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第二十四章 愛してるよ

「熱いな……」 「うぅ。衛さん、早くぅ」  早紀のフェロモンに酔ったのか、衛もその色香にめまいがしてきた。 (早く挿れたいのは、私も同じだが)  それでも堪えて、早紀の後ろをていねいに解していった。 「んぁ、はぁ、ぁん。っく、あぁ、やっ、やッ、あぁあ!」  とろとろと、いくらでも早紀は精を吐いた。  その切ない声に、ゾクゾクする。  甘い吐息に、ドキドキする。  衛もまた、早紀を弄りながら屹立していった。 「ヤだなぁ、衛さんったら。僕が触ってもいないのに、準備OK?」 「可愛い声を、さんざん聴かされたからな」  そしてようやく、衛は柔らかく蠢く早紀の蕾に硬い先端を当てた。 「んぁッ!」 「おいおい、元気だな」  少し挿れただけで、早紀の精が衛の腹まで飛んだ。 「ね、衛さん。少しだけ。少しだけ、休憩しよう?」 「これからが、メインなんだぞ?」 「今、イッてるから。イッてるからぁあ! あぁあん!」  衛は意地悪く、そのまま早紀を貫いていった。  手と手をつなぎ、指をしっかりと絡めて、二人は愛し合った。 「んんぁ、あ、はぁ! んっ、んッ、んあぁう!」  何、これ。  こんなの、初めて。 (確かに衛さんとのエッチは、今までの人たちとは違うけど……)  それにしても、この自分の乱れようは異常だ。  いや、すでにもう、早紀は自分を客観視できなくなっていた。 「ヤ、だぁ。出る、出ちゃうぅ。いっぱい、溢れてくるぅ!」 「いいよ、早紀。いっぱい、感じてくれ」 「はぁ、はぁ、あぁ。うぅう! あ、頭、体、焼き切れるぅう!」  身悶えして快感を逸らそうとするが、手を衛にしっかりと握られているので逃げられない。  その律動を、快楽を、早紀は全て受け止めた。 「もう、もうダメぇえ!」 「出すぞ」 「ん、うん! 来て、衛さん。いっぱい、ちょうだい!」  早紀の声が引き金になったように、衛の精が放たれた。  背を反らし、髪を散らして、早紀は狂おしいまでの愛を受け取った。  瞼は閉じていたが、衛の姿を心にしっかりと焼き付けた。 「あぁ、あ。熱い……ッ!」  ひくひくと震え、早紀は何度でもオーガズムに達していた。  衛は、動かない。 (挿れられてるだけで、こんなに感じるなんて!)  衛さんは、生粋のアルファなんだ。  オメガの僕を狂わせる、アルファなんだ! 「衛さんの、バカぁ……。うぅ、はぁ、あぁん……」 「バカだから、もう一度いくぞ」 「え? あ、動かないで! また、するの? ちょ、一回抜いて!」 「抜かずの二発、やろうか」 「ヤぁ、だぁ! あぁ、あぁ、あぁあッ!」  揺さぶられながら、早紀は愉悦の涙を流した。  あぁ、幸せ。  すっごい、気持ち悦い。  衛さんが、こんなに僕を愛してくれる! 「はぁ、あぁん! また、またイッちゃうぅ!」 「私もそろそろ、イきそうだ」  二人ほぼ同時に絶頂を迎え、体を、心を一つに溶け合わせた。  防音は本当に大丈夫だろうか、と衛が少し心配になるくらい、早紀は大きく伸びやかに啼いた。 「あぁああッ! 衛、さぁあん!」 「早紀、愛してるよ」  あ……。  今、衛さん、僕のこと……。 (愛してる、って、言ってくれたよね……?)  嬉しい。  僕、嬉しい。 (も、もう一度、言って。衛さん、もう一度……愛してる、って……)  ダメ。  意識が、遠くなって行っちゃうみたいだ。  こんなに素敵な夜なのに。  もっともっと、愛し合いたいのに。  眠気とはまた違う、充足感が早紀の心に満ちていた。  ひとつに溶け合い、愛情を確かめ合った衛と早紀。  熱い夜を、駆け抜けた。  すやすやと眠る早紀の髪を指先で弄りながら、衛は優しい目をしていた。  優しい目をしているのは、この少年を愛しているから。  自分でも無意識で放った、言葉だった。 『早紀、愛してるよ』 「もう、逃げも隠れもできないな」  私は、愛してしまったのだ。  こんなにも深く、この子を。  オメガのフェロモンで、のぼせたのか、とも思った。  しかし、情事を終えた今の方が、想いが募っている。 「愛してる、か……」  久しぶりに使った、この言葉。  早紀は、聞いていただろうか。  覚えているだろうか。  眠りから覚めれば、忘れているのではないだろうか。 「いっそ、その方がいいのかもしれない」  14歳も、年齢が離れているのだ。  今後、早紀が思いを寄せる若者が、他に現れるかもしれない。 「そうなると、また失恋だ」  思わず衛は、肩をすくませた。 「懲りないな、私も」  くすりと笑って、瞼を閉じた。  それでも、いい夢が見られそうな気がしていた。

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