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第14話 一人だけ?
リキが帰って来て食卓で酒を飲んでいる。
「リキ、帰ってたの。」
リキは蜜の肩を抱いて
「恭司から聞いたよ。猫の死体、可哀想だったな。恭司んとこの若い奴が一緒にいてくれたんだろ。助かったよ。」
リキは蜜を一人にした事を後悔した。
「一人ぼっちにしてごめんよ。」
細い肩を抱きしめる。
「恭司のところの強そうな奴がパトロールしてくれるそうだ。でも俺もいつもそばにいるよ。」
何で猫を殺して見える所に置くのか?
顔と名前はわかっている。リキも恭司からきいていた。
「山賀ゆうじ、て聞いたことあるか?」
「山賀だったらあの男だ。
あいつは山賀文夫って言うんだよ。」
蜜を飼っていた男。もう死んだ、と聞いたが。資産家の息子だった。行方不明になっていた。恭司の始末屋が、金美華とその一味と共に闇に葬ったと聞いている。
C国の司法もお咎めなしの出来事だった。
リキは詳しい事は知らない。
ただ,あの人身売買の組織を潰した、とだけ。
あの男が山賀だと言う事も今、知った。
「弟か?あの男は確か資産家だったはず。
だったら質が悪い。くだらない事をする
時間と金がある。」
「猫の死体があった時、シドが一緒にいてくれたの。一緒にお風呂に入ったんだよ。」
雨に濡れて帰って来たと言う。
何もなかったのか?リキは聞くのが怖い。
蜜が首に抱きついてリキの瞳を覗き込む。
「リキ、セックスって一人の人としか
しないものなの?」
リキは自分の危惧がバレている。
「蜜はどう思うんだ?」
「リキは恭ちゃんが好きでしょ?
でも、セックスはしないんだ。
僕とだけするんだね。それは嬉しいんだけど、つまんなくない?」
二十歳の考えではない。世間知らずの幼い考えだ。危なっかしい。
経験不足か、何事も実年齢よりも子供だ。
身体だけが調教されている。
(この呪縛を解くにはどうしたらいいのか。)
それでも蜜の甘いくちづけに蕩けてしまう。
年相応では無い巧みな性戯。
(純粋な瞳。どんな過去があっても、どんな蜜でも愛してる。)
引っ越し?そんな言葉が浮かんだ。
逃げるのか? 想いが錯綜する。
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