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第27話 ユール対坂田省吾

 血塗られた試合も最後のタッグになった。 ドラゴンホールの最終兵器か? 派手な覆面をつけている。坂田省吾はメキシコで修行をしたらしい。  ルチャリブレ。プロレスが面白いストーリーで出来ている。善玉テクニコと悪玉ルードのわかりやすいお話。観客は熱狂する。  水戸黄門のようなものか。 スピード感のある技の展開。飽きさせないショーになっている。  それに対して、金網デスマッチはショーではない。合法的な殺し合いとも言える。  メキシコ仕込みの坂田省吾に対して、ユールはみんなが初めて出会ったギニア人の戦士だ。  黒い肌の精悍な男。背が高くスレンダーな身体は、全身がバネで出来ているようだ。  ゴングの前に握手を求める礼儀正しさ。ドレッドロックスのヘアスタイルもカッコいい。  試合が始まった。 金網デスマッチは金網の中に普通にリングがある。坂田はリングロープを利用して跳ね回っている。コーナーに登って飛びかかって来た。  ひらりとかわすユール。高さを利用しての奇襲に失敗した坂田は、今度はロープに追い詰めようとしている。  ユールは踊るように軽やかにかわして息も切れていない。高いジャンプをして坂田を追い詰める。ロープに逃げ切れなかった坂田が背中を向けた瞬間、ユールがジャーマンスープレックスに持ち込んだ。もろにバックドロップが効いた坂田はしばらく起き上がれない。  ユールの動きは全く無駄がない。坂田が起き上がるタイミングでDDTに持っていく。  坂田を抱えて後ろに倒れ込んで頭をマットにたたきこんだ。  倒れ込んだ坂田をスリーパーホールドで絞める。 「何だよ、ルチャリブレってのは決まりきったストーリー以外は出来ないんだな。」  観客からはブーイングの嵐だった。相撲なら座布団が飛んでる所だ。  レフェリーが何か言ってる。 「S会チームは無傷だったので、 腕に自信のある方は、先着5名まで参加を募ります。ここでバトルロイヤルをやりますよ。  死んでもいい人、どうぞ参加してください。」  流暢な日本語でソードは言った。 「おいおい、そんな事聞いてないぞ。 面白そうだな。」 わあーっと歓声が上がった。大勢が名乗りをあげた。我も我も、と大混乱だ。  集まった中にあの楊便壺と徐糞臭がいた。腕に自信があるようだ。  駆けつけた神谷の叔父貴の狙い通りだった。 いよいよ、奴等を潰す。

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