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もしかして

最近やたら忙しい紫呉の帰宅時間は毎夜、夜中を過ぎていた。 「今日も遅くなっちゃったわね……でも帰れるだけまだマシよね」 紫呉はそう呟きながら玄関の鍵を回す。 さすがにこの時間だ、シーンと静まり返っている。ゆっくりと音をたてぬようドアを閉め施錠すると紫呉はすぐさま寝室へと向かった。 「ユキちゃんただいま~」 小さな声でベッドの方向けて一応声をかける。 「……」 やはり返事はなく、寝ていると思い紫呉は寝室を後にしようと背を向けた時、微かな声で名前が呼ばれる。 「紫呉さん……おかえりなさい」 「あら、ごめんなさい起こしちゃったかしら?」 「いえ、起きてました……」 「あら、待っててくれたの?」 「いや、そういう訳でもなくて……」 のそりと起き上がった結季は何故か布団を体にまきつけている。風邪でも引いたのかと心配する紫呉に結季は小さく首を横に振った。 「あら、ならどうして……?」 「……なんとなく、寝付けなかっただけです」 ポソッとそう答えるが、結季が何かを隠している事に紫呉はすぐに気がついた。 「あら、そうなの?……ねぇユキちゃんそのお布団の中、何か隠してるんでしょ?」 「え……どうして……」 なぜ分かるのかと結季は驚いた顔をしている。 「何故って……だってユキちゃんの顔なんとなく赤いもの」 「……お風呂出たばかりなので」 「あら、そうなの?てっきり……」 「てっきり……?ちがっ!」 言葉の意味を瞬時に理解した結季は更に顔を赤くする。 「隠さなくてもいいのよ、アタシもユキちゃんに触れられなくて寂しかったんだもの」 「だから、そうじゃなくて……!」 仕事が忙しいせいで結季に寂しい思いをさせてしまっていたのかと、紫呉は思ったのだ。 「なら、ちゃんと見せてちょうだい?何か秘密にされてるのはもっと寂しいわ」 しょんぼりした顔を結季に向ける。 すると結季はゆっくりと布団から出て紫呉の前に立つ。 「あら、なかなか刺激的な格好ね」 結季はシャツこそ羽織ってはいたが、ボタンは真ん中のひとつを止めているだけで、裾からは薄紫色の下着が少しだけ見えていた。 「その下着、アタシがユキちゃんの為に作ったやつよね?」 じっと結季の体を見つめる。 結季がみにつけているその下着は男性用ではあるものの、少しだけセクシー要素が強いものだった。 「……はい」 見られていることが恥ずかしい結季はシャツの併せをキュッと掴んだ。 「明日久しぶりの休みだって……今朝言ってたから……」 これはもう準備をしてくれていたという事だろう。 「もしかして、誘ってくれてるのかしら?」 「……そうじゃなきゃ、こんな格好しませんっ」 結季はきゅっと裾を引っ張る。 「そんな顔して……逆効果よ」 「……なら、早く触れてください」 「分かったわ。……でもユキちゃんに触れるの久しぶりだし、アタシも相当我慢してたから……覚悟してね?」 「え?」 「寝かせてあげられないかもってこと」 急に低い声で耳元で囁かれ、結季の鼓動は一気に高鳴った。 終

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