13 / 20

第13話

「彼は楓だ…君が来る前の実験第ゼロ号」 「どうもぉ」 僕は彼女に会釈をしては見たがその頭が上がらない…何かが引っ掛かる マスターの言葉を頭のなかで繰り返した 彼は楓だ…彼は楓……"彼"は楓!? 僕は後ずさりをしていた…彼が笑顔であればあるほど僕の顔がひきつってくる 何がどうなっているのか…目の前の人が… 僕は部屋から逃げ出したくて仕方なかった だけどここにはマスターがいる その気持ちひとつが今の僕を足止めしていた 「だだて…む…胸が……声が…」 震える声でようやく言いたいことを言えた マスターは口にてを当てている 肩が笑っている…小刻みに… 「実はな……実験に初めて失敗したんだ……」 「マスターに開発されちゃったの」 マスターは笑いが収まらず…楓が話始めた

ともだちにシェアしよう!