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閑話 ⑷ –① おばあちゃんは異世界人 女子高校生 A奈の告白(前編)
皆さまこんにちは。
東北のとある街で今年から高校生になったA奈です。
気軽にA奈ってよんでね!
ちなみにA奈の名前はおばあちゃんと一字ちがい。
なんかすごく明るくてフツーのJKなんじゃない?なんて思ってるお姉さま方、A奈は去年まで非常にブー垂れた反抗期真っ盛りの女の子でした。
なんでこんなに素直で明るくなれたのかって?
それはもちろん、恋をしたから!
言っちゃった!これネットで本当に公開するわけ? ま、いいけどさ。
恋した相手は、去年中学校の職場体験プログラムでお世話になった人。
実はA奈の家は建築会社なんだけど、それはいわゆるフロント企業ってやつで、父親の背中には緑色の龍が彫られてる。
だから昔から父親と一緒に市民プールとか、海水浴場とかに行った事がない。
日帰り温泉も、父親だけ借りた休憩室でビール飲んで寝て待ってる。
父親の護衛は常に戸口に立っているから誰もが早足で通り過ぎる。
小学校低学年の頃、駄々をこねて父親と魔法少女プニキュアを観に映画館に行ったら、父親のほかにヤンキー上がりの護衛がもれなくついてきた。
そいつヤンキーAとBが張り切って睨みを効かしたから、館内は子供のすすり泣きが止まず、遂にはほとんどの親子がいなくなってしまった。
…… 無料貸切状態だよね。
潮干狩りも、潮だけじゃなく人間も引いていったよ。
…… まあ、貝は沢山取れたけどね。
それ以来、父親と遊びに行くとか考えるのやめた。
A奈には友達がいない。
つーか、親も子供もみんなびびって遊んでくれないし、遊ばせない。
年に一度、熱が出たり具合を悪くすると、デカくて黒い車が校門まで来て、ママがヤンキーAを連れて迎えにくるから誰もA奈に寄り付かない。
普段はママが軽自動車で送り迎えをしていたのに、ヤク◯の娘だってバレちゃうんだよね。
家がこうだから、絶対警官や公務員にはなれない!
絶対大学は東京に行ってやるから!
そして恋愛してやる!これがA奈の願い。
いじめはないけどさ、まあ、毎日つまんないし、孤独だよね。
A奈の遊び相手はおばあちゃんだったしね。
おばあちゃんはAのって言うんだけど、ちなみにひらがなだからね。
一昨年辺りから、A奈やママのこと忘れるようになった。
自分の息子だけわかる。
おばあちゃんは時々自分のこと30歳位だと勘違いしてたりする。
トイレだって間に合わない事が頻繁になり、嫌がるおばあちゃんを父親が遂に病院に連れて行った。
やっぱり認知症だった。
父親とおばあちゃんが老人ホームを嫌がるから、ママが悪者みたいに見られてかわいそうだった。
でもママはいつもおばあちゃんが汚した下着をタンスや布団から見つけても、文句も言わず洗濯してた。
A奈も
「 あんた誰? 」とか、
「息子の愛人かい?ここの本妻に見つからないうちに帰りなさい」
なんて万札渡されたこともあったよ。
病気だってわかってるけどさ、ムカついたから夜ゲーセンまで出かけようとしたら、ヤンキー①に捕まってしまった。
「 ちょっと、そこどいてよ!」
「 ダメっす。中学生は夜出歩いちゃダメっすよ 」
「 あんたヤンキーのくせに説教する気⁉︎ 」
「 お嬢さんに何かあったら、社長や奥さんが泣くっすよ 」
「 うっさい!そのバカみたいな喋り方ムカつく!どいてよ! 」
「 俺は死んでもお嬢さんを行かせませんよ。社長に恩義があるんで 」
A奈とヤンキー①はしばらく睨み合って、スキをついて門まで走ったけど、ヤンキー①に捕まって、肩に担がれてしまった。
「 ちょっと! 乙女に何すんのよ! 」
「 今ここから出て行ったら、エロジジイやヤリちんに犯られて、孕まされて、乙女じゃ無くなりますよ 」
本気の口調にさすがに暴れるのをやめた。
「 よそのシマから流れてきたチンピラが、最近やばいドラッグを売ってるみたいで、組長もうちの社長もピリピリしてます。今調査してますんで、下手に俺もゲーセンでも顔を見せられないんです 」
え、何? ヤンキー①危険な事調べてるわけ?なにその突然スパイ映画な展開は!
「 髪の色も、調査が終わるまで黒くできないんです。すいません 」
ヤンキー①は確か20歳だったはず。
ヤンキー高校卒業してうちの会社に入社した。2年間、ある日は建築現場で肉体労働したり、休みの日は社長のゴルフについていき、護衛してたりする。
あれ?ヤンキー①いつ休んでるの?
…… ま、いいか。
仕方なくA奈はその日は部屋に戻ってネット小説読んだよ。
ネット小説の主人公は異世界に行ったり、転生したり、現実でつらい状況でも、なんらかの加護、チートがある。
スパダリが何処からか湧いて出て必ず幸せになるから、現実逃避したいA奈の心のオアシスなんだ。
こんな情熱的な彼氏なんて、A奈の父親が近くにいる限りできっこないし。
あー、早く東京に行きたい!
職業体験は、食堂や工場、お菓子屋、スーパー、色んな場所があったけど、ペア優先で決められるらしく、一人で行ける場所は介護施設だけだった。
ぼっちのA奈は特養老人ホームに職業体験に行った。
A奈の職業体験を世話してくれたのは、モッサい頭の、チビで冴えないメガネをかけたお兄さんだった。
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