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第24話 テツ対ジーマ
最初にリングに上がったのは、テツ。対するドラゴンホールからはジーマ。昔の仲間だ。
「テツ、極道になりやがって。
俺たちはあの頃より強くなってるからな。」
「俺たち? 相変わらず仲間頼りか。
ドラゴンホールの名前ばっかり出してたもんな。
一人で出来るかな?」
ジーマは今でもドラゴンホールに所属して,プロレスラーをやっている。
テツが覚えてるのは、あの頃飼われていた日本猿の女の子、ポラちゃんをいつもイジメていた事だった。テツが気づけば助けていたが卑怯なことに陰で猿を虐待していた。
ある日、テツがケガをしているポラちゃんを見つけて
「誰がやったんだ?」
そばにいた仲間が
「ジーマが技の研究だって、なんかやってた。」
首を絞めてどこまでやったら死ぬか、見ていたと言った。ジーマは、柔道の、落とし技をかけて見ただけだ、と言っていた。
テツは思い出してジーマの首を絞めた。手加減して落ちる手前で離した。同じ事をしてやる。
「ギ、グゥ! はっ、死ぬかと思った。」
テツの握力は半端ない。殺さない一歩手前で抑えた。テツは悔やむ。
あの頃、止めさせておけば…。
「自分より小さい動物に何やってんだよ。」
筋肉隆々のデカいジーマがポラちゃんにやっている事はいつも、酷かった。
今日は全部ジーマにやってやる。
テツは細身で筋肉質だが、握力をはじめ、その力は並の人間では到底叶わない。
筋肉自慢のジーマは見てくれほど力は無い。
プロテインで作った筋肉はスカスカだった。
テツが背中を固めて殴り続ける。
「ポラちゃんの背中に四角い火傷の痕があった。
ここだな。おまえが火をつけて火傷させたところ。」
同じような所を徹底的に攻める。
「背骨が折れる!勘弁してくれ。」
ぐるりと前を向かせて
「勘弁って言ったか? これからだよ。
ポラちゃんにやった事の再現だ。」
腕を逆向きに決めて、関節を外す。
「ボキッ、」
鈍い音がした。ブラブラになった端から先を下げて、立ち上がり、蹴りを入れて来た。
「いいねぇ。ジーマの得意の蹴りも、ブラブラで立ち上がれないと、効かねえな。」
足の裏を掴んで転がした。寝技に持ち込んで首を固めた。
「このまま、捻ったら死ぬよ。
でも、楽に死なせてやるわけねえだろ!」
最初から圧倒的な力の差があった。猿を虐待していたジーマも小柄なポラちゃんに容赦なく、力を使っていた。
「自分より強い奴に、やられる身になって、
どうだ?」
肩を外してやった。関節はかなり痛いだろう。すぐに外れた所を戻しても簡単には入らない。
人間の身体は、一旦外れたらパズルのようにはいかないのだ。
「次はどこを外すかな?」
肩の関節が外れてしまうと思うように動けない。バランスが取れなくて力を入れる事が出来なくなる。
「おまえ、ポラちゃんにやってたよな。
肩がブラブラにされてた。
猿は柔軟だから俺が入れてやったけど、かなり辛そうだった。毎日酷い事をしていたな。
自分がされるとどうだ?」
ジーマはドラゴンホールで一番強い、とされていたが、全部脚本があった。
ショーアップのためだった。中身はただのヘタレだった。
レフェリーは何もしない。助けない。それがルールだから。
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