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第二十三章 元・恋人の影なんか気にしない!
「少し早いけど、クリスマスプレゼントだ」
「ありがとう!」
高級ホテルで衛と共にディナーを終えた早紀は、最高のクライマックスを迎えていた。
衛が渡したものは、ジュエリーの入っているような、上質紙でできた小さなバッグだ。
(まさか、ホントに婚約指輪……!?)
ドキドキしながら包みを開くと、そこからはレザーブレスレットが顔をのぞかせた。
「あ! カッコいい!」
飽きの来ないシンプルなデザインだが、ジョイントパーツにエッジが利いていて、スタイリッシュだ。
本革は、使い込むほど味が出る。
それが、衛が今後も長く付き合おう、と言ってくれているようで、早紀は嬉しかった。
(さすがに婚約指輪じゃなかったけど、嬉しい!)
「ね、衛さん。僕に、付けてくれる?」
「いいとも」
これまた慣れた手つきなのが気になったが、早紀は舞い上がるほど喜んでいた。
別に、慣れてたっていいんだ。
昔の恋人に、同じようにしてあげてたって構わない。
今この瞬間の恋人は、僕なんだから!
「ありがとう、衛さん……!」
「とても、似合うよ」
ブラックとナチュラルレザー、色はどちらにしようかと迷った。
そんなことを衛は言っている。
「ただ、早紀の髪は栗色だから。ナチュラルの方が似合うかと思って」
「そこまで考えてくれたなんて!」
ああ、もう!
今すぐここで、抱きついちゃいたい!
瞬間的にそう考えてしまった早紀だが、それもすぐに現実となる。
「実は、このホテルに部屋も取ってあるんだ。行くかい?」
「そんなの、行くに決まってるじゃん! 泊るに決まってるじゃん!」
まるで早紀が予約を取ったかのように衛の手を引き、ルームへ走った。
「おいおい、そんなに急がなくても部屋は逃げないぞ」
「この気持ちが、逃げちゃう! 今の気持ちのまま、衛さんを……」
ドアを開け、室内に入ると、早紀は衛を抱きしめた。
思いっきり、全身でぶつかって抱きしめた。
「好き好き、大好き! 衛さん!」
胸に顔をぐりぐり擦り付け、早紀は全身で喜びを表現した。
もし、彼に尻尾が生えていたら、ちぎれるほど振っているだろう。
その素直な、飾らない愛情表現に、衛は照れた。
何か、声をかけてやるべきなのか。
しかし口を開くと、とんでもない事を言いそうで、恐ろしい気分もある。
それほど、早紀は愛らしかった。
(愛してる……か? え!? あ、愛してる!?)
それは、言えない。
(恥ずかしい!)
衛は言葉を選び、 精一杯の勇気を振り絞って、ようやく言った。
「私も、早紀が好きだよ」
「えっ、嘘!?」
「嘘じゃないぞ!?」
違う、そういう意味じゃないと、早紀は目を輝かせた。
「衛さん、初めて僕のこと、好きだ、って言ってくれた!」
「そ、そうだったかな?」
「うんうん。嬉しいよぅ!」
このままでは、いつまでたっても先に進まない。
そこで衛は、早紀をすくい上げて横抱きした。
「ひゃっ!」
「軽いなぁ、早紀は」
そしてそのまま部屋の奥へ進み、ベッドルームに早紀を運んだ。
「ね、待って。もう、ヤるの?」
「せめて、寝るの、と言えないかなぁ」
早紀は、先にバスを使いたいと訴えた。
「歯も磨きたいし、着替えたいし」
「私は今、このままの早紀を抱きたいんだ」
かつて無いくらい、積極的な衛だ。
(何か衛さん、ノリノリ!)
目を円くしていると、早紀は甘い口づけに襲われた。
「ん、ぁう。はぁ、う、んん……」
キスをしながら、衛は器用に早紀のスーツを脱がせていく。
(な、何か、手慣れてる感じ……)
前の恋人にも、こんなことしたのかな。
そう思うと、切なくなる。
(じゃあ、僕も!)
夢中で腕を伸ばし、衛のシャツのボタンを外しにかかった。
「早紀は、そのままでいいんだよ」
「ヤだ。僕も、衛さんのこと剥いちゃう!」
そうは言っても、すぐに息が上がって手がお留守になってしまった。
(キスだけで、もう体の奥がピクピクしてるぅ……)
「どうした。降参か?」
「ふぅ、はぁ。衛さん、もう挿れてもいいよ」
「それはさすがに、早すぎないか?」
充分に気持ちと体が昂った早紀は、後ろが疼いてたまらない。
早く。
早く、イきたい。
衛さんの愛情いっぱいもらって、おかしくなるまで感じたい!
そう思うと、早紀の腰は淫らにうねった。
衛に擦り付け、熱い息を吐いた。
「ね、衛さん。早くぅ……」
「今夜の早紀は、何か違うな」
「クリスマスだもん。記念日だもん」
「そうだな」
いや……違う。
そこで衛は、ようやく気付いた。
(早紀は、発情してるんだ)
薬で抑えているので、前後不覚に陥ることはない。
(だが、本人の自覚無しに、性的欲求が高まっているんだな)
だったら、と衛は素裸になった早紀の後膣に指を伸ばした。
少し埋めてやると、ぬるりと飲み込まれる。
オメガの体液で、そこはすでに潤っていた。
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