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第42話 離れたくない

 弄られてるのは乳首なのに、ペニスが疼く。  体の奥が、チリチリしてくる。 「あ、もうダメ。でも、でも、もっとぉ……」  すっかり勃ち上がった早紀の中心から、とろりと精が流れ出た。  衛はそれをすくい取ると、後膣に塗り込めた。  もう、すっかり潤っている。  指を入れると、早紀は甘い悲鳴を上げた。 「んあぁ、あん! ダメ、だってばぁ!」 「じゃあ、やめるか?」 「やめちゃ、ダメ!」  どっちなんだ、と喉奥で笑いながら、衛は早紀を指でいじめた。  腹側のスポットを押し擦ってやると、彼は大きく引き攣った。 「はぁ、はぁ、あぁあ!」  早紀の精が流れ込み、秘所はさらに濡れる。  そこに衛は、すっかり充血した杭を打ち込んだ。 「っく! んんぅ、う。あ、あぁ、衛さん……!」 「早紀、好きだよ」  奥まで挿れる間に、衛は愛の言葉を贈った。 「僕も。僕、衛さんのことを、愛してる」  一つに溶け合い、二人はしばらく口づけ合った。  衛が体を動かすと、体内が刺激され、早紀は身悶える。  それが可愛く、彼は何度もキスをした。 「あぁ、はぁ。衛さん、気持ち悦いよぅ……」 「私もだよ、早紀」  こんなに体の相性がいい恋人は、初めてだ。  衛は今更ながら、早紀の魅力を深く味わっていた。 「動くぞ」 「うん」  滑らかに、ゆったりと衛は腰をやった。  小さな早紀が、苦しくないように。  華奢な恋人が、壊れてしまわないように。 「う、あぁ! んんぁ、あ。っく、うぅ、んんぅ!」 「早紀の声は、ホントに可愛いな」 「んぁ、バカぁ……」  いつまでも、聴いていたい。  このひとときに終わらず、これからも、ずっと。 「ふぁ、あ。んっ、んッ、くぅッ! はぁ、あ、あぁあ!」 「早紀……ッ!」  衛は、早紀の中に射精した。  はぁはぁと荒い息を吐きながら、早紀は微笑む。 「ね、衛さん。抜かずの二発、ヤる?」 「君が、許してくれるのなら」  来て、と早紀は衛に向けて腕を伸ばした。  その腕を取り、指を絡め、口づけた。 「やだな、衛さん。僕のお腹の中で、また大きくなってるよ」 「早紀の体が、あんまり気持ち悦いからだよ」  いや、体だけでない。  その心も。  早紀の全てを、愛している。 (とても別れられそうにないのは、私も同じだ)  大人の分別で子どもを導いたつもりだったが、後ろ髪を引かれて仕方がない。 (いや、彼はもう子どもじゃない)  かといって、大人でもない。 (早紀は、早紀なんだ)  他でもない、ひとりの人。  この世にただ一人の、愛する早紀なのだ。  衛は、深く深く早紀を貫いた。 「ッあ! はぁ、ああ!」  首を反らし、髪を散らし、早紀は全身で悦びを表した。  衛もまた、彼に四度も種付けし、それに応えた。  甘い、熱い夜だった。  愛の行為が終わって、体を拭いて。  パジャマを着せてあげても、早紀は眠らなかった。 「どうしたんだ?」 「ピロートーク、したい」  ふふふ、と早紀は衛にすり寄った。 「ね、衛さん。聞いて、僕の名案」 「そうだった。何だろうな」  早紀は言っていた。 『衛さんと、ずっと一緒にいられるように、って。いつも考えてたんだ』 『でもそれには、衛さんの協力が必要なんだけど、な』  私と早紀が、離れずに済む方法。 「早く教えてくれよ」 「協力してくれるかな?」 「私にできることは、何でもやるよ」  嬉しい、と早紀は衛に抱きついた。  そしてそのまま、耳元に唇を寄せた。 「あの、ね……」  聞いて衛は、うなずいた。 「なるほど。そういう手があったか」 「どう?」 「試してみる価値は、あるぞ」  名案だ、と衛は早紀の頭をぐりぐり撫でた。  キスの雨を、何度でも降らせた。  2月末。  メビウスを閉店してしまう前に、衛は父と会う約束を交わした。  そして、ついにその日がやって来たのだ。  衛の父は、ワクワクしていた。  表向きは冷静さを装ってはいるが、久々に息子に会えると思うと、胸が躍った。 「自分の方から会いたい、とは。衛の奴も、殊勝になったな」  いつも反発していた我が子を思うと、物足りなく感じてしまうくらいだ。  ただ、面会の場所は彼の方から指定があった。  弓月の邸宅ではなく、ハイクラスホテルでもない。  衛が愛して築き上げた、カフェ・メビウスだ。  その点は、やや不満に感じた父だったが、息子が経営するカフェに興味もある。  運転手付きの高級車で、赴いた。  だがしかし。 「何だ、ここからは歩くのか?」 「衛さまのお話しでは、カフェに駐車場は無い、とのことです」 「何という立地の悪さだ!」  ぶつくさ言いながら、ショッピングモールを歩く、衛の父だ。  しかしながらアーケード内は、平日の昼というのに人が大勢いて賑やかだ。 「まぁ、このくらい人間がいれば、それなりにカフェも繁盛しているのだろう」  そこで、護衛の人間が足を止めた。 「この角より、奥へ進みます」 「何だって!?」  賑やかな表通りから、離れた立地。  衛の父は、だんだん機嫌が悪くなっていった。

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