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(28)龍の巣を作ろう!

「 ところで瑠衣君、早速だけどポールダンスのポールはどこに設置したいんだい? 」 「 はひっ!?」 ポ、ポールダンス のポール⁉︎ 何故に !? 「 龍のリクエストだよ。場所は踊る本人に聞いた方がいいかと思ってね 」 う~つけない選択肢は無さげだよね~これは。 しらばっくれたらお仕置きコースだよね。 結局2階のリビングと、3階の寝室に設置することにした。取り外し可能なタイプにしてもらい、普段は壁に寝かせて掛けておけるようにしてもらった。 僕またダンス教室通おうかな~。 僕が料理男子と聞き、いろんなタイプの流し台やコンロのカタログを見せてくれた。 龍さんは僕に一任してくれるようだ。 アイランドタイプに憧れてるが、油ハネや掃除がネックだといったら、ペニンシュラ(半島 )型キッチンに、耐熱性ガラス仕切りを天井まで付けたらと提案された。 その手があったか~。さすがだな~。 アイランドも、椅子に座って作業することもあるから大きめがいいと希望した。 「 ちなみにどんな作業か聞いていいかな? 」 「 はい。例えばギョーザの皮を作る時とか、クッキーの型抜きとか、栗の皮むきとかですねー 。パンも捏ねるしなー」 「 …… いまどき栗の皮むきする若者いるんだね……ギョーザ食べてみたいな…… 」 「 栗ご飯美味しいですよ~ 」 収納棚が沢山あるとごちゃごちゃしなくていいよね~。 キッチンはオール電化にしたよ。 海岸地区はガスボンベだから電気が経済的なんだよ。 ベランダにバーベキューレンガも設置してもらう。 ベランダの床を防水処理して、プールをつける予定と知りビックリ! 2人だけの水泳大会じゃないよね !? 洗濯物を干せるリネン室も設置可能か相談してみた。2階にスペースがありそうだ。 セキュリティは龍さんと相談するそうです。 お義父さんが来ても安全にしないといけないらしい。 2階のゲストルームに泊まるのかな? ゲストルームにはユニットバスを設置するそうです。ホテルみたいだ~。 3階の寝室はデカイ。ウォークインクローゼットもデカくてホッとしたよ。 そんでもって浴室もデカくてジャグジー付いてました。 リアルアルファめ、ゴージャス感が欲しかったのか? え? 僕とイチャイチャしたいから? …… 妄想してすいませんでしたあ ! 次回は龍さんと三人で最終確認して、発注、リフォームになるそうです。リフォーム自体は1、2週間で完成するので、年内に引っ越してパーティーしたいな! …… 僕、土井さんしか友達いなかったよ。 打ち合わせも終了し、玄関のドアまで来たら、2階から奥様が降りてきた。 わお。美人さんです!小野さんやりましたね! ご挨拶をした。美人さんは|玲《れい》さんという名前だった。 小野さんが蜜りんごを渡して娘さんを呼んだ。 「 麻友(まゆ)~ 」 階段の天辺(転落防止柵越し) に天使が立ってるぞ? 「 わ~天使ちゃんがいるよ~ 」 うっかり呟いたら、小野夫妻に2階に拉致されたぞ? お茶を出され夕食を誘われたので、今晩はインドカレーとアップルパイを作ると龍さんに約束した事を話した。 「 インドカレー? あのスパイス使うやつよね? 」 「 はい 」 「 カレールー使わないの? 」 「 カレールー買った事ないんです 」 「 アップルパイも生地から作るの? 」 「 はい。僕もりんご買っちゃいました 」 えへへ。リュックを持ち上げてみせた。 「 ……… 」 「 ……… 」 あれ?小野夫妻が目を合わせて無言になったぞ? 「 あなた、龍さんに電話して。晩御飯はうちで食べてもらいましょう!」 「 そうだな。龍のにやけた顔を拝める機会なんてまずないしな! 」 若旦那はどうやら龍さんに電話をかけ始めた。 「 あ、もしもし龍?…… うん、だいたいの希望は聞いた。ところで瑠衣君のインドカレーとアップルパイはうちで作るから、お前仕事終わったら来いよ。え?瑠衣君? 」 なんだかこちらのお宅で料理するの決定してる !? はい、代われだってとスマホを渡された。 「…… 瑠衣、お前もう他のとこに嫁に行ったのか? 」 ひ~!? なんかこの声ドス効きすぎなんですけど~。 「 り、龍さん。アップルパイはカスタードとバニラアイスどっちをつけたい? 」 「 …… バニラアイス 」 不機嫌な龍さんの対応を若旦那に丸投げし、奥さんの玲さんと材料を用意した。 インドカレーで人気のバターチキンカレーを作ることにして、スパイスやアイスは若旦那に買いに走ってもらう。 配達予定だった服は、明日の朝に変更の電話を入れた。 鶏肉を切ってヨーグルトとカレー粉を混ぜてなじませておく。 若旦那が戻るまでアップルパイに取り掛かる。天使麻友ちゃんに蜜りんごを一切れ渡し、残りはイチョウ切りにしてさっと塩水に通してから砂糖を加えてレンジでチン。 好みで冷めてからシナモンを追加する。 次はパイ生地。バターは硬いまま細かくし小麦粉を入れてスケッパーで切るように混ぜる。混ぜたらラップで包んで冷蔵庫に。 休ませたら取り出して麺棒で伸ばし、畳んでまた伸す。そしてまた冷蔵庫へ。 これを2~3回繰り返す合間にカレーの下準備。玉ねぎをみじん切りに。 麻友ちゃんのオムツを替えていた玲さんに 「 すごく手際よいね。さすが料理男子! 」 と褒めてもらったよ。 し、失敗できない感じ~。主婦を満足させられるかな~ 「 お母さん仕込み? 」 「 はい。あと、母の友人がシェフをしていて、毎年遊びに行く度教えてもらいました 」 ヤンさん元気かな?あ、結婚の報告忘れてたよ! 後でメールしておかなきゃ。 ヤンさんこれから仕事だろうしね! しばらくして若旦那が買い物から戻って来ましたよ。 「 加藤弁護士から電話があって、瑠衣君が我が家でカレーとアップルパイ作ってると自慢したら、彼も食べに来ることになったよ 」 えぇ~!? と、とりあえずバターチキンカレー作ろうか…… 。あ、パイ生地ももう一度伸さなきゃ。 若旦那と加藤弁護士知り合いなんですね。 そうですよね、もちろん。 トイレをお借りして、フランスのヤンさんにメールしておいた。 ◆◆◆◆ (※ 英文を訳してます。) To ヤンさん お元気ですか?ご無沙汰してます。 僕は昨日入籍して菊田姓になりました。 結婚相手は 菊田 龍さん、男性です。 いつかフランスに2人で遊びに行きますね! ヤンさんもお身体ご自愛ください。 from 瑠衣 ◆◆◆◆ よし、これでひと安心。 サラダは奥様にお任せしました。 お子ちゃま用と大人用に分けて味付けし、オーブンでアップルパイが焼きあがる頃、龍さんと加藤弁護士がやってきた。 「今晩は 」 「 今晩は。突然お邪魔してすいません 。」 加藤弁護士が花束、龍さんがワインを小野夫妻に渡す。 うわ~セレブパーティーに来たみたいだよ。僕カレー作っただけなんですけど…… 。 「 加藤弁護士、今日はお世話になりました」 僕が頭を下げてると龍さんが横に来た。 「 龍さんお仕事お疲れ様でした 」 怒ってないよね~?誤魔化すようにへにゃりと笑ってみたよ~。 「 ただいま。瑠衣、ここで変装しなくていいぞ 」 笑いながら僕の髪をくしゃくしゃと撫ぜた。 ほっ。機嫌はいいらしいぞ。 「 龍が笑ってる…… 」 「 猟犬が とうとう庭犬に…… 」 夫妻がつぶやいてる。 「 私は何も言ってませんよ? 」 加藤弁護士は視線を逸らす。 リュックからケースを出して洗面所を借りた。カラコンと伊達眼鏡をしまいダイニングに戻る。 席に着いた小野さんがワインを注ぎ、僕と玲さんがカレーやサラダを配膳する。 小野さんと加藤弁護士が並んで座り、向かいに龍さん、僕、玲さんが並んだ。 麻友ちゃんは子供椅子に座り、お子ちゃまカレーのスパイスの匂いに興味深々。 甘めにしておいたけど大丈夫かな? 玲さんが麻友ちゃんにカレーを食べさせる。 ドキドキ。 小さなお口をモグモグ。 「 うきゅ~ 」 満面の笑みいただきましたぁ~。 「 ふふふ。麻友ったら、大満足ね!」 大人達もそれそれぞれ口に運ぶ。 辛さは中間にしたけど大人はスパイシーだよ。 「 ん、うまい! 」 「 スパイスが効いてますね 」 「 ちょっと、お店で食べるのとおんなじじゃないの!すごいわ、瑠衣君!! 」 玲さん興奮しすぎですよ。 「 瑠衣、うまいよ 」 龍さんが満足気に言ってくれてよかったよかった~。 「 瑠衣君ジャ◯ーズの△◯君より可愛いんですけど…」 玲さんが何か呟いてるよ。 男性陣はおかわりをしてくれて、バターチキンカレーは完食しました。 若旦那さんは玲さんにまた食べたいと早速リクエストしてましたよ。 デザートは焼きたてのアップルパイにバニラアイスを添える。 ドリップコーヒーがかぐわしい。 「 パイがサクサクだねー 」 「 りんごもシナモンが効いて美味しいですよ 」 「 このサクサクパイとりんごとアイスのコラボがたまらないわ~。瑠衣君パテェシエになれるわよ~ 」 玲さん大げさですよ。 「 瑠衣、ありがとうな 」 隣で僕の旦那様のイケメンスマイル決まった~。抱きついていいですかね~? 「 私この2人の横に立つ自信ないわ~。イケメンカップルハンパないわ~ 」 「玲、写メ撮らせてもらうか? 」 「 旦那、任せた!」 僕の携帯が鳴り、慌ててマナーモードにしようとリュックに近づいた。 表示された相手はヤンさんだった。 「あれっ!!」 「 瑠衣どうした? 」 龍さんが席を立つ。 「 母の友人のヤンさんがフランスからかけてきたみたいで 」 「 すぐ出てあげなさいよ 」 玲さんに促され、スマホのボタンを押す。 ※( 会話は英語です) 『ハロー、ヤンさん?』 『☆☆\%#-$』 『 ヤンさん、僕フランス語上手くしゃべれないよ!英語にして!…… うん、うんそうだよ。相手は日本人男性だよ 』 ヤンさんはなんだか怒っていて、日本に逢いに来ると叫んでた。 『 …… もう入籍したんだよ。今月お世話になってる人達に顔合わせの挨拶もするんだよ 。え!?ヤンさんも!? 』 「どうしました? 大丈夫ですか? 」 黙り込む僕に加藤弁護士が声をかけてきた。 フランスのヤンさんが龍さんに会いたいと言って騒いでると簡潔に伝える。 「 よろしければ、私がお話ししましょう 」 「 え? いいんですか? 」 頷く加藤弁護士にスマホを託す。 『ハロー?』 加藤弁護士が英語でヤンさんに説明してくれている。さすが、インテリ弁護士は英会話も完璧だよ。話しながらリビンクへと移動して行く。 「 瑠衣君、英語ペラペラなのね 」 玲さんが感心している。 「 ヤンさんはフランス人と中華系アメリカ人とのハーフなんです。母とは昔、アフリカで出会ったそうです 」 「 アフリカ ⁉︎ 」 「 難民キャンプの支援団体のメンバーだったんです。若い頃参加していたそうです 」 加藤弁護士が電話を終えて、スマホを返してくれた。 「ヤンさんとお話しましたよ。ぜひ龍さんに会いたいそうなので、今月の15日に来ていただく事になりました 」 「 えーっ ⁉︎」 みんなビックリ! お店大丈夫なの?メインシェフだよね!? 加藤弁護士が僕に確認する。 「 ヤンさんはフランスの店でシェフをしていると伺いましたが、もしかしてこの方ですか? 」 加藤弁護士の手には経済誌が開いてある。「フランス三ツ星レストラン 『ミラ◯ール』総料理長 インタビュー」 ヤンさんこと、ヤン・ミシェル・ベルナールがドヤ顔で載っていた。

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