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第13話 金網デスマッチ

「動物虐待する奴に、格闘技やってるのが多いのが気になるな。」  本来なら格闘家、武道家は心身ともに強靭な鍛錬をしているから、自分より弱い者に手を下す事は絶対に無い。  まして口も聞けない小動物に酷いことするのは男の恥、だ。  S会永田組の精鋭に、今の日本で勝てる相手はいない。あらゆる格闘技に精通し、武道の心得がある。負ける気がしない。 「犬、ゴルフクラブで殴るようなヘタレ、 相手にするのも馬鹿馬鹿しいけど、 やめさせないと、な。」  満を持して金網デスマッチを開催する。  地下深くの採石場後に設えられた絶望のリング。  有刺鉄線の頑丈な金属のフェンスでガッチリ固められた試合場は生きては出られない。  ヘタレはこれを見ただけでビビって戦意を喪失する。ドアは施錠されている。どちらかが死ぬまで出られない。もちろん非合法だ。  この形式だけを真似しても、本物の迫力は全く違う。過去のBDよりも本気の野郎たちが集まってくる。  目の前で人間が殴り殺されるのを見たい,と言う輩も集まって来た。参加希望者を見て、親父は 「どこから連れて来ちゃった?  こんな弱そうなヘボい奴らじゃ ショーは盛り上がらないなぁ。」  元アフガンでスペツナズと合流してマジの戦争を経験した男たち。みんなもう初老だが、組の若いもんを筋金入りの兵士に鍛え上げた。  彼らは総じて動物に優しい。  内密に特別なルートで募集したが、思ったより参加希望者は、多い。  全員に念書を取った。競技の途中で、どんな事が起こっても、格闘技の範疇を逸脱しなければ受け入れること。生死を問わず。  喧嘩上等の怖いもの知らずが集まって来た。 組の若いもんがネットで見つけたイジメや動物虐待の前科がある奴をピックアップして参加を促した。中には見物客に混ざって、暴力を傍観したい 虐待常習犯も名前が上がっている。 「何でウチらが招待されたんだろ?」  あの坂下モナミが不思議そうに言った。 「あたし、格闘技は見るの好きだけど やった事ないからな。」  ゆうじが 「でも、殺すのは好きでしょ。  人間が殺られる所、見たいでしょ?  今日は殺し合いになるって言うから楽しみだなぁ。」  みんな、参加者も見物人も,生きては出られないだろう。  一緒にもうひとり、暗い男が付いて来た。 世界数カ国に広がる虐待地獄組織の例の27才の男。胸糞な動画を売って暮らしている。犠牲になる小動物たちをなんとか救いたい。  今でもC国では何の反省も無く虐待は続いている。  実害はやがて、人間にも及んで来ている。  

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