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(17)龍さんのプロポーズ ‼︎

今夜龍さんのお義父さんに会う時、スーツを着た方がいいか聞いたら普段着で構わないと言われた。 コタツにゃんこ達を買って、飲食店街でラーメンを食べてから、書店でリフォームの本を買い込んだよ。 僕のボロアパートに荷物を置きに戻り、何故か僕の撮影になった。 もちろん変装なしで。 コタツにゃんこのぬいぐるみを1匹ずつ持って、笑顔を…… 。 「瑠衣、もう少し首をかしげて、そう、そして微笑んで 」 パシャ。パシャ。 スマホを持つ龍さんの眼差しが真剣過ぎる~ 。サバにゃんからノルにゃんにチェンジする。 「 今度は顔の横に付けて…… 、右手で猫の手作ってみろ 」 パシャ。パシャ。 なんだか龍さんがノリノリで撮りまくるから、僕も頑張ってみたよ~。 チャトにゃんの時は頬を寄せてベッドで寝たふりしてみました~。 お義父さんに会う前に、龍さんに伝えたいことがある。 コタツの横に正座して僕は切り出した。 「龍さんのお義父さんは同棲相手が僕だと知ってるの? 反対されない?」 「…… 反対されても俺はお前を離さないと決めた。たとえ瑠衣が龍青会の…… 会長のモノだとしても 」 「 会長? 」 僕に龍青会の龍神の刺青を授けてくれたのは組長だ。 「 お前が刺青を入れたのが高校生なら、当時は組長をしていた。2年前から息子に組を任せて会長になったんだよ。まあ実際はまだまだ現役だから、地固めの兼ね合いが強い 」 「僕は会長のモノじゃないよ。ただの田舎の派遣社員だよ 」 龍さんも僕の正面に正座する。 「……瑠衣、育ての親(おやじ)が反対したら養子縁組を解消して、お前と養子縁組をしたい。すぐにとは言わないが、考えて欲しい 」 龍さんが頭を下げて申し込んだ。 養子縁組。 それは同性婚の認められてない日本では結婚の代わりに取られている形だ。 天国のお母さん、僕プロポーズされました~! お婿さんじゃなくてお嫁さんになります! 改めて龍さんの気持ちを言ってもらえたから、僕もそれに応えたい。 「龍さんありがとうございます。養子縁組の申し込みお受けします 」 僕も頭を下げる。顔を見合わせて、微笑みあった。 「僕には親がいないので、母の代わりに会ってもらいたい人がいます 。 加藤 弘也弁護士を知ってますか? 」 「…… 龍青会の顧問弁護士だ。参ったな、俺の兄貴分みたいなもんだよ 」 「僕、龍さんの名前教えちゃったよ 。イ◯ンで電話したんだ 」 転居や結婚、相談の際は加藤弁護士に連絡するのが約束事になっている。 龍さんにもそれを教えた。 絶妙なタイミングで龍さんのスマホが鳴った。 加藤弁護士からで、今夜の夕食に加わるとの事らしい。 加藤弁護士仕事早っ! 「もうすでに|お義父《おやじ》と連絡取ったみたいだな。瑠衣、もしかして俺の|お義父《おやじ》とも面識あるのか? 」 「 …… うん、昔あったことあるよ 。ごめんなさい言えなくて 」 色々制約がありすぎて何も話してはいけないと加藤弁護士と母に言われていたのだ。 夜の食事会は菊田さん、龍さん、僕、加藤弁護士の四人になった。 夜の繁華街にほど近い、アーケード街の歴史ある中国料理店でご挨拶する事になる。 ドキドキだよ~。 知り合いから、息子の恋人に進化⁉︎しちゃったからな~ぼく! 菊田さんはどんな態度で接してくるだろうか? そもそも息子がバイだって知ってるのか ⁉︎ 約5年ぶりだから僕の顔なんか忘れちゃったかもしれないし。 僕は…… 僕はしっかり挨拶出来るかな。 一応ワイシャツにチノパン、ジャケットを羽織って見たけど、ユニ◯ロだからカジュアル感満載だよ…… 。 龍さんはジーンズとセーターのままだし。いいんだろうか。 伸びてクルクルとカールし始めた栗色の髪を神経質にいじくる僕を見て、龍さんが歩きながら肩をさすってくれた。 「瑠衣、そんなに緊張しなくても大丈夫だ 」 「 う、うん。わかったよ 」 あ、足が震えてきたよ、僕~。 中国料理店の自動ドアをくぐると、玄関ホールに背の高い人が二人立っていた。 僕は龍さんのお義父さんの懐かしい顔を見た途端駆け出して、逞しい首に泣きながら飛び付いていた。 「き、きぐださ~ん。きぐださ~ん 」 優しい笑顔が懐かしくて、嬉しくて、僕の涙と鼻水が決壊して止まらない~!! 龍さんのお義父さんは、僕の記憶のままの菊田さんだった。 菊田さんは僕を抱え直して、僕はコアラみたいにしがみつく格好になった。 「 お~、瑠衣元気だったか?ちゃんと大人になったのか~?」 え!?ギモン系?菊田さんはガハハと豪快に笑いながらクルクルと回った。 コ、コーヒーカップみたいだよ。 菊田さんは背が高くて、俳優で例えるなら阿部寛系のイケオジだ。 回転が終わったところで、横にいた加藤弁護士に頭を撫でられた。 「う~ん、少し?大人になったかな。相変わらずかわいいですね 」 加藤弁護士も相変わらず銀縁眼鏡が似合うクールなイケメンですね。 彼に会うのは母の葬式以来だ。 僕の足がフロアに着いても、抱きかかえられたままだ。 加藤弁護士がティッシュで僕の涙と鼻水を拭いてくれた。 は、はずかし~子供扱い~!? すると、いつの間にか龍さんが僕を腕に抱き込み、語気荒くいった。 「 おい、瑠衣に触るな!俺のだぞ !! 」

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