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第十九章 ツリーを買いに
「ね、衛さん。衛さんは、どういうエッチが好きなの?」
はぁふぅと荒い息を吐きながら、早紀は素朴な疑問を投げかけた。
「どういう、と言われても……」
(愛のあるセックス、かな)
しかし、それを14歳も年下の恋人に語るには、恥ずかしい。
「あ……」
「あ? あ、って?」
繋がったまま、こちらを見て首を傾げる早紀が愛しくてたまらない。
(だけど、やっぱり恥ずかしい!)
衛は赤く染まった顔に気付かれないよう、動いた。
「あ……脚を広げるのが好み!」
そして、早紀の小さな体をベッドに押し付け、両脚を大きく広げさせたのだ。
「うぁ! 衛さん、エロいぃ!」
「また減らず口を叩く」
再び彼を黙らせるため、衛はその腰をぴったりと重ねた。
今度は、細かく速く、リズムを付けて、腰を打ち付けた。
「あぁん! ダメ、だ、ダメぇえ! 何、これ! こんなの、あ、はぁ、んん!」
ぱんぱん、と肌を叩く音が鳴る。
ぐちゅぐちゅ、と接合部の水音が響く。
耳からの刺激も合わさって、早紀は身悶えた。
衛と出会ってようやく知った、本当の行為に酔った。
「……ッく! ひぁ、あ! はぁ、あぁんんッ!」
「悦い声で啼くなぁ」
「んぁ、あ。バカ、あぁ! あ、あぁ。来るッ、また、来ちゃうぅ!」
「一緒に、イくぞ」
「え? あ! はぁ、あぁんッ!」
精を吐いた早紀のすぐ後に、衛もまた彼の体内に射精した。
「あぁああ! 二度、イッちゃうぅ!」
立て続けにオーガズムに達し、早紀は跳ねて悶えて悦んだ。
「あんまり暴れちゃダメだ。まだ、出し終わってないんだから」
「ううぅ。衛さんの、バカぁ……」
そう言いながらも、早紀はこの時間が好きだった。
体内に、愛しい人を迎え入れる時間が、好きだった。
「うぅ……」
「派手にイッたなぁ」
「衛さんのせいなのにぃ」
「悪かったよ」
ぐったりと力を抜いた早紀の体を、衛は大切に扱った。
ウェットティッシュで汗や体液を拭き清め、パジャマを着せてあげた。
いつも、パジャマを着せてあげる頃には早紀は眠ってしまう。
だが今夜は、なぜか頑張って起きている。
「どうした?」
「ね、衛さん。明日、絶対ツリーを買うよね?」
「ああ」
「約束だよ?」
「約束する」
ようやく早紀は、満足げに衛の手を握り、瞼を閉じた。
その可愛い寝顔には、勝てない。
「まさか私が、クリスマスツリーを買う日が来るとは」
ふと見ると、枕元に星がいくつか落ちていた。
早紀が作った、折り紙の星だ。
幸いまだテープが生きていたので、衛はそれをヘッドボードに貼りなおした。
何だか、温かな心地だ。
「どんな豪華なツリーより、この星の方が素敵だよ」
そして、衛も瞼を閉じた。
翌日、衛は早紀と共に、クリスマスツリーを選びにショップへ足を運んだ。
「これ! これがいいな。白いの!」
早紀が選んだのは、真っ白いシンプルなツリー。
これに、自分の好きなオーナメントを飾って、オリジナルのツリーを作る。
そんな早紀に、衛は隣のツリーを指した。
「こっちの、グリーンが良くないか?」
ダメだよ、と早紀は唇を尖らせる。
「メビウス、薄暗いもん。白い方が、絶対映えるから!」
「緑の方が、目立たなくていいんだが」
「まだ、そんなこと言ってる。クリスマスだもん、楽しもうよ」
「そうするか」
大きな白いツリー。
それに似合うオーナメントを、それから二人で選んだ。
「このスノーマン、可愛い」
「ベルも、飾ろう」
「イルミネーション、何色がいい?」
「早紀に任せるよ」
何だ。
楽しいじゃないか。
「ワクワクするなぁ。早紀の言う『クリスマス気分』になってきたよ」
「えへへ。やったね!」
終いには、衛の方からツリーの敷物まで選んで、素敵な買い物は終わった。
少し遅いランチを摂りながら、衛は早紀に話した。
「クリスマスツリーを買うことが、こんなに楽しいとは思わなかったよ」
「良かった! 僕も嬉しいな」
今までの恋人は、みんな私に合わせてくれた。
ツリーは飾らない、と言えば、みんな大人しく従った。
だが、早紀は違う。
自分の主張は、ぐいぐいと押してくる。
新鮮な驚きと喜びを、衛は感じていた。
「ねぇ、クリスマスブレンドのコーヒーも、考えようよ」
「そうだなぁ。どんなイメージで行こうか」
「甘みのある、優しい味。口当たりも、柔らかに」
「深煎りの豆を、使うかな」
そして、ジンジャーマンクッキーを僕が焼く、と早紀は言う。
「いろんなクッキーを、焼きたいな。可愛いのを、たくさん」
「早紀は、クリスマスを楽しんでいるなぁ」
「せっかくのお祝い事なんだもん。思いきり、楽しまなきゃ!」
その、彼の無邪気さは。
(子どもだ、と言えば、怒るだろうな)
いや、子どもなんじゃない。
若いんだ。
早紀はまだ、18回しかクリスマスを迎えたことがないんだから。
「早紀」
「なに?」
「いい、クリスマスにしような」
「うん!」
いい笑顔の早紀は、いい返事をした。
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