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Ⅶ 解決

 数日後の日曜日。 「エド、グレアムさんから連絡が来たわ。これからわけあり品の苺を取りに行ってくれるかしら?」  キッチンから母アルマが呼び掛けた。 「いいよ」 「あたしも行くわ。ヴィスタの人たちや農園のその後のことを知りたいから」  エドが読んでいた雑誌を閉じて立ち上がったところ、マリルーも同行すべく立ち上がった。  二人がアンドルー農園に着くと、農場では障碍者や見るからに虚弱そうな人たち数人がそれぞれ作物の収穫や選別に携わり、生き生きと働いていた。二人の姿を見とめてグレアムがトラクターを停めて降り、その厳つい顔を緩ませる。 「やあ、エドにルー」 「「グレアムさん、こんにちは」」 「今日はあの紳士と一緒ではないのだな。彼の采配のおかげで農場は以前より良くなったよ。彼に会うことがあればよろしく言っといてくれ。今回は感謝の気持ちとしてお代はいらない。持って行くといい」 とグレアムは用意してあった木箱を身振りで示した。見ると、中には形も大きさもまちまちなわけあり品の苺がぎっしりと詰まっていた。 「「ありがとうございます」」  二人はグレアムに礼を言って苺をもらい、彼に別れを告げた。 「……よかったわ。ヴィスタの人たち、生き生きしてて」  帰りの車の中でマリルーが呟く。 「そうだな」  エドウィンが同意した、そのとき、センターコンソールに置いていた彼のスマホが着信を告げた。ちらりと見るとユリウスからだった。エドウィンは通話ボタンをタップし、スピーカーモードに切り替えた。 「はい、エドウィンです」 『ユリウスだ。像の付着物の分析結果が出た。それは極めて短時間で硬化し、痕跡を残しにくい粘着性樹脂だった。その粘着性樹脂は正規のルートでは手に入らない、美術品の型取りに用いる非常に特殊なもので、君たちが送ってくれた新聞記事から、窃盗団ゴーストが過去に何度も使用していることがわかった。私はそれらの事実を警察に説明した。その結果、警察も像のレプリカがビアージョ氏でなく窃盗団ゴーストの仕業であると断定して彼の疑いを晴らすことができたよ』 「よかった……! 本当にありがとうございます、ユリウスさん」  晴れやかに告げるユリウスの声に、エドウィンは心からの安堵の息を漏らす。隣のマリルーも、ふっと満足そうに口元を綻ばせた。 『……では、夏休みに我が社のリゾートホテルで会えるのを楽しみにしているよ。良い週末を、エド』 「はい、ユリウスさんも」  通話が切れると、エドウィンは満ち足りた笑みを浮かべた。窓の外には、ハーバータウンの美しい海と青空が広がっている。もうすぐやってくる夏休みへの期待に、エドウィンの胸は高鳴っていた。  ~第三話 終~

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