな手放しに褒められどこかむず痒さを覚える結季。少しだけ顔を赤らめ恥ずかしそうに笑った。
この後、モデルの経験が少しだけ結季の自身に繋がったのは言うまでもない。
終
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