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女子にはね

「おにーさん超カッコイイですね!お茶でもしません?」 「あ……今待ち合わせしてるので……」 急に仕事が入った紫呉を待っていると、派手めな女の子に声をかけられた。普段ならそんな事はないのだが、今日に限ってコンタクトで、普段前髪で隠している顔を出している。そうするとこうして何人もに声をかけられる。 いわゆる逆ナンというやつだ。連れが来ると言えば大概は引き下がるがこの子はしぶとかった。 「え、おにーさんのともだち?なら私も友達呼ぶし!4人でどっか行こうよ」 「いや、この後予定がありますし」 「じゃ、連絡先交換教えて!ご飯いこ!」 最近の子はなんとも積極的だ。対応に困っているところにようやく紫呉が現れた。 「ユキちゃんお待たせ〜ごめんなさいね。あら、こちらの可愛い子は?」 紫呉の視線が少しだけ鋭くなる。 「え?待ち合わせって……この人?めちゃくちゃ美人!彼女?なわけないか……」 紫呉は仕事終な事もあって黒のパンツスタイルにヒールというスタイルだった。見た目はまるで長身の美女だ。 「あらぁ、こんな可愛い子に美人なんて言われちゃったわ、ユキちゃんどうしましょ〜」 「紫呉さん、この方は…」 「でも、ごめんなさいねぇ。彼女じゃなくて、彼氏♡なのよ」 「え、彼氏……?」 「ふふふ、そう彼氏♡アタシ羨ましいでしょ?きっとアナタにもこれから素敵な出会いがあるわよ。……だから諦めてくれる?」 残念ながら誰にも渡す気はないのよ、と女の子の耳元で低く囁く。 「は、はい〜……ごめんなさい」 さっきまでの積極性はどこへやら、女の子は「失礼しました」と頭を下げ、街中に消えていった。 「あの、ありがとうございました」 「いいのよ、元はと言えばアタシが遅くなったのがいけないんだもの。それに、こーんなに素敵なユキちゃんが1人で居たら誰だって声かけたくなっちゃうわよね〜!でも残念、ユキちゃんはアタシのユキちゃんなんだから♡」 「紫呉さん…」 「ね、そんなことよりお腹空かない?アタシはもうお腹ぺこぺこよ。ちょうど新しくオープンしたイタリアンに来ないかって誘われてるのよ。そこでランチどう?」 「いいですね、イタリアン好きです」 「だと思ったわ〜、なら早速行きましょ」 紫呉は結季の腰を抱き歩き始めた。あの女の子の他にもあわよくば声をかけようとする人が男女共に居るようだったが、紫呉のその行動は周りを牽制するかのようだった。 ひっそりと、あれには勝てない、無理だと言った声が聞こえたとかなんとか…。 終

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