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閑話 (2) ー1『冷凍倉庫で抱きしめて 』ネットBL小説家 カエラの告白
皆さまこんにちは。
ネットでBL小説を書き始めてもうすぐ1年になります、カエラです。
小学生の頃両親が亡くなり、高校を卒業するまで施設で育ちました。
施設では寮母さんや職員の方々に良くしてもらい、貧乏だけどきちんと食べさせてもらいました。
高校を卒業して、社員寮のある食品卸売会社に就職しました。
あ、商業高校なんで経理で採用されたんです。
社員寮はクソボロいアパートですが、家賃がかからないから魅力的だったんです。
光熱費は自己負担です。
独身ならずっと住めますからね。
定年まで居座るつもりです。
え?結婚するだろ?
無理です。だって私、カエラは19歳、正真正銘の男です!
読者のお姉さますんません!!
俺だと気分を害されるでしょうから、このまま私で語らせていただきますね。
隠れゲイの欲望の発散、いや、ほとばしる情熱を皆さまにお届けしたかっただけなんです!
中背の、一重のヒョロリ君て会社の女子社員に陰で言われてます。
営業マンの男性陣には、早く東北一の繁華街のソープで童貞捨ててこいや!と、ど突かれてます。
痛いからやめてください、伝票が飛んでくから~。
ここの社長は人情家と言われていて、カエラのような身寄りのない、施設育ちの人間を毎年率先して採用してくれます。
ちなみに 「 |不憫《ふびん》枠 」とか、「みなしご枠」とか言われてます。
毎年その 「 |不憫《ふびん》枠」から1名と普通採用2~3名入社します。
そのうちの半数以上が転職し、残るのは ほとんど「不憫枠」採用のメンバーらしいです。
カエラも入社して1年、何度も辞めたいと思いましたよ!
だってカエラは経理で入社したはずが、半年は商品を覚えるためとの名目で、人手の足りない商品管理部に飛ばされてしまったんです!
商品管理部=冷凍倉庫に商品を突っ込む仕事です!
そしてそれを営業マンが売るとまた冷凍倉庫から出して配送トラックに乗せるんです!
ザ、肉体労働部門です!無理!
入社して2日目からスーツではなく作業着(会社のネーム入り)と、作業用ズボン(先輩のお下がり)で出社しました。
朝礼が終わるとトラックがバンバン到着し、商品を下ろし、それを私達社員が台車に積み直して冷凍倉庫へ。
冷凍倉庫、それはー20度の極寒の世界。
防寒ジャンパーや防寒ズボンを重ねて着用し、軍手をしても15分も経つとつま先が寒さで痺れます。長靴意味ないから!
新作 『 冷凍倉庫で抱きしめて 』は、ファンからもお仕事BLがリアルと好評をいただいてます。
だって実体験だからね…… 。
物語の内容も、実はほぼ実体験です。
主人公は私、カエラです。
そして好きな先輩は、商品管理部の2年先に入社した「 不憫枠」の人です。
先輩は最初から商品管理部に配属されたスポーツマンです。
柔道部だったそうで、私と真逆の長身のマッチョ体型。
顔は二重でスポーツ刈りで、笑顔がかわいいんですよ。
ギャップ萌え、ってやつですね。
カエラと全てが真逆。
人は自分にないものを求めてしまうものなのかもしれません。
商品管理部に配属されて初日は、トラックから降ろされた荷物を台車に乗せるだけで身体がヘロヘロ。
商品一箱が10キロから20キロあるんですもん。
冷凍倉庫へ台車を運んで賞味期限の新しいのは奥、古いのは手前と考えて商品をしまう作業でヘロヘロ。寒さでガチガチ。
カエラは思わず涙ぐんでしまいました。
そこへ先輩が現れて、涙を見られてしまいました。
はっぱかけられて、ど突かれるかと身構えましたが、先輩は軍手を外してポケットからティッシュを差し出して顔を拭いてくれました。
鼻をかんだカエラの口に今度は一口チョコを放り込むと、フードの上から頭を若干強めにがしがしと撫でて言ったのです。
「 しばらくは重いし、寒いし、身体も辛いだろうけど、サポートするから辞めるな。泣きたいなら屋上か冷凍倉庫の2階の端にしとけよ 」
カエラの手に飴玉とチョコを山盛りにして出て行きました。
「 落ち着いたら出てこいよ、休憩だ 」
慈愛に満ちた優しい笑顔でした。
カエラのハートはズキューンと撃ち抜かれてしまいました。
先輩の側にいたい!そう思ってしまったのです。
それからは先輩に泣きつきながら何とか仕事を頑張れました。
カエラと先輩はボロ社員寮の1階でお隣さんです。なんかそれだけでドキドキします。
それだけならまだしも、精神的、肉体的にヘロヘロなカエラの為に、ひと月も夕食に呼んでご馳走してくれたのです。
どうやら後輩の面倒をゴールデンウィークまで見るのがこの会社の伝統らしく、先輩はカエラのお世話係を任命されたようでした。
好意なわけありませんよね。
男同士ですし…… 。
去年の「不憫枠」は女子社員なので、この社員寮には住んでいません。
だからカエラは先輩に面倒をみてもらえるんですね。
ここは喜んでおくべきだと思い直しました。
2階には商品管理部の係長や営業の先輩が住んでるそうです。
カエラは先輩の作ってくれた夕食を食べ、自分の部屋に戻ると、募る想いを小説にしてネットに投稿し始めました。
初めは短編を何篇か書いたのです。
でもキスもしたことのないカエラです。
妄想だけでは読者のお姉さま方は満足してはくれないでしょう。
ですから今度は実体験を元に
『 冷凍倉庫で抱きしめて 』を書く事にしたんです。
大好きな先輩との日々のドキドキワクワク。
いずれは先輩に彼女が出来るその日までの切ない恋心を綴りたかったのです。
そんなカエラに先輩のちんこを拝める日が来るとは、誰が思ったでしょうか?
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