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ヤキモチ

家に帰ると珍しく電気が付いていなかった。 「ユキちゃんただいま〜遅くなっちゃってごめんなさいね」 靴を脱ぎながらリビングに向けて声をかけるも返事は帰ってこなかった。 「ユキちゃんもまだ帰ってないのかしら……」 リビングの扉を開けてみたものの何処にも結季の姿は見当たらなかった。次にお風呂場を見てみたがそこもシーンと静まり返っていた。 着替えのため、寝室へ行くと真っ暗な部屋の中、結季が布団に包まっていた。 「あら、ここにいたのね。ユキちゃんただいま〜」 「……」 結季からの返事がない。なんとなく雰囲気がピリッとしたのを感じた。 「ねぇユキちゃん、もしかしてご機嫌ななめかしら?」 「べつに……普通です」 「普通って、こんな顔してるのに?」 紫呉が覗き込むように顔を寄せると、結季はわずかに視線を逸らした。 「ユーキちゃん」 「……」 結季はブスっとして何も言葉を発しない。 ーーー数時間前、結季は紫呉のオフィスに居た。頼まれていた物を届けに行ったのだ。 偶然だったが、結季の事を知らない新人らしい女子たちが紫呉に群がっているところを見てしまった。普段ならそんなことがあっでさても特に何も思わないのだが聞こえてきた言葉が結季の胸を痛める事になった。 「社長今日も美人すぎ」 「あら、ありがと〜♡アナタ達も可愛いわよ」 紫呉が女子社員の些細な変化に気が付き褒めることは日常茶飯事。だがそのあとだった。 「社長って、恋人居るんですか?」 「えーそんなの決まってるじゃない、こんな素敵な人に恋人いないはずないってー!」 「あ、確かにそうですよね。そういえば先輩に聞きました、モデルみたいにスタイル抜群ですっごく綺麗な彼女さんがいるとかって」 「あーそうそう、この前デートしてるのみた!」 女子達が勝手に盛り上がっりはじめていた。 「モテますもんね、こんな優しくて素敵なんだもん」 「歴代の恋人もみーんな素敵な人だったとか〜」 さすが女子だ。話がかなり膨らんでいる。 「んも〜恥ずかしいからそんな話はやめなさいよ」 紫呉は話を中断させようとしたが、一度火がつくと中々止まらない女子社員達。 そんな話を結季は立ち聞きしてしまったのだった。 ーーーそして、帰ってくるやいなや、布団にくるまり良くない考えがグルグルしてしまい、今に至る。 何を言っても返事がないことに対し、紫呉も無理になにか聞き出そうとすることはしなかった。 しばらくして、紫呉がふと思いついたように目を細める。 「ねぇ、……もしかして、昔付き合ってた人の話?」 結季が来ていたことをあとから知った紫呉はなんとなく察したのだ。 「……」 「えっ、もしかしてヤキモチ?」 「……違います」 「ふふっ♡」 「笑わないでください……」 「だってぇ。ユキちゃんがあたしの昔の恋人に妬いてくれてるかもーなんて思ったら」 「……だって」 「だって?」 「……その人は、僕が知らない紫呉さんを知ってるから……」 一瞬、紫呉の表情からからかうような笑みが消えた。 「……そっか」 静かにそう呟いて、紫呉はユキを抱き寄せる。 「でもね、ユキちゃん。あたしが今、一緒にいたいと思ってるのは誰?」 「……」 「ユキちゃんしかいないでしょ」 「俺、ですか?」 「そうよ〜当たり前じゃないの」 抱きしめる腕に、少しだけ力がこもる。 「それに、過去の恋人にヤキモチ妬いてるユキちゃん、すっっっごく可愛い♡」 「……もういいです」 「ふふっ♡」 結季は恥ずかしそうに紫呉の胸へ顔を埋めた。 「……俺、嫌な人ですよね」 「なんで?」 「もう終わったことなのに……」 「そうねぇ」 「……」 「でも、あたしは嬉しいわよ?」 「……え?」 結季はキョトンとして紫呉を見上げた。 「だってユキちゃんが、あたしのこと好きだから妬くんでしょう?」 「……」 言葉を失った結季を見て、紫呉はまた楽しそうに笑う。 「……可愛い♡」 「……紫呉さん、ずるい」 「何が?」 「そういうところ……」 「とにかく、過去は過去よ。今アタシが愛してるのユキちゃんなんだから。これからもずーっとそれはかわらないわの?だってユキちゃんがアタシの最後の恋人なんだから♡」 「紫呉さん……」 「ユキちゃん以上のオトコなんていないもの。もちろん女の子だっていないわよ」 「そんなこと……」 「あるわよ。アタシはユキちゃんのことめちゃくちゃ愛してるんだから♡あ、ユキちゃんもよ?もちろん、アタシを最後のオトコにしてくれるわよね?答えはYESしか受け付けないから」 「それは、当たり前……っていうか……こんなすぐヤキモチ妬くような俺でもいいんですか?」 「いいもなにも、嬉しいって言ってるじゃない。安心しなさい、アタシは未来永劫、ユキちゃんにしか興味もてなくなっちゃったんだから」 紫呉は力強く結季を抱きしめた。結季もゆっくりと紫呉の背中に腕を回した。 「紫呉さん…すき…」 「アタシも、大好きよ」 少しの間見つめ合い、結季はゆっくりと目を閉じた。キスをねだるサインだった。 「愛してる」 囁いてからちゅっと軽く唇を合わせた。何度か啄むようなキスをしたあと、結季の唇を指で優しく撫でる。 「ん……」 結季は軽く唇を開き、舌をチラつかせながら紫呉の指を軽く吸った。 「ふふ、機嫌直ったのかしら?」 「はい……」 結季は耳まで赤くしながら頷いた。 「ヤキモチ妬くユキちゃん、可愛いわよ?」 「……やめてください、そんなことより……あの、あたってます……」 紫呉さんの、と足をモゾモゾさせる結季。 「あら、アタシってば正直ね。ユキちゃんが可愛いからってすぐこんなになっちゃって」 恥ずかしいわね、と恥ずかしげもなく言う。 「あの、俺……触ってもいい?」 「えぇ、もちろん。アタシはユキちゃんのものだから好きにしていいわよ」 「……」 さっきまで不貞腐れていたのにゲンキンなものだ。 最後のオトコと言われ簡単に機嫌は直り、なんならキスをしたらそういうスイッチが入ってしまったようだ。 結季は紫呉の昂りを服の上から揉みしだく。 「ん……」 まだ軽い刺激なのに、珍しく声をあげる紫呉。 「直接触りたい……」 「もちろん、どうぞ」 紫呉は一度立ち上がり服を脱ぐ。 「……もうこんなに」 結季はゴクリと唾を飲み込んだ。そして、指を絡め上下に刺激する。さらに硬さは増した。 「また硬くなった……」 「ユキちゃんが触るからよ?」 紫呉は嬉しそうに言った。 少し躊躇ったが結季は紫呉のそれを口に含んだ。 「んっ……っはぁ、む……」 唾液を絡めるように舌を動かし刺激するとグングン硬さが増していくのを感じた。 紫呉が優しく結季の頭を撫でる。 「じょぉずね、気持ちいいわ」 「ひぐれひゃ……ぅん、ンッ…」 「そのまま喋っちゃだーめ、良すぎるから」 少しだが紫呉の呼吸が荒くなっていた。うっすら額には汗の粒が浮かんでいる。 結季は紫呉のを舐めながら、自然と自分のも触っていた。 くちゅくちゅとどちらのかはわからないが音を立てはじめている。 「っ、ユキちゃん自分で……」 視覚的にも相当やばいと紫呉は一瞬頭を抱えそうになった。 「ぁ。ごめんなさ、我慢できなくて……」 紅潮した頬、涙を浮かべた目、ヨダレと先走りでテラテラとひかる唇、そして極めつけに自身のソレを刺激している姿を見て紫呉の目の色が変わった。 「ふーん、結季はそうやって俺の事誘うんだ」 「や、ちが……」 「何が違うって?もう結季のそれパンパンに膨れ上がって大変そうだけど?」 「や、言わないでくださ……」 「せっかくだからさ、一緒に擦ってよ」 紫呉の提案に結季は小さく頷いた。自分から紫呉の膝の上に座り、お互いのものを合わせ両手で包み込んだ。 「紫呉さんの、熱い……」 「ぅ、結季のも熱くてヌルヌル……やば、きもちい……」 くちくちと互いの先走りが混ざり合い音を大きくしている。紫呉のそれはさっきのよりもまた硬く大きくなっていた。血管が浮き出るほどに腫れ上がり2つの玉もパンパンに張り詰めている。 「ん。はぁ……きもち、いい……ぁ、しぐれさ……こんなに……」 結季は紫呉のそれに擦り付けるように、無意識に腰を振ると同時に、そのパンパンに膨れ上がった玉に触れる。 「……やば、いい眺めすぎ」 目のやり場に困る、などと言いながらも紫呉の目はしっかりそこを捉えている。 「そんな、みないで……」 恥ずかしいからと結季は目を瞑る。 「はぁっ、ん……ぬるぬるして……」 「滑り良くてきもちいいね?」 耳元で低く囁く。背筋にゾクゾクっと甘い刺激が走る。 「いきそ……もう……」 「アタシも……っ、ユキちゃんの手気持ちよすぎて出ちゃいそうよ……」 「俺も……紫呉さん……いくっ、もうでちゃう……」 「あーもう。可愛すぎ。エロすぎ。そんなになるのアタシの前だけよね?」 「あたり、まえ……っです」 「ね、両手でまた擦って……」 紫呉の言う通り、両手で2本のソレを包み込んだ。紫呉はというと、結季のおしりの合間に指を這わせ孔の当たりをやんわりと押し込む。押された刺激に合わせキュッと収縮をする結季のそれは何かを期待しているようにも思えまた。 「こっち、ヒクヒクしてるわね……こっちはアタシが指でしてあげる」 そういうと紫呉は一度手を離し、溢れ出る先走りをすくい上げた。そしてそのままもう一度孔に指をはわせ、塗り込むように動かす。 「ひぁっ、ん……っ、そこ……」 「きもちいい?」 「ん……ぃい……すき……」 「っは。やば……何その反応……ユキちゃん……っ」 「おしり、だめ……ん、ぁっ…」 無意識だろうが、紫呉の指をキュッと愛おしそうに締め付けてしまう。 2人とも本当に限界が近かったようで、射精するまでそんなに時間はかからなかった。 「っはぁ、は……はぁ……」 「くっ……ッ」 互いに出したもので肌がベタつく。 「たくさん出たわね」 「ん……」 「お風呂、入る?」 「……はい」 「一緒に?」 まだ少しぼんやりしている結季は頷く。それだけで紫呉は口元が緩むのを感じた。 「なら、お湯溜めてくるから少し待っててくれる?」 「わかりました」 紫呉は立ち上がり浴室に向かった。結季はその場でゆっくり横になった。クッションを抱きながらまさか自分がヤキモチ妬く日が来るとは思っておらず、自分も案外普通の男だったことがわかった。 ……そして、さっきの続きが浴室ではじまるのは分かりきっていることだった。普段はそんな所でと怒る結季だったが、今日だけは紫呉を欲した。 紫呉も結季からヤキモチを妬かれるという貴重な体験に理性というものがここまで役に立たなくなるものなのかと驚きつつも、そんな結季のことが更に可愛くて愛おしくなった。 終

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